不尽子

「つきぬこ」と読みます。 まだ何も分からないけどとりあえず使わなくなった脚本やぼーっと…

不尽子

「つきぬこ」と読みます。 まだ何も分からないけどとりあえず使わなくなった脚本やぼーっと書いた小説を上げてみようと思います。 新都社やpixivでも「ツキヌコ」名義で何かかいてるのでそっちもよろしくです。

マガジン

  • 【小説】Dear my Amnesia

    一人の臆病な悪魔が天使に淘汰され、人間界のある教会へと逃げ込んだ。 そこに住むのは最強と名高い祓魔の神父と、健忘症の心優しいシスター。 己の正体が明かされないよう庇い続けるシスターに、悪魔は何を思うのか?

  • 只の独り言

    エッセイのような何か

  • 脚本

    演劇・声劇両方に使える脚本を書いていきます。

  • イラスト

    大体pixivにあるやつをそのまま投稿します。気に入ったものが見つかれば幸いです。

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【Dear my Amnesia】第一話

第一話 健忘症のシスター  天使と悪魔が争っていた時代。 戦況は天使側の有利。否、天使側の完全勝利だった。 人間の血を啜り、性を貪り、その魂を食らう悪魔の存在を天使達は決して許しはしなかった。 やがて悪魔の長たる魔王の城は陥落し、悪魔達は人間界へと逃げ果せた。  上空の暗雲に紛れながら傷だらけの翼を羽ばたかせている彼も、その一人だった。 しかし彼は他の悪魔達とは違い、故郷を居心地の良い場所だと思った事は一度も無かった。幾度も死を選ぼうとしていた事があった程だ。 だがその場所

    • 【Dear my Amnesia】第十話

      第十話 慈母  フラッセオと別れた後、ヴィギルはオフィーリアに頼まれていたものを買っていた。 途中やはりすれ違う人々を見ては喉が鳴ったが、何とか耐えて早々に町の外へ出た。  山道を登っていると、ふと誰かが自分を呼んでいる声が聞こえた。 振り返ると、ナイツェルがもの凄い形相と速さでこちらに飛んで来た。巡回中に自分の姿を見つけたのか、ヴィギルは戦慄を覚えながらも身構えた。 幼い天使は悪魔の前に降り立つや否や、かなりの剣幕で捲し立ててきた。 「町へ行ったのか!?誰も襲ってないだ

      • 只の独り言

         未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。 また前回から大分日を空けてしまった。 それまでは特段ぼやく事が無かったというのもあるし、小説の執筆を重視していきたいという思いもあった故の事である。 だが、先日当方が敬愛しているバンドのボーカルの訃報を聞いて、ぼやくどころの心持ちではなかったという事も添えておきたい。  亡くなったバンドのボーカルと言うのは、以前のぼやきにも話していたBUCK-TICKの櫻井敦司氏の事である。 忘れもしない10月の24日、祖父の訃報で崩した体調を何と

        • 脚本「狂人達の円舞曲」

          死刑囚の辞書に「普通」などない。ただ円舞曲を踊るだけ。 高校時代に執筆した声劇用の脚本です。ご使用の際は聞きに行きたいのでご一報下さると嬉しいです。(強制ではありません) 登場人物 恵 橋垣恵。死刑囚。   妹以外の家族全員を殺したと自白している。 来津 来津輝人。死刑囚。    百人殺しの指名手配犯。麻薬中毒者で常にニヤニヤしてる。 伊了 伊了学。死刑囚。    変態闇医者。人の苦しみや絶望の表情が大好き。 緋華 萬洲緋華。死刑囚。    無差別殺人鬼の少女。虐待の影響

        • 固定された記事

        【Dear my Amnesia】第一話

        マガジン

        • 【小説】Dear my Amnesia
          12本
        • 只の独り言
          11本
        • 脚本
          4本
        • イラスト
          6本

        記事

          【Dear my Amnesia】第九話

          第九話 望まれなかった再会  次にヴィギルが目を覚ましたのは、自室のベッドの上だった。 兄のアンが現れた事で気を失った事を思い出し、改めて己の臆病さを恥じた。 ふと、視界の端に人影が見える。どうやらまたオフィーリアがついてくれていたようだ。 「ギールさん、大丈夫?」 「…すまない。不様な所を見せてしまった」 「本当だよ。淫魔型だからって、あんなにお兄さんを怖がるなんて。私だってあんな事をされて、凄く怖かったのに」 少女の苦言に、悪魔は気まずそうな顔で目を逸らした。トーム

          【Dear my Amnesia】第九話

          +4

          【Dear my Amnesia】登場人物紹介 2

          【Dear my Amnesia】登場人物紹介 2

          +3

          【Dear my Amnesia】第八話

          第八話 魔王の嫡男  悪魔フラッセオは、今日も人間の女が家に訪れるのを待っていた。 天使や祓魔師に見つからないよう派手な行動は控えていたが、隠れながら寄ってくる美しい餌を少しずつ食むこの生活は退屈しなかった。 彼は実に狡猾に、且つ慎重に食糧調達をしていた。餌と決めた人間の女は全て独り身で、決して位の高い者達ではなかった。そうする事で万が一自分の家に頻繁に入る女が居ると知られたとしても、事が大きく荒立ちはしない事を彼は知っていた。 カーテンを開き、太陽の眩しさに目を細めながら

          【Dear my Amnesia】第八話

          【Dear my Amnesia】第七話

          第七話 シスターの備忘録  悪魔ヴィギルは頭を悩ませていた。 昨夜初めてトームと顔を合わせた際、酷い食欲に駆られていたのは記憶に新しい。 しかし翌朝、仕事へ向かう前の挨拶にとまた神父が部屋に入ってきたが、昨夜のような食欲は全く沸かなくなっていた。 こちらの正体は依然悟られていないように思えたが、やはり警戒されて守護の術でもかけているのやも知れない。 そう考えると不安が募り始め、トームが仕事に出たのを見計らって部屋に入ってきたオフィーリアにすぐ打ち明けた。 「でも、怪しんで

          【Dear my Amnesia】第七話

          只の独り言

           未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。 毎日更新が少々面倒になりぼやく内容も無かったため大分に日が空いてしまった。 特段読んで何かを得られるものでも無いが、ぼやきたい時に気楽に書いてこその独り言である。  さて、久々に最近は嬉しい事が起こったためそれを書き連ねていきたい次第だ。  まず一つは、サービスが終了して投稿先を失ったためこのnoteに掲載していた脚本「日照る雨」が、数日前にnoteに載せて初めて使用していただけた。 Twitterのスペースにて、FF外であるにも関

          只の独り言

          【Dear my Amnesia】第六話

           第六話 祓魔の神父  街のとある民家では、まだ日が昇ったばかりだと言うのに何度も窓から光が漏れ出ていた。 家主の息子が匿っていたらしい女の中級悪魔を、いつも通りに祓っていた。 普段ならものの数分で片が付くところだが、淫魔型であるらしいその悪魔にすっかり魅入られてしまった息子から妨害を受け些か手間取っていた。 「頼む、殺さないでくれ! 彼女はただ、安心して暮らせる場所が欲しかっただけなんだ!」  悪魔は既に弱っており、あとは止めを刺すのみ。だがすんでのところで男がトーム

          【Dear my Amnesia】第六話

          【Dear my Amnesia】第五話

          第五話 魔王の子  天使長の訪問により時間が押された兄妹は、すぐに朝食を済ませた。 礼拝堂のステンドグラスが割れてしまったため、その日のミサは中止となった。 そしてまたすぐに仕事へ向かったトームを見送った後で、ナイツェルがまたオフィーリアに怒鳴った。 「何で神父様にあんな嘘吐いたの!? それも魔王の子供なんて助けて!」 「ご、ごめんなさい……」  ただでさえ多感な時期の妹を監禁してしまっている自覚があるトームは、その為オフィーリアにはとても甘かった。 ヴィギルから悪魔の

          【Dear my Amnesia】第五話

          只の独り言

           未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。  前回の独り言に番号を振るのをうっかり忘れてしまっていたが、よくよく考えれば特につける意味も無い事に気付いた。 アクセス状況を確認する際に便利と言えば便利だが、それだけあっても結局只の独り言故書いた内容を憶えていない事もちょくちょく出てきたためだ。  さて、突然だが貴殿は「何もしたくない」状況に陥った際はどのように対処されるのだろうか。 前回の落ち込んだ時とは似て非なる、特段体調不良という訳ではないのに身体がだるく感じられる事もおあ

          只の独り言

          【Dear my Amnesia】 登場人物紹介 1

          【Dear my Amnesia】 登場人物紹介 1

          只の独り言

           未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。 先日の独り言で宣言した通り小説の投稿に少し間が空いてしまった。 次回の投稿後にTwitterに宣伝漫画でも描こうかと考えているが、バズるような出来となる自信は正直に言って皆無だ。  さて、突然だが貴殿は気分が落ち込んだ時はどのようにして快復されていらっしゃるのだろうか。 音楽を聴かれたり本を読まれたりして気を紛らす方もいらっしゃれば、ただ寝るだけで快復される方もいらっしゃる事だろう。 当方の場合は、何をする気も起きなくなるのでまずは

          只の独り言

          【Dear my Amnesia】第四話

          第四話 天使の長  朝日が差し込んで目が覚めたヴィギルは、すっかり傷が癒えている事に気付いた。 元より悪魔の回復能力は高いが、それでも一晩で完治する傷ではなかった筈だ。教会の神聖な力によるものだろうか。 だがヴィギルはそれ以上考える事はせず、傷が癒えた今の内に此処を出て行こうと決心した。 これ以上悪魔が教会に居座れば、万が一天使に見つかってしまった際に、親切してくれたシスターにまで迷惑がかかってしまう。それだけは耐えられなかった。  意を決して窓を開けたヴィギルの前に飛び込

          【Dear my Amnesia】第四話

          只の独り言 8

           未だ見ぬ貴殿に初めてご挨拶申し上げる。 書き溜めていた小説のストックを出し切ってしまったため、今後は投稿の頻度が遅くなる可能性が高い。 ただ購読者も出ていない故、そう焦る必要も無いと考えれば些か気も楽に思う。  さて、突然だが貴殿は海外はお好きだろうか。 日本も美しい文化が多く沢山の外国の方が観光に来て下さっているが、そんな方々の文化に触れてみたいと考えた事はないだろうか。  学生時代に語学研修でカナダとオーストラリアへ旅行した事のある当方にとっては、やはり異文化というも

          只の独り言 8