H.TSUKATANI

ギリシアとローマの思索と智恵を愛し、自分の無知を自覚しつつ、学びたいと思っています。ま…

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ギリシアとローマの思索と智恵を愛し、自分の無知を自覚しつつ、学びたいと思っています。またモンテーニュ、スピノザ、ニーチェ、晩年のフーコーを4本の軸として、より良く生きるためのアートとしての哲学を探求するつもりです。 引用は全て塚谷訳です。

最近の記事

大雨雷注意報の朝に

よろず代に 変はらぬものは さみだれの 雫に薫る 菖蒲(あやめ)なりけり 源経信『金葉集』 さみだれに 日数経にけり 東屋(あづまや)の 萱が軒端の 下朽ちるまで 藤原定通 同

    • 豪雨あがりの曇り空に

      生きものの 朝のかなしさ 合歓が枝(ゑ)に 雨蛙ゐて 喉ふくらます 生活の 常なる日々に さす光 常に寂しき よろこびもちて 両首とも『宮柊二歌集』

      • 人生の途上にてIn media vita

        この道は 山峡(やまがひ)深く 入り行けど 吾はここにて 歩みとどめつ 斎藤茂吉『つゆじも』 この道や つひに音なし 久しかる 己が歩みを とどめて聴けば 島木赤彦『十年』

        • 人生はさすらいの旅路

          身は雲に 心は水に まかすべく 旅行くわれを とがめたまふな 消息は 一行にして こと足らむ 思ひは文字に 書きがたきかな 両首とも『吉井勇歌集』

        大雨雷注意報の朝に

          萩原朔太郎『こころ』

          心をば何に例へん 心は紫陽花の花 桃色に咲く日はあれど 薄紫の思ひ出ばかりはせんなくて 心は一つによりて悲しめども ある甲斐なしや ああこの心をば何に例へん 心は二人の旅人 されど道連れのたえて 物言ふことなければ わが心はいつも寂しかりけり

          萩原朔太郎『こころ』

          週の始まりは曇り空から

          楽しさや 青田に涼む 水の音 芭蕉 水際や 青田に風の 見えて行く 井月 田の草や 投げつけられし とこに咲く 一茶

          週の始まりは曇り空から

          雨の日曜日は読書と昼寝

          活動を やめて午前より 臥す時に 人の来たるは 至極害がある 生活を 単純化して 生きむとす 単純化とは すなわち臥床なり 両首とも斎藤茂吉『つきかげ』1949年 茂吉最晩年の未完歌集

          雨の日曜日は読書と昼寝

          東海地方は今夜から大雨警報

          藻の花の 上に乗り込む 田舟かな 子規 風筋の 雨にも透ける 青田かな 漱石 隠れ藻や 曇りて暑き 水すまし 犀星 さみだれの 晴れ間急ぐや 人の足 荷風

          東海地方は今夜から大雨警報

          雨☔東海地方も梅雨入り?

          世を隔て 人を隔てゝ 梅雨に入る 高野素十 ほろほろと 雨吹きこむや 青すだれ 子規 青梅や 空しき籠に 雨の糸 漱石 さみだれの また一降りや 橋なかば 荷風

          雨☔東海地方も梅雨入り?

          水無月の静穏な朝に

          わが庭の 垣根に生ふる 薔薇の芽の 蕾ふくれて 夏は来にけり 正岡子規 天と水 光の中に 立ちてゐる 我が影ばかり 寂しきはなし 島木赤彦 昼の野に こもりて鳴ける 青蛙 ほがらにとほる こゑの寂しさ 斎藤茂吉

          水無月の静穏な朝に

          豪雨翌朝は快晴

          木々みだれ 輝く上に 天雲の みなぎり渡す 六月の峡 もしや鳥 木の茂みより 見あるらむ 峡の草木は みだれ輝き 両首とも『宮澤賢治 歌稿』

          豪雨翌朝は快晴

          大雨を朝に

          さみだれの 雲ばかりなり 箱根山 子規 さみだれや ももだち高く 来たる人 漱石 ももだち=袴の腰部左右 さみだれや 雀も馴れて 軒の下 荷風 さみだれに 雀のぞくや 勝手口 同

          大雨を朝に

          水田に浮かぶ早苗と

          水すまし 流れに向かひ さかのぼる 汝(な)が勢ひよ かすかなれども 齋藤茂吉『白き山』 水すまし 流れんとして 飛び返る 子規 かくれ藻や 曇りて暑き 水すまし 犀星

          水田に浮かぶ早苗と

          雨☔の日曜は読書と昼寝

          おおかた世を逃れ、身を捨てしより、恨みもなく、恐れもなし。命は天運に任せて、惜しまず、嫌はず。身は浮雲になずらへて、頼まず(依存せず)、まだし(不満)とせず。一期の楽しみはうたた寝の枕の上に極まれり。生涯の望みは折々の美景に残れり。 鴨長明『方丈記』

          雨☔の日曜は読書と昼寝

          6月の朝に

          春の草 また夏草に かはるまで 今と契りし 日こそ遅けれ 夏山の 河上清き 水の色 ひとつに青き 野辺の道芝 注 ひとつに=同様に 両首とも藤原定家『拾遺愚草』

          6月の朝に

          水無月も半ばにて

          風薫る 羽織は襟も つくろはず 芭蕉 若葉して 水白く麦 黄ばみたり 蕪村 田の草や 投げつけられし とこに咲く 一茶

          水無月も半ばにて