カレー屋

先日"ウチのカレーは如何に拘ってるか"のウンチクがこれでもかと書かれた看板を軒先に出すカレー屋に入った。ウッド調の小洒落た店内には洋楽のトレンド曲がかかっていて、鼻歌を歌いながら(誇張無し)店員が注文をとりに来た。
「今日の日替わりは北海道の野菜を使った〜」とまたウンチクを聞かされた後、注文をし終え黙っていると

「「Spotify Premiumなら!」」

と突然広告がどこからか流れてきた。

洋楽が流れているところに、急に張り切った日本語が聞こえると頭が回らなくなりポカンとしてしまう。店内のBGMを無料のSpotifyにしているとは夢にも思わなかった。ジャズが流れるラーメン屋やグッドミュージックがかかる西友は聞いたことあるけど、Spotifyの広告が流れるカレー屋なんて聞いたことがない。

こう言った内装や商品にはこだわりを持つのにBGMに一切の関心がないお店がたまにある。以前も落ち着いた雰囲気の喫茶店に暑苦しいロックがかかっていたことがあった。
こうなってしまうと、その店の味や雰囲気が台無しになってしまう気がしてならないし、店として音楽の扱いが雑だなとも思う。みな音楽を聴かなくなった/興味が無くなったとは聞くけれども、こうもまざまざと見せつけられると仮にも音楽をやっている身としては落ち込んでしまう。

結局カレーは美味しかったどうか覚えてない。もはや気が気でなかったから。

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