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マーケティング新組織をつくる際に考えた、"サービス"と"ブランディング"の定義について

はじめに

こんにちは!
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRという企業で、マーケティングを担当している森岡です。

本日は、1月に弊社に誕生した、顧客とサービスの接点をマネジメントする組織「サービスタッチポイントマネジメント本部」について記事を書こうと思います。

  • SmartHRという会社に興味がある方(転職を考えてくださっている方がいたらとても嬉しいです😊)

  • マーケティングをやっていくうちに対象となる領域が増えてきて、組織づくりに悩んでいる方

  • 100名前後のマーケティング/デザイン組織づくりに興味がある方

の参考になれば嬉しいです。


少し宣伝


先日、「マーケティングとコミュニケーションデザインを担う、新しい組織をつくります」という記事にて、SmartHRの新しい組織である、ブランディング統括本部の紹介がされました。

記事のタイトル通り、マーケティング機能とデザイン機能を融合したブランディング統括本部には、様々な活動目的を持ったユニットが存在しています。
本記事は、上記記事にて書ききれなかった詳細を、ブランディング統括本部の4名のダイレクターで解説していこう!という連載企画の第一弾です。

他にも3名のダイレクターから詳しい解説記事が出る予定ですので、あわせてそちらもご覧ください😊

サービスタッチポイントマネジメント本部とは何か

"サービス"という言葉の捉え方

サービスタッチポイントマネジメント本部の業務を紹介する前に、組織名にも入っている"サービス"という言葉の捉え方についてお話しておきます。

" サービス"という言葉は、「プロダクト」「顧客が購入するもの」を指すものとして使わることが多いように思います。
一方で、私たちが組織名に冠している"サービス"という言葉は、「顧客がSmartHRという組織を通して得るすべての体験」という意味で使っています。つまり、「サービスタッチポイントマネジメント本部」という名前には、広義の"サービス"体験を良くするため、すべてのタッチポイントをマネジメントしよう!という想いが込められております。

サービス体験を語る上で欠かせないのは、顧客にとって大きなウェイトを占めるIS・セールス・CS・チャットサポートといった個別のSmartHR社員とのやり取りで生じる時間です。
それらすべてを1組織でコントロールできるわけではないのですが、そういった1:1の顧客コミュニケーションは信頼できる別部署のプロフェッショナルに背中を預け、それ以外の1:Nコミュニケーションに関して、我々で良い体験にしていきたい!というのがこの組織の想いです🔥

大所帯(10ユニット)でできること

ブランディング統括本部の組織図

上図(ブランディング統括本部全体の組織図)内、赤枠で囲っているサービスタッチポイントマネジメント本部には、図の通り4つの部と10のユニットが存在します。大所帯!

この章では、4部10ユニットそれそれの活動内容と、それらが1組織としてまとまることで何を目指したいのか、を説明させてください。


カスタマーマーケティング部のユニット構成

カスタマーマーケティング部は、SmartHRをすでにご利用中の顧客とのタッチポイントをマネジメントする組織です。

アドボカシーユニットが運営しているユーザーコミュニティPARKは、昨年の夏に正式オープンを迎えました。現在は、より多くの顧客にコミュニティを活用いただき、SmartHRを楽しんでいただけるよう模索しております。

PARKの立ち上げや今後の展望を語った記事もありますので、ご興味ある方はご覧ください😊

また、契約中顧客に対するナーチャリングを、

  • 顧客が契約中の機能を使いこなし、SmartHRに満足してもらうまで

  • 顧客企業の更なる課題解決のために、SmartHRで新たな武器を見つけてもらうまで

と2フェーズにわけ、それぞれのフェーズに専門のユニットをつくったのは新しい挑戦です。
この2ユニットがいることで、SmartHR導入前〜導入後のサービス体験に一貫性を持たせたい。「導入しても関係は終わらない。顧客のサクセスに寄り添うことが、自社の利益にもなる」というSaaSのビジネスモデルの美しい部分を、マーケティング手法でも体現したいと考えています。


デジタルコミュニケーション部のユニット構成

デジタルコミュニケーション部は、デジタルマーケティング施策と顧客の接点をマネジメントする部です。

webコンテンツ企画、web広告運用、外部メディア活用など……あらゆるデジタルマーケティング手法を用いて顧客を獲得するデジタルマーケティングユニットは、SmartHRのマーケティング組織の中でも古くから存在していました。

そこから、2024年新たにウェブサイトマネジメントユニットが独立しています。
今まではデジタルマーケティングユニットにてウェブサイトのマネジメントを行っていましたが、同ユニットはMQL数などの数値目標を持っており、本来ウェブサイトが果たすべき、MQL獲得以外の役割すべてを考慮した意思決定がしづらいという課題がありました。

そのため2024年より、

  • デジタルマーケティングユニット:MQL数向上のためのウェブサイトコンテンツの企画、提案

  • ウェブサイトマネジメントユニット:デジタルマーケティングユニットの提案を含め、様々な組織が伝えたい情報を整理しながら、顧客にとって本当にみやすく役に立つサイトにすべく、制作の意思決定を行う

というように、新たに役割分担をしました。
事業成長のためにKPIを追いかけることと、顧客視点でウェブサイトを最適化していく2つのバランスをとりたいと考えています。

オフラインマーケティング部のユニット構成

オフラインマーケティング部は、オフラインマーケティング施策と顧客の接点をマネジメントする部です。
その名の通り各種イベントの企画・運営を行うイベントユニットに加え、エリア別のユニット、セールス組織と伴走し顧客の契約までのアシストをするユニットから成り立っています。

エリアマーケティング、セールスマーケティングについては必ずしもオフライン手法に閉じているわけではありませんが、この3ユニットに共通しているのが、「顧客が求める場づくり」に注力しているという点。
場づくりの質、顧客が求めるものの解像度を高めあうため、同じ部として連携しています。

直近では、セールスマーケティングユニットが挑戦している「エンタープライズ企業の支援プロジェクト」に関する詳細なnoteも公開されていますので、興味がある方はあわせてご覧ください😊

リードナーチャリング部のユニット構成

リードナーチャリング部は、SmartHR未導入の顧客に対してプッシュ型のマーケティングを行うユニットです。
「一度以上SmartHR社とお会いしたことがあるか(商談したことがあるか)」という条件で顧客をセグメント化し、それぞれに専門メンバーを置くことで2つのユニットを組織しています。

これは、2023年までの活動により、「一度以上商談化したか否かで"求める情報"や"施策に対する反応率"が異なる」ということがわかってきたため、2024年に入って新たに挑戦した役割分担。
ナーチャリングに関するユニットは、これまでもミッションの範囲の拡張/分解を繰り返し、何度か組織のアップデートをしています。今回の挑戦でも、役割分担によってより顧客理解が深まり、良い施策が打てるようになったのか、一定期間後に振り返りを行いたいと思います。

最近のナーチャリング組織の業務内容については、以下の記事で紹介されています。ご興味がある方はあわせてご覧ください😊

以上が、サービスタッチポイントマネジメント本部を構成する4つの部・10のユニットの概要です。
ざっくりまとめると、

  • 顧客との最初の接点づくり

  • IS・セールスと連携した顧客の購買意欲のナーチャリング

  • 契約後、SmarHRを活用し、より多くの課題を解決するサポート

という3つのフェーズにまたがる組織になっています。

前述した広義の"サービス"体験において、すべてのタッチポイントをマネジメントすることが狙いの組織です。

タッチポイントをマネジメントしてやりたいこと

もう一度最初の組織図に立ち戻ると、このサービスタッチポイントマネジメント本部が所属するのは"ブランディング統括本部"。
私たちがサービス体験を向上させながら、ベースの活動として行わなければならないのは、ブランディングです。


そして我々にとってブランディングとは、「顧客に“一番刺さる違い”を作って、繋げて、届けること」だと考えています。

では、顧客に"一番刺さる違い"を作って届けるには何をすべきか?
その時々の顧客の気持ち・課題・行動その他全てを細かく観察し、仮説を立て、声を聞き、理解をすることだと思います。

……そう考えると、各タッチポイントごとに専門ユニットがあり、タッチポイントごとの顧客理解が深い人が、顧客に刺さる違いを考えて届ける、といった今の組織体制の必要性が増すのです。

手前味噌ですが、今のサービスタッチポイントマネジメント本部で働くことの面白さは

  • 手法/向き合う顧客フェーズなどで分業されたユニットで、タッチポイントごとのマーケティング手法をとことん深める

  • すべてのタッチポイントでのコミュニケーションの一貫性を追求し、最高のサービス体験を追求する

という一見両立が難しそうな経験を一緒に追い求められるところだと思っています。
この記事を読んでいるSmartHR自組織のメンバーの皆さん(もしいたら)、ぜひ、この面白さを一緒にわかちあいましょう!

おわりに

今日は、新入社員に説明するような細かさで、新組織設立の背景や、各ユニットの役割分担をご紹介しました。お読みいただきありがとうございました。
組織づくりは正解のないもの。この組織が完成形!とは全く思っておらず、私たちも発展途上ですが、少しでもどなたかの組織づくりヒントになれば幸いです😊

最後にまたちょっと宣伝

前述の通り、タッチポイントマネジメント本部は「マーケティングスキルをなにか一点突き詰めたい方」にも、「様々なタッチポイントを繋げてマーケティング施策を企画したい、視座を上げたい!という方」にも、それぞれやりがいのある組織だと感じています。
もしいま転職を考えている方がいましたら、各種職種の募集案内が出ていますので、ぜひ一度SmartHRのリクルートサイトをご覧ください^^

さて、私の次は、サービスクリエイティブマネジメント本部のダイレクターfujijunさんによる解説がアップされると思います。お楽しみに!

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