見出し画像

つけ麺部 部長こそ坂戸の”誉”だ

Kは痺れを切らした。必ず、かの聖人君子の部長を動かさねばならぬと決意した。Kには部の復活法がわからぬ。Kは、会社のエンジニアである。キーを叩き、理不尽な仕様変更と遊んで暮らしてきた。けれどもつけ麺に対しては、人一倍に敏感であった。

つけ麺部の復活はここから始まった。

復活の狼煙

画像1

ただLINE飛ばしたK

!!!
終わっている!!!!
ということは!!!!

画像2

!!!!!
部員の積極性を試していたかのように、
Kのメッセージを皮切りにすぐ、復活の狼煙は上げられた。

歓喜の瞬間だ。
有無を言わず、即答で復活が決まった。

なぜか感嘆符”!”は一つずつ減っているが!

ということでつけ麺部の正式な復活が決まった。

ここまでお読みいただいた読者の皆様につけ麺部及び部長を知らない方はいないかもしれないが、
知らない方の為につけ麺部を簡単に説明させていただく。

【つけ麺部】
大して仲良くない4人が大して好きでもないつけ麺を食らいに行く活動だ。発起人でもつけ麺が好きでもない部長の尊大なる行動の数々、
盲信的な部員が部長の星5つの評価とその掌がカッと開く瞬間を拝むために奔走する。

このブログはその中で起こる奇跡の数々を皆様にお伝えするためにある。

詳しくは前回のブログの”つけ麺部とは?”をご覧ください


今回は群馬に居を構えている部長が埼玉に足を運んでくれるとのことで、つけ麺部始まりの地、坂戸へ行くことを決める。
真夏なのに駅から徒歩30分の店をKが提案。
部長の就活終了もあって楽観モードの部員一同は余裕で行けると思っている。
この判断が後に初の星5つを阻む大敵となるとは知らずに。

集合


当日は女子寮に居候するという、
漫画かAVにしかないシチュエーションで生活している(部長の偉大さが漫画かAVにしかない存在なので対して驚かないが)Aが午前の仕事を終えてからの14時過ぎの集合の約束となっていた。

 
14時過ぎの集合のため余裕こいていたSとK。
この余裕が星5つを脅かす恐怖へと繋がる。

まずSは電車の遅延にドストライクにハマる。

画像3

集合時間くらいまで電車が動かないことがほぼ確実となった。


一方、Kは前日というか当日の朝まで釣りをして
茨城の24時間営業のにんたまラーメンを食べに行っていた。
ちなみに にんたまラーメンは茨城を中心に展開している24時間営業のラーメン屋で、
小さいゲームセンターを併設している特殊なラーメン屋だ。
にんたまの名の通り、にんにくが多く含まれており、
誰かと会う前に食すには100%の勇気で食べ切るしかないし、
お残しは許されない。

画像4


にんたまラーメンの前の昼ごはんには地元で油そばを食べたらしいK。
油そば、ラーメン、つけ麺の
中華麺三連星のジェットストリームアタックを決めようとしている。

画像5


にんたまやジェットストリームアタックの話はどうでもよい。
ほぼ完徹を決めて寝不足のKは、Sの遅刻決定をいいことに睡眠時間の延長を正当化する。

画像6


電車の遅延が原因でSとKの遅刻が決定。


画像7

マック食べちゃう A


部長はAI…ではなく律儀なので決して遅れてくることはない。
この遅刻はまずい。星5つに影響を及ぼす可能性が大だ。

やっと電車が動き出した頃

画像8

全然遅刻するし、
少なくとも9年程友達をやっているとは到底思えない部長からの無機質なLINE。

さすがの部長でも公共交通機関は意のままではないようだ……
安堵するSとK。

SはAの次に到着したと思い込み、部長とKが来るまで(Aがマックを食べ終わるまで)もう少し時間がありそうなため、1本動画を見てモチベーションをあげようとする。

本日訪問予定の店名と同名の店の動画を見て
こっちのが美味そうと思ったことはSの胸にそっとしまっておく。

そうすると前から・・・

「おつかれ〜」


・・・部長だ!!!!
こんな気を抜いた姿を見られてしまうとは…
(部長少しSUSURUTVに似てるな…)

部長、めちゃくちゃに痩せてた。
(やせるタイミングもSUSURUTVと同じじゃないか・・・)
部長、SUSURUTV説が浮上したが、このタイミングで痩せるのは、
部員的にはそう驚くことではなかった。
部長は人生の岐路に痩せるという謎のお決まりがある。
浪人明けもめちゃくちゃに痩せていた。

社会人になると自身で選択しない限り人生の岐路はなかなか来ない。
部長がブクブク太っていかないかを案じずにはいられないSであった。

部長の身を案じ、毎日つけ麺健康生活を送って欲しいと考えながら、
改札前で未だに到着しないKとマック食べちゃってるAの2人を待つ。

到着予定になってもKはこない。
まずい。部長にイライラが募ってしまっているかもしれない・・・
星5つをこんな些細なことで逃してしまったら元も子もない・・・

部長の身も、今回の活動の星5つもで案じすぎてアンジェリーナ・ジョリーになってしまったS。?


と同時にようやく到着したK。改札から出てきてすぐに…

画像9


遅刻を全力で謝罪する。
人目をはばからず土下座するK

寛大な心で全てを許す部長
(自分の遅刻をも許す)
部長はいつでも寛大だ・・・

気を取り直していざ目的のつけ麺屋へ!!

出発前にKが遅刻のお詫びとしてビールを配給してくれた。
昭和時代の疎開とは大違いの配給。
時代に恵まれたことに思いを馳せる。

画像10


ビールを片手に早速出発する。




真夏の炎天下の中、仲間と歩きながらのむビールは最高すぎた。

画像11


センター分けがこんなに似合うのは松田翔太か部長くらいだ。

ビニール袋の意味をほぼなしていないゲンガーに関しては割愛。


道中最初の話題はもちろん部員及び読者の皆様も気になる、
「部長の進路」について話を切り出すつもりでいたS。
勇気を振り絞り、部長に話題を振ろうとした刹那、



A「もうお腹いっぱいだわ」


!?!?
我々はつけ麺部なのに
つけ麺食べるためだけに集まった集団なのに

Aはマックと一口のビールでお腹いっぱいになってしまったらしい。

かわいい。

いや意味がわからない。
大して仲良くもないのに、つけ麺を食べにいくためだけに集まったのに、
メインのつけ麺を直前にして、お腹いっぱいになっているの全然分からない。

気を取り直して部長に進路についてうかがう。

部長はどうやら企業に属して、
企業のプロダクトの発展の為に研究をしていくらしい。

部長ほどつけ麺界で名を馳せている人間はおらず、(名は馳せていない)
数多のつけ麺屋のオファーがあっただろうが(ない)
そのオファーを蹴ってまで社会により貢献する道を選ぶ部長に
感服するしかなかった部員一同であった。

1000円ガチャ


ビールを飲みながら歩いていると、そこには1000円ガチャが佇んでいた。
1000円ガチャはその機械の姿自体を、当たるかもしれない商品で埋め尽くし、自らを広告塔として多くのカモと1000円札を吸い込んでいる


おもむろに部長が手を差し出す。
咄嗟にKは自分の財布から1000円を取り出し、部長に手渡す
K「こちら部費になります」


部長、1000円ガチャを経費で落とした。
部長レベルになり部を運営するとなるとなんでも
経費で落とすようになる。

画像12


部長はスイッチが欲しいらしい。


ちなみにつけ麺部では部費など徴収していない。
部費など存在しないのだ。
つまり、Kは部長のスイッチを当てるため身銭を切った。
(部長、この類の自動販売機は十中八九スイッチは当たらないし、それはカツアゲでは?)


部長はKの身銭をなんの躊躇もなく魔の機械に吸わせる。
部長はどのボタンを押すのだろうか?

またしてもなんの思慮も躊躇もなくテキトーにボタンを押す部長。


さぁ、なにが出てくるんだ!?
念願のスイッチは出てくるのか?

出てきたものを手に取る部長。まだ中身は自販機本体に包まれ見えない。

画像13

部長「結構重い!!スイッチかも!!」

(部長、おそらくスイッチ本体はガチャ自体に入っていません。)


画像14


ビールを持ちながらだと商品を取り出せないことに今更気づいた部長


自販機から取り出すとそこに姿を表したのはなんと・・・・・・

画像15

「 前後に動くラジコンカー 」


前後に動くというラジコンとしては当たり前のこともここまで堂々と表記すれば、横方向の旋回ができない欠点を忘れるほど、本当の車に例えるとアクセルはあるけどハンドルが無い状態の半端ない欠陥車であることを忘れるほど、すごいラジコンなんじゃないかと思わされてくる。(こない)


ハンドルがなくて許されるのは、このラジコンかハネウマライダーくらいだろう。

画像16

スイッチが欲しかったはずの部長、つけ麺食べる時並みの笑顔だ・・・

センター分けはどこいった・・・

なにが嬉しいんだ・・・

部長レベルになると全てを許せるようになるのか・・・

1000円ガチャの悪夢を終え

再び歩き始めすぐ、いきなりSに部長から声がかかった。

部長「カバンに入らないから、S 持っといて。」

画像17


…もちろんだ。持っておくこと自体はSの何の負担にもならないし、
部長が背負っているのは
Twitterで一時期「良い人バッグ」と持て囃された収納力の低いバッグだ。

全然預かるが、さっきの喜びはどこ行ったんだ。。



ぼくらのなつやすみ

それにしてもめちゃくちゃに暑い。

それでもつけ麺部は歩く。
つけ麺を食べる為に。
とにかく歩く。
(おそらくAは惰性)

途中マレットゴルフ場になっている、ほぼ木々で囲まれた一帯があった。

徒歩30分もある。
つけ麺をただ食べるだけだとブログのネタを膨らますのに骨を折るため、
こういったセレンディピティのチャンスは大歓迎だ。

木陰の涼しさに感動しながら、みんなでカブトムシを探す。

画像18

必死で探すK


画像19

虚ろな目で見守る部長。
必死で探すKを部長はこのときどんな心境で見ていたのだろうか

しかし一向に目ぼしい虫は見つからない。
そのとき部長が



画像20

いきなり木を蹴った。

さっきまでの虚ろな感情はどこいったんだ。




画像21


画像22


大収穫だった。


鶴の一声ならぬ、部長の一蹴りで


画像23

さっきのKを見つめる虚ろな目はどこいったのか、
おおはしゃぎでクワガタをファンブルする部長。


気を取り直して再びつけ麺屋を目指す。


さっきの虚ろな表情は多分嘘だったのだろう、
虫がいそうなスポットに目が無い部長。


画像24

看板の意義を考えさせられる哲学的な1場面。


部長は自らの身を持って、我々に疑問を投げかけてくる。
常に部員の成長を意識しているマインドセットは見習わなければならない。

筆者のS自身、昆虫採集などをしたのはおそらく、中学生の夏休み以来だ。
おおよそ10年ぶりの昆虫採集を楽しんでいたと同時に感慨にふけっていた。
部長と過ごせる夏、「夏」だった。




おまけのような本編


そうこうしているうちにとうとうメインの目的地に到着。

寄り道をしすぎて到着までに1時間弱かかった。
猛暑の中部長を歩かせすぎた…
部長含め、部員一同が汗だくだ…

これは今回の評価に悪影響があるかもしれない…

雲行きが怪しい中

今回お伺いするお店はこちら。

画像25

つけめん誉 さんだ


タピオカ粉をブレンドしたもちもちの中太麺を推しているらしい。

食べログで2013年時点の口コミでタピオカ粉についての言及が観測できたためそれ以前から始めていると思うと、相当な先見の明がある。

つけ麺以外でその先見性を活かして欲しかった。

そして、1番の注目はつけ麺を食べたあとの焼き石雑炊だ。
熱々どころじゃなくアツい石をつけ汁にご飯と溶き卵を混ぜた雑炊に投入する。

聞いた感じめちゃくちゃ美味しそうだし、ブログ映えしそうだ。
つけ麺部、つけ麺を食す団体としては、雑炊など捨てるべきなのだろうが、楽しみでならない。


実際は味に違いが分からないからなんでも良い。

画像26

恒例の記念撮影

つけ麺部の結成から早7年程経過しているが、全然わからない。
みんなどんな感情でその出で立ちで記念撮影されてるんだ。



早速入店する。


画像27

久しぶりのつけ麺にウキウキが止まらず、先陣を切って入店する部長。


画像28

先陣を切って迷う部長

思い思いのつけ麺を注文し着席する。

ちなみにつけ麺、1000円ガチャよりも安価だった。
ハンドルがないラジコンより安いと思うとつけ麺が断然お得に思えてくる。
部長が1000円ガチャを(Kの)身銭を切ってやったのは、ふと当たり前に思ってしまいがちだが、美味しいつけ麺がこんな安価で食べられることへの感謝の気持ちを部員に思い出させるためだったのかもしれない。

画像29

1時間弱も歩いて話すことが尽きてきて水をのんで急場をしのぐ。


画像30

Kの帽子を被らされる部長。

他意はないが、人生を諦めてド平日の午前からパチンコ屋の開店を待つおじさんにしか見えない。

部長ではないが上記のようなパチンカーとウーバーイーツの配達にくるおじさんのバックグラウンドはおじさんの大きな謎の一つだ。
完全に金がないためその日暮らしのための日銭を稼いでいるか、人生完全にあがっていて暇を持て余しているかのどちらかだと踏んでいる。

特にウーバーイーツの配達員のおっちゃん、バックグラウンド謎すぎる。

今回のつけ麺はアプリで呼んでもこないため、券を買ってしっかり待つ。


そうこうしているうちに待望のつけ麺が着丼。

画像31

見るからに美味しそうだ。
待望のつけ麺に笑みがこぼれてしまう部長。
Sも興奮のあまり指を写しこんでしまっている。

今回は部長、A、Sは通常のつけ麺

画像32


Kは辛いやつを注文

画像33

部員のみならず、店中が固唾を吞む。
部長のいただきますが聞けるつけ麺屋はそう多くないだろう。
この貴重な瞬間を海馬に植え付けるべく、集中する店内。

……

部長  「いただきます!!!!!」

部員一同「いただきますっ!!!! 」

画像34

静まり返った店内に部長のいただきますがこだまする。
(帽子でちょっと髪型くずれちゃったね)



早速食していく

画像35

食べる前からお腹いっぱいでも尚、にらみは欠かさないA
お腹いっぱいなのに麺食べながら盛られているご飯が視界に入ってきて絶望しているのだろう。


画像36

暑さからの放心状態なのか通常運転かは分からないがやはり無心で食べるK。
一口の量、多すぎでは?

画像37

食べながらも笑みがこぼれてしまう部長。

さすが部長、つけ麺への敬意を忘れておらず丁重に扱っている。
麺の丼への敬意からか完全にホバーハンドしている。
部長のやさしさが垣間見えたシーンであった。

画像38

タピオカ粉のブレンドされた麺の感想は筆者S的には全く違いが分からなかった。
しかし部長は食しながら、

部長「うん、タピオカだ。」

部長、そもそもタピオカを飲んだことがあるのか。


味は、  うまい。

数年経営を続けることのできている飲食店はだいたいうまい。
まずくても経営できている店もある?それはだいたい地主だ。


Aはマックでお腹いっぱいになっているため、いつも遅いペースが拍車を掛けて遅い。
他の部員たちはさっさと麺を食べ終え、名物の焼き石雑炊を今か今かとまちわびているのに、全然食べ終わらないし、雑炊はいらないらしい。


そしてとうとう、(A以外)お待ちかね、当店名物の焼き石雑炊の時間だ。
まず自ら残ったつけ汁に提供いただいた白米を投入し、よくかき混ぜる。
その後、テーブルに据え置かれている生卵を割ってまたよくかき混ぜる。

これで準備完了だ。あとは店員さんが焼き石を投入してくれるのを待つ。(A以外)

店員さんがフライパンを持ってこちらに迫ってくる。
とうとう名物焼き石雑炊だ!どんな演出があるのだろう!?

楽しみでならない部員一同(A以外)

来た!!!投入だ!!!!

画像39



・・・・・・・・・

作業だった。

タピオカ粉ときて、焼き石雑炊って完全に奇をてらってるんだから、なんかあると思うじゃん。

ただ焼いた石入れるだけじゃん。

食べる時邪魔だし。

溶き卵ほとんど石にくっつくし。


・・・・

まずい、、このままだと星5つをもらえない可能性が大きい。

なにか方法はないか・・・
つけ麺は美味しかったがなにか印象がもの足りない。

部長の記憶に強く焼き付けられる出来事をつくるしかない・・・

!!!

焼き付ける出来事 → 焼き石 →!!!


ええい、ままよ!!

画像40

焼き石を食べようとするS。
必死に止めるA(雑炊は85%残っている)

もう星5つをもらうためにはこれしかない。

一同の静止により、実際には食べずに終わったが、このままだと星5つをもらえないのは自明だ。

今回は星5つを諦め意気消沈するS。

みなが雑炊を食べ終わったら評価の時間だ。

しかし、

画像41

全然食べない。もはや威厳すら感じる。

みんなで手伝って雑炊を完食し、

とうとう聞きたくない、部長の評価の時間だ。。

全員の大遅刻、いらないラジコン、炎天下の1時間ウォーキング、焼き石雑炊の地味さ。。。

星5つになる要素なんて1つもありゃしない。。。

K「…それでは部長、本日の評価を、お願い致します。」


いやだ、聞きたくない。
今まで様々な困難を乗り越え、星5つを逃したときはなかった。

歴史が終わりを迎えてしまうなんて・・・・


部長「      星・・・・・


画像42

         5つですっっっっ」 (ドンっっっっ)


部員一同「 うぉぉおおぉおぉぉおおぉぉぉおぉ」(パチパチパチ)
店内「ザワザワ ザワザワ]


店内がどよめくのも無理はない。
あの部長に星5つのお墨付きをもらった店はそう多くない。
誇らしいことだ。

しかしよかった。
なぜだか分からないが、今回もなんとか星5つをいただくことができた。

もう、本当に部長は評価を要求されたら、星5つを出すロボットなのではないかと思ってきた。前まではAI説が浮上していたが、AIだったらもっとまともな評価が下るはずだ。

先行者並みにシンプルな作りのロボットではないかと疑いはじめてきた。

画像43


とりあえずひとまず安心だ。
星5つをもらうことができて、また明日からも頑張れる。
部長の星5つにはそう思わせてくれる何かがこもっている。


会計を済ませ、店を後にする。


帰路

  

さぁ、またさっき来た炎天下の道を辿って駅に向かわなければならない。

つけ麺部なのだから星5つが出たらそれで終わりでいいだろう。

違う。
家に帰るまでがつけ麺部だ。

とまでは言わない。

潤滑油であるKが最寄りで降り、他のメンバーの会話がなくなるまでがつけ麺部だ。

電車に乗るまでは筆を走らせていただく。


往路でも気になっていたハチに注意ゾーン。

画像44

帰りも気になっちゃう

画像45

気になりすぎちゃう

画像46

本当にハチがいて大慌てで逃げる部長。
言わんこっちゃない。


画像47

自分で撮影しておきながら、何が起こっているのか分からない。
それどころか情報量が多すぎる。

多くを語るのは野暮なのでそれぞれの解釈をしていただければと思う。


別れ


疲れからか、帰路は会話も少なく、あっという間に駅についてしまった。

画像48

駅前で帰りを惜しむ部員一同と、早く帰りたいのか時間を気にする部長。


部長と過ごす1日は短く感じる。
これが相対性理論か。
もう別れの時間が来てしまったようだ。

最後に部長からありがたいお言葉をいただく。


部長「楽しい時間は過ぎてしまうのも一瞬で、早いものでもう別れの時間が来てしまいました。しかし、薬師丸ひろ子も橋本環奈も、こう唄っています。

”さよならは別れの言葉じゃなくて、再び逢うまでの遠い約束” 

と。
次回も元気で集まれるように、みんな身体に気をつけてください。
今日もありがとう。」

ウィットに富みすぎていながら、部員の身体も気遣う、完璧な締めだった。




とうとう本当に別れのときだ。
部長は住所を特定されないため、部員とは別ルートで帰る。


画像49

しっかりさよならの手も今日1日が「星5つ」だったことを暗に示している。
ちょっと4に見えなくもないが、部長に限ってそんなことはないだろう。


さようなら部長。


また逢う日まで。。。



すすったつけ麺たちを 想い出に変えて
いつの日でも 部長のことを想い出すだろう。
ただ心の片隅にでも 小さくメモしなくとも。




エピローグ


なんていい日だったんだろう。 
楽しかった1日に思いを馳せながら
自宅に到着し、カバンを下ろすS。

「ガタッッッ」

カバンから鳴るはずのない鈍い音が静かな部屋にこだまする。


S「ハハッ」

音の要因に気づいたSはつい笑い声がもれてしまう。

















画像50


S「部長、受け取るの忘れてますよ。」

だれもいない部屋で1人、天を仰いで呟く。

全然いらないラジコン、本当にいらなかったんだろうな。

つい笑ってしまった。
1人の部屋で笑うことなんて滅多にないのに。
つけ麺部での活動・部長とのひとときが生活に潤いを与えてくれているのだと実感した。

部長、部員だけでなく、読者のみなさんも笑顔にしてくれていることだろう。

その場に居合わせなくとも人を笑顔にしてしまう部長の偉大さに感服しながら、部長と一緒につけ麺を食べることができる今の環境に感謝するばかりだ。



今回、訪問したのは坂戸市にある誉さんだった。
たしかにつけ麺店としては誉なのかもしれない。

しかし我々つけ麺部ないしは読者にとって、本当に坂戸の誉なのは、
彼なのかもしれない。


そう、部長こそ、坂戸の誉なのだと。





※この物語はフィクションであり、実在する人物ㆍ団体とは関係ありません。

この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,693件

最後までお読みいただいてありがとうございます! これからも更新頑張るので、 フォローとスキよろしくお願いします!