H.TSUKATANI

ギリシアとローマの思索と智恵を愛し、自分の無知を自覚しつつ、学びたいと思っています。ま…

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ギリシアとローマの思索と智恵を愛し、自分の無知を自覚しつつ、学びたいと思っています。またモンテーニュ、スピノザ、ニーチェ、晩年のフーコーを4本の軸として、より良く生きるためのアートとしての哲学を探求するつもりです。 引用は全て塚谷訳です。

記事一覧

秋の小雨降る朝に

花染めの 衣の色も 定まらず 野分になびく 秋の村雨 藤原定家『拾遺愚草』 露重み まがきの菊も 干しあへず 晴るれば曇る 村雨の空 源実朝『金槐集』

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10時間前

秋風吹く朝に

はらはらと 樫の実こぼし 庭の戸に 慌ただしくも 秋の風鳴る 長塚節歌集 待つ人も 待たるる人も 限りなき 思ひ忍ばむ この秋風に 伊藤左千夫歌集

H.TSUKATANI
1日前

秋の草花は色から枯れ

緑なる ひとつ草とぞ 春は見し 秋は色々の 花にぞありける 秋風の 吹きと吹きぬる 武蔵野は なべて草葉の 色変はりけり 両首とも詠み人知らず『古今集』

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2日前
2

秋こそもののあはれ

身に代へて いざさは秋を 惜しみ見む さらでも脆き 露の命を 守覚法親王 なべて世の 惜しさにそへて 惜しむかな 秋よりのちの 秋のかぎりを 前太政大臣藤原良経 両首…

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3日前

秋の青空に浮かぶ白い雲に

秋の色 限りも知らに なりにけり 遠山の上に 雲たまりて ま澄みにも 澄みたる空に 白雲の 湧きそびゆるは 心足らはむ 両首とも斎藤茂吉『白き山』

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4日前

恋心と秋の花・・・

白露と 人は言へども 野辺見れば 置く花ごとに 色ぞ変はれる 皇后宮肥後(藤原定成娘) 白菊の 変はらぬ色も 頼まれず 移ろはで止む 秋しなければ 藤原公実 両首とも『…

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5日前
1

秋は朝夕の冷え込みから

きのふけふ 朝けばかりの 秋風に 誘はれわたる 木々の白露 藤原定家『拾遺愚草』 秋萩の 下葉もいまだ 移ろはぬに 今朝吹く風は 袂寒しも 源実朝『金槐集』

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6日前

秋深まる朝に

秋風に なびく浅茅の 末ごとに 置く白露の あはれ世の中 蝉丸 草葉には 玉と見えつつ わび人の 袖の涙の 秋の白露 菅原道真

H.TSUKATANI
7日前
1

深まり行く秋の朝に

おしなべて 木草の末の 原までに なびきて秋の あはれ見えけり きりぎりす 夜寒に秋の なるままに 弱るか聲の 遠ざかり行く 両首とも西行

H.TSUKATANI
8日前

秋の♫風に吹かれて♫

秋はものゝ ひとりひとりぞ をかしけれ 空行く風も またひとりなり 冷たきは 風にありけり わが心 白布の如く 吹かれたるかな 両首とも若山牧水歌集

H.TSUKATANI
9日前
1

冷たい雨が降る朝に

光さへ 身に沁む頃と なりにけり 時雨に濡れし わが庭の土 島木赤彦『十年』1922年 幾たびか 時雨の雨の かかりたる 石蕗(つはぶき)の花も つひに終わりぬ 斎藤茂吉『…

H.TSUKATANI
10日前

小雨降る朝に

秋雨の 庭は寂しも 樫の実も 落ちて泡だつ その庭たづみ たづみ=水たまり こほろぎの 籠もれる穴は 雨降らば 落ち葉の戸もて 閉ざせるらしき 両首とも『長塚節歌集…

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11日前
2

手書きの習慣を身に刻む

漂泊の 愁ひを叙して 成らざりし 草稿の字の 読みがたさかな 石川啄木『一握の砂』 息荒く 夜明けの日記 綴りたり 地平をいつか 奪還せむと 寺山修司『田園に死す』

H.TSUKATANI
12日前
1

秋の長雨に庭も荒れ・・・

秋雨や 杉の枯葉を くべる音 漱石 秋雨や 庭木植ゑつく 土の色 龍之介 しぐるゝや 煤によごれし 竹の幹 犀星 長雨や 庭荒れはてて 草紅葉 荷風

H.TSUKATANI
13日前
1

秋の政治を思ふ・・・

秋の風 我等明治の 青年の 危機をかなしむ 顔撫でゝ吹く 時代閉塞の 現状を如何にせむ 秋に入りて ことにかく思ふ 石川啄木 短歌拾遺

H.TSUKATANI
2週間前
2

大雨警報下の朝に

神無月 夜半の時雨に ことよせて 片敷く袖を 干しぞわずらふ 相模『後拾遺集』 言の葉の 移ろふだにも あるものを いとど時雨の 降りまさるらむ 伊勢『新古今集』

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2週間前
2

秋の小雨降る朝に

花染めの 衣の色も
定まらず 野分になびく
秋の村雨
藤原定家『拾遺愚草』

露重み まがきの菊も
干しあへず 晴るれば曇る
村雨の空
源実朝『金槐集』

秋風吹く朝に

はらはらと 樫の実こぼし
庭の戸に 慌ただしくも
秋の風鳴る
長塚節歌集

待つ人も 待たるる人も
限りなき 思ひ忍ばむ
この秋風に
伊藤左千夫歌集

秋の草花は色から枯れ

緑なる ひとつ草とぞ
春は見し 秋は色々の
花にぞありける

秋風の 吹きと吹きぬる
武蔵野は なべて草葉の
色変はりけり

両首とも詠み人知らず『古今集』

秋こそもののあはれ

身に代へて いざさは秋を
惜しみ見む さらでも脆き
露の命を
守覚法親王

なべて世の 惜しさにそへて
惜しむかな 秋よりのちの
秋のかぎりを
前太政大臣藤原良経

両首とも『新古今集』

秋の青空に浮かぶ白い雲に

秋の色 限りも知らに
なりにけり 遠山の上に
雲たまりて

ま澄みにも 澄みたる空に
白雲の 湧きそびゆるは
心足らはむ

両首とも斎藤茂吉『白き山』

恋心と秋の花・・・

白露と 人は言へども
野辺見れば 置く花ごとに
色ぞ変はれる
皇后宮肥後(藤原定成娘)

白菊の 変はらぬ色も
頼まれず 移ろはで止む
秋しなければ
藤原公実

両首とも『金葉集』

平安の 男女の
詠める歌 女は優しき
ものにあらず
和泉式部集を読みて
窪田空穂歌集

秋は朝夕の冷え込みから

きのふけふ 朝けばかりの
秋風に 誘はれわたる
木々の白露
藤原定家『拾遺愚草』

秋萩の 下葉もいまだ
移ろはぬに 今朝吹く風は
袂寒しも
源実朝『金槐集』

秋深まる朝に

秋風に なびく浅茅の
末ごとに 置く白露の
あはれ世の中
蝉丸

草葉には 玉と見えつつ
わび人の 袖の涙の
秋の白露
菅原道真

深まり行く秋の朝に

おしなべて 木草の末の
原までに なびきて秋の
あはれ見えけり

きりぎりす 夜寒に秋の
なるままに 弱るか聲の
遠ざかり行く

両首とも西行

秋の♫風に吹かれて♫

秋はものゝ ひとりひとりぞ
をかしけれ 空行く風も
またひとりなり

冷たきは 風にありけり
わが心 白布の如く
吹かれたるかな

両首とも若山牧水歌集

冷たい雨が降る朝に

光さへ 身に沁む頃と
なりにけり 時雨に濡れし
わが庭の土
島木赤彦『十年』1922年

幾たびか 時雨の雨の
かかりたる 石蕗(つはぶき)の花も
つひに終わりぬ
斎藤茂吉『暁紅』1936年

小雨降る朝に

秋雨の 庭は寂しも
樫の実も 落ちて泡だつ
その庭たづみ
たづみ=水たまり

こほろぎの 籠もれる穴は
雨降らば 落ち葉の戸もて
閉ざせるらしき

両首とも『長塚節歌集』

手書きの習慣を身に刻む

漂泊の 愁ひを叙して
成らざりし 草稿の字の
読みがたさかな
石川啄木『一握の砂』

息荒く 夜明けの日記
綴りたり 地平をいつか
奪還せむと
寺山修司『田園に死す』

秋の長雨に庭も荒れ・・・

秋雨や 杉の枯葉を
くべる音
漱石

秋雨や 庭木植ゑつく
土の色
龍之介

しぐるゝや 煤によごれし
竹の幹
犀星

長雨や 庭荒れはてて
草紅葉
荷風

秋の政治を思ふ・・・

秋の風 我等明治の
青年の 危機をかなしむ
顔撫でゝ吹く

時代閉塞の 現状を如何にせむ
秋に入りて ことにかく思ふ

石川啄木 短歌拾遺

大雨警報下の朝に

神無月 夜半の時雨に
ことよせて 片敷く袖を
干しぞわずらふ
相模『後拾遺集』

言の葉の 移ろふだにも
あるものを いとど時雨の
降りまさるらむ
伊勢『新古今集』