お仕事小説部門|「あなたの話し相手になります。100円/分」第三話
マイページを開くと、今日は2件の予約が入っていた。9時半から10時の30分枠と、11時から12時の1時間枠がひとつずつ埋まっている。
予約時間の5分前になると、わたしはパソコンの画面の前でヘッドセットを装着し、そしてサービス購入者のみが入ることができるビデオチャットの待機画面で予約の時間を待った。手元には、メモを取るためにノートを広げる。
「あ、こんにちは」
切り替わった画面の向こうには、小さな女の子が映っていた。重たい一重の奥に、黒々とした瞳がある。
「こんにちは