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「津軽為信統一記」の真実

こんにちは「つけらっとゲームス」のプログラム担当のとちです。
今回は「津軽為信統一記」について書いてみようと思います。

ゲームの概要

戦国時代に本州最北の地(現在の青森県の津軽地方)を舞台に生き抜き、そして弘前(津軽)藩祖となった津軽為信(大浦為信)の津軽統一までを追体験する「ストラテジー」「カードバトル」ゲームです。

普段は秋に入る年貢で強力な攻撃札(兵)を集め、策略札を準備します。いざ合戦となれば準備していた札を駆使し、戦功札(建物や拠点)を敵と奪いあいます。この戦功札にはそれぞれ点数が定められており合戦終了時に点数が高いと勝利。勝利すると新たな領地が手に入る。すると秋の税収が増えます。軍資金を集めて更に強力な攻撃札を買い入れて……というのが一連の流れです。

タイムリミットは天正15年(1587年)の冬。
豊臣秀吉によって陸奥、出羽、関東において一切の私闘を禁ずる「惣無事令」が発令されるまでに津軽地方を統一しないといけません。

エイコードバンクのアカウントでYouTubeにPVありますのでご興味ありましたら是非ご覧くださいね(↓)

地域振興を考えたゲーム

この作品は「公益財団法人みちのく・ふるさと貢献基金」H29年度の地域振興助成受賞作品です。その名のとおり地域振興に役立つアプリとして世の中に発信すべく生まれたものです。

題材に津軽為信という地方の戦国大名を選んだのもそうですが、アプリの機能としてGPSを使って城跡に近づくと「訪れた」フラグが立ち、いくつかの城跡を訪れることによってゲームが少し有利になる仕組みを搭載しています。津軽地方を旅する際に「ついで」でもいいので周囲を歩いて貰えれば…という思いがありました。

比較的訪れやすい城跡をピックアップしました

メディア露出はあった

ゲーム「信長の野望」「戦国無双」や大河ドラマなどでは目立たない地方の戦国大名を題材としたゲームという珍しさもあってか一部のゲーム系メディアにも取り上げていただきましたし、地域振興アプリということで地方ラジオ局、地方新聞社のみならず、日本各地の新聞に掲載され、わたしの写真までカラーで載ってしまうという、メディア露出の機会をたくさん得ることができました。興味を持っていただき非常にありがとうございました。

また、ポスターやチラシを作って弘前市内や、新青森駅、青森駅、弘前駅といった人通りのある場所に貼りだしてもらいました。

更に東京MX「話題のアプリ ええじゃないか!」でも紹介をお願いしました。弘前城の探訪フラグと織り交ぜて「弘前さくらまつり」の話を差し込んで貰うようにお願いしたので当時を思い返すと、とにかく地域に人を呼び込もうと必死だったんですね。

利益も売上も無い

ただ、売れないのが大問題。これだけ露出しても売れない。
ということは地域振興にもつながらない。新型コロナウィルス流行も直撃。
参りました。

1000円という価格設定にミスった部分もあったと思います。
開発チーム内では「カードゲームに慣れている人が遊ぶと5~6時間、慣れていない人でもゲームしてるうちに理解が進むと考えて10時間程度で終わるゲーム、だからワンコインくらいの価格設定」で行きたかった。ただ経営を考えると開発費用回収にすらならない。さらに広告費も出て行ってる。助成金をいただいても全然足りていない状態でした。

だけど良いゲームなんです

カードゲーム「ドミニオン」を遊んだことがある方はすぐ慣れると思うんですが、武将札の取り回しや両軍の距離に影響される特徴的なルールがありまして手前味噌ではありますが結構良いゲームなんですよ。

青森県の東半分の南部地方に勢力を持っていた南部信直を主人公としたモードもあったりして、いまこのスクショ撮ろうとして動かしてみたけど、何に手間を掛けているんだ……と自分で思ってます。

南部信直が主人公になるとタイトル画面も変化します。

本当は敵AIをもっと賢くできるんですが「難しい」というお声を頂いたので精度を落としプレイヤーの癖を覚えさせないくらいの賢さにしました。

直接ゲームに関係ないですけど、古いスマホをお使いのユーザーさんのために、処理落ちを検知するとコンフィグ設定を変えるように選択肢を出したり、当時のわたしのできることはやった作品です。

ゲーム内容の問題点

前項ではゲームとしての良い点を挙げましたが、それがそのまま問題点とも言えまして、アナログゲーム好きな方には「ドミニオンに似ている」で戦い方が伝わるんですが、逆に伝わらない場合、効果的ではない攻撃をして死傷者札を増やしたり、点数の低い戦功札を入手したりでゲームをスムーズに進められない状態にしちゃうんです。
戦術として点数の低い戦功札を取りつくして逃げ勝ちを狙うならアリなんですが、どんなルールでも伝わらなければ足枷になってしまう。難しいですね。

敵の賢さについても悩みどころでして前述のように「もっと賢くできる」なら、ユーザーに難易度選択させたらいいじゃない? とは思ったんですが、よっぽど好きなゲームならともかく、あえて難易度を高くして遊ぶことあります?
「やさしい」があっても、とりあえずは「標準」で遊びませんか?

なので、津軽為信統一記では「津軽」だとコチラが提供する標準的難易度。このゲームを好きになってくれたら「南部」で遊んでいただき、そっちが時間的制限ギリギリで少し難しいという調整にしてみました。

メインキャラデザも青森県人

この作品の特徴的なところのひとつに登場する武将たちが「鳥」や「動物」モチーフであるという点があります。このデザインをしたのが須藤むら。つけらっとゲームスのメンバーで当然青森県人です。なるべく青森県に関係する人を開発に巻き込んでやろうという意味でも地域振興を目指していたんです。

キャラデザについて、今回は長くなったので後日、須藤むらに詳しく話して貰う予定です。

おわりに

地域振興、地域活性化っていうのは1つや2つの活動で大きく変化するわけがなくて、色々なアプローチをしていき、それらが結びついてようやく形になると思っています。だからこういった活動は今後も続けていきます。

「ゲーム好き」&「地元も何とかしたい」のよくばりセットですが頑張りますので応援よろしくおねがいします。

※現在は700円となっております。
ご興味がございましたら是非ダウンロードしてみてくださいね。

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