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ツキノポエトリー

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いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
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2024年7月の記事一覧

知らない鳥

蝉たちの声が だんだんと大きくなってきて 耳の奥から目覚めていく 空は薄い青色で 地球の色…

月乃
3か月前
21

水星に乗って

三日月の先っぽにぶら下がって ちいさなわたしは宙ぶらりん このまま元に戻れないなら キミの…

月乃
4か月前
20

琥珀糖の星屑

ベランダでぼんやりしていたら 空から星のカケラが落ちてきた 琥珀糖みたいなちいさなカケラ …

月乃
4か月前
58

尊くて価値がある

共感力が高まって だれかのために あなたのために なにかしたい チカラになりたい そんな気持…

月乃
4か月前
12

愛ばかりの世界で

あの人より劣っているとか あの人より持っているとか 人と自分を比べることの無意味さに 気づ…

月乃
4か月前
12

世界はグラデーション

地球の温度を確かめるように 砂浜を裸足で歩いていた 潮風がハラハラと髪をなでて じゃあね。…

月乃
4か月前
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光に気づくこと

ゆっくりと沈んでいく 琥珀色の太陽を見ていた その姿が消えても 空はまだ夜になりきれないまま 寂しげな群青色に染まっている やぶれた心がひどく痛くて 声も出ないほど悲しくて 拭っても拭ってもこぼれてくる涙 絶望を数えながら歩いていたら バスは行ってしまった 次のバスを待っている 「光と闇はいつも一緒」 わたしが泣くと ママはいつもそう言っていた 落ちた闇が深いほど 光に気づくことができるんだね 幸福だったあの春の木漏れ日のような人 ご褒美みたいな出逢いだった