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「あなたの話し相手になります。100円/分」

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note創作大賞 お仕事小説部門へ応募した「あなたの話し相手になります。100円/分(仮)」を全話まとめています。
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#フィクション

お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第九話(最終話)

――予約が入りました。  スマホを確認すると、バンビちゃんからの予約だった。  バンビち…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第八話

 子どもが幼稚園に行っている間、わたしは平均2件/日の雑談を受ける。  まったく予約が入ら…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第七話

「こんにちは!」  パソコンの画面には、ブルーの髪色のボブの女の子が映った。よく見ると瞳…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第六話

 次のお客さんは、もう何度か話をしているリピーターのおじさんだ。40後半で、派遣社員として…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第五話

「やらされてきただけなんです。ちょっと耳が良かったからって、親が調子に乗って」  伏し目…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第四話

「どうして行かなくなったの」 「理由、聞きたい?」 「うん、でも嫌なら言わなくていいよ」 …

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第三話

 マイページを開くと、今日は2件の予約が入っていた。9時半から10時の30分枠と、11時から12時の1時間枠がひとつずつ埋まっている。  予約時間の5分前になると、わたしはパソコンの画面の前でヘッドセットを装着し、そしてサービス購入者のみが入ることができるビデオチャットの待機画面で予約の時間を待った。手元には、メモを取るためにノートを広げる。 「あ、こんにちは」  切り替わった画面の向こうには、小さな女の子が映っていた。重たい一重の奥に、黒々とした瞳がある。 「こんにちは

お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第二話

 予約が入らないときは、家事をしている。もともとそのための時間だった。掃除をしたいところ…

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お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第一話

【あらすじ】  主人公の廣瀬は、子どもが幼稚園に行っている日中の数時間だけオンライン上で…

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