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病状覚え書き⑥ 〈ぐっぱい〉

ぐっぱい、という造語を思いついて、ご機嫌な月森です。

かわいくないですか、ぐっぱい。

来月、手術することになりました。
まだ具体的な日程は決まっていませんが、手術、三、四日の入院、退院ののちは五、六週間の放射線治療。そのあとは年に数回の検査で終わりだろうとの話です。

遊ぶ約束していた方とのお約束が、手術が重なって守れないかもしれない、と申しあげたらその方にめちゃくちゃ責められて、そのフォローがいろいろたいへんだったりしましたけれど、私は元気です。

どうしても、長年親しんだ体が変化することが受け容れられなくて、しかし精神的な寄る辺にするには、乳腺科の主治医が怖くて。
外科医は手術の腕があればいいと思うのですが、怖いし、あと男性なので、乳房がなくなるという精神的圧迫は理解できない(と本人も言っていた)ので、女性の先生のお話聞きたいです……と訴えたら、なんかめっちゃ泣いてしまって申し訳なかった。
けど、夫が死んでから、物語に触れて泣くことはあったけど自発的に涙が出ることはなかったので、自分でもびっくりしました。何十年ぶりだ。

で、主治医の下の役職の女性の先生がお話ししてくれて、この先生は親しみやすい方で、また泣きましたけど、心は落ち着きました。
病院に来る人はなんらかネガティブな状況なわけで、だから明るく接しようという主義なんですって。
医師としてとても崇高な意識の方だった。「乳腺科の先生コワイです……」と訴えたら「ああ……(苦笑)」って感じだったので、脅えているのは私だけじゃないんだよ笑

あと、ADHDなどでお世話になっている、かかりつけの精神科医にも「切除がいいでしょうね」と言われて、セカンドオピニオンとまではいかなくても、複数の医師に話が聞けたので、なんというか落ち着いたというか受け容れられたというか。

頭ではわかってるんですよ、別におっぱいなんかいらないし、邪魔なものなくなっていいじゃん。

理性ではそう思うのですが、長年親しんだ自分の体が変化するというのにはかなり抵抗があり、やっと決意したというか、せざるを得なかったというか。

精神科医にも「乳腺科の先生コワイです……」と訴えたら「外科の先生はね……(苦笑)まぁ、腕はいいと思いますので」という反応だったので、そりゃそうだと。精神科医やってるだけあって、淡々としゃべる人ですけど、心理的なものへの対応はよくご存じです。

主治医からは、私は精神科病棟に入院させた方がいいんじゃないかとの、精神科医への質問だったらしいですが、イコール閉鎖病棟なんだって! 怖!

閉鎖病棟なんて、『閉鎖病棟』(帚木蓬生/著)でしか知らなかったよ!(とても面白い小説です)

どんなところか説明してもらったけど、出入り口をがっつり閉めてあって、自由に出られない……とな。

患者が暴れて勝手に出ないようにだそうですけど、そんなところに閉じ込められたらよけいに心病むわ。精神科ってたいへんだなぁ……(おまえも患者やろ)


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