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赤い聖堂とパラケルスス
突然の顔面神経麻痺に文字通り面食らいながらも強行したヨーロッパ行き、チューリッヒから電車に乗ってバーゼルに赴いたことも書いておこう。
移動の途中で立ち寄りたいところがあるとすれば、まず、その土地の大きな教会。私はクリスチャンではないけれども、人々の信仰が形をとったような大建築、その空間に身を置いてみることが好きなのだ。それから、美術館や博物館、生活感のある市場など。
チューリッヒについて調べているうち、ちょっと足を伸ばしたところにあるバーゼル、ここにある博物館の一つに、どうしても行ってみたくなった。
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お目当ての博物館まで、バーゼルの駅からグーグル・マップを頼りに歩いていくことにした。歩く方が街の様子がわかるというものだが、いつもスマホで地図を見るようにしていると、案外、周りの様子を感じ取るのがおろそかになってしまうので、いっそスマホより紙の地図の方がいいかも知れない。どっちみち、観光客であることはバレバレなのだから。
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リーメンシュナイダーの作品にも似ているような。
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スケールは大きいのに質朴な印象
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さらに歩いて行くうちに、地図を見ているのにもかかわらず、ちょっと間違った道に入ってしまったりする。知らない土地へ行くと、脳は意識下でもいろんな情報を受け取っているらしく、いつもとは違う疲労を覚えるものなのだ、それがまた脳の刺激にもなるのだろうが。
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目印は、この記事の表題のところにある蛇がデザインされた看板
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その前の泉の水は、これも飲める。
はるばる訪ねたのは、薬学歴史博物館という。医学部で有名なバーゼル大学所属の施設で、一般公開されている。シンボルとして蛇がモチーフとして使われているのは、ギリシア神話にある医術の神アスクレピオスが持っていた杖を連想させ、蛇は再生、もしくは復活を示すと思われる。
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ペストを祓うため、煙を振りまくのに中世に使われた道具。
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思いつくありとあらゆるものが、標本として展示されているようにさえ見受けられる
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星と人間の照応は、中世の神秘学の大きなテーマだった。
今の私たちは、自分たちの生活に役立つものと役立たないものとを分けて使っているけれども、ここに至るまでに、それが有益なものなのか害悪をもたらすものなのかを試し、調べてきた長い歴史があるわけだ。
その背景には、人間が病にかかるのはなぜか、そもそも、人間とは何か、命とは何か、病を癒すとはどういうことか、そのためには何が必要か、、、 そういうことをずっと昔から考え、思索と模索、そして探索を重ねてきた歴史の片鱗が、ここに凝縮している。
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ごく短期間ではあったものの、バーゼル大学の教授職にあったそうだ。
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ホメオパシーはパラケルススの毒に関する理論が元になっているという。
医術、錬金術、さらに、魔術や占星術、呪術、それらは、過去、分かち難く結びついている領域で、全ては神の創りたもうたこの世界を理解するためのものであったのは間違いないが、今日の化学の基礎を開いたと言われるパラケルススは、見えない世界に病の原因と治癒の可能性を求める世界観を脱し、物質の属性、薬理効果というものに着目した最初の人物と言われる。錬金術のこの世的な成果も、それだろう。
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もしも、書き間違ったら、どのようにして修正したのだろう?
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人を癒す(それも多岐にわたるだろうが)のを仕事にしている人には、大変興味深いところではないだろうか。あいにくと言うか、当然と言うか、解説は全てドイツ語なのだが、英語のオーディオガイドが借りられる。
(行ってみての感想をつづっているだけなので、博物館の展示品について理解したことは必ずしも正確な内容ではないだろうことを記しておきます。)
これに先立つ旅の記録はこちら。
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