マガジンのカバー画像

ツキノポエトリー

21
いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
運営しているクリエイター

#眠れない夜に

朝と夜の願いごと

早く朝が来てほしいと願う日は カーテンを開けたまま眠る ゆっくりと近づいてくる朝の足音が …

月乃
8日前
54

満月のコーラフロート

空と海の境界線が夜に溶けて 世界がひとつになる 黒い海にうかぶ満月が バニラアイスみたいだ…

月乃
10日前
54

知らない鳥

蝉たちの声が だんだんと大きくなってきて 耳の奥から目覚めていく 空は薄い青色で 地球の色…

月乃
2週間前
21

水星に乗って

三日月の先っぽにぶら下がって ちいさなわたしは宙ぶらりん このまま元に戻れないなら キミの…

月乃
2週間前
20

月の呪文

夜空に散りばめられた星屑みたいに 言葉のカケラがぽろぽろ落ちてくる ひろって紡いで ひろっ…

月乃
11か月前
26

世界はグラデーション

地球の温度を確かめるように 砂浜を裸足で歩いていた 潮風がハラハラと髪をなでて じゃあね。…

月乃
4週間前
16

光に気づくこと

ゆっくりと沈んでいく 琥珀色の太陽を見ていた その姿が消えても 空はまだ夜になりきれないまま 寂しげな群青色に染まっている やぶれた心がひどく痛くて 声も出ないほど悲しくて 拭っても拭ってもこぼれてくる涙 絶望を数えながら歩いていたら バスは行ってしまった 次のバスを待っている 「光と闇はいつも一緒」 わたしが泣くと ママはいつもそう言っていた 落ちた闇が深いほど 光に気づくことができるんだね 幸福だったあの春の木漏れ日のような人 ご褒美みたいな出逢いだった

優しいだけの満月

空と雲の境界線があやふやで ぼんやり優しい気持ちになる 今ならなにもかも 許してしまえそう…

月乃
11か月前
22