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自分の頭で考え、自分の言葉で、話してもらう。

こんにちは。企業改革コンサルタントの小野司です。

企業改革に取り組む若きリーダーさん、そしてウィズコロナなどで、企業改革に取り組まれる企業さまに、改革のヒントをお届けしています。

改革活動の導入では、「不」(不便、不自由、不安、不平、不満など)の吐き出しをおすすめしています。それを、ワイガヤ形式で行ってもらいます。

ここでのワイガヤ形式とは、「自分の頭で考え」「自分の言葉で話してもらう」ということです。これは、本家本元のホンダのワイガヤの精神そのものです。

ワイガヤをやりますと、リーダーやベテランの多くは、いいことを話しされます。しかし、その発言が、長い実務経験からの知識からのものや、自らの経験の引き出しからのもの場合、「自分の頭で考え」という点では少しもの足りなくなります。ワイガヤ基準では、発言の評価は普通になります。

一方、新人や経験の浅い若手の発言は、ベテランから見ると、「そのようなことは分かっているよ」「当たり前のことだよ」というような場合があります。しかし、その発言が、「自分の頭で考え」たものであれば、ワイガヤ基準では、発言の評価は高いといえます。

つまり、ワイガヤ基準では、発言の内容自体より、「自分の頭で考え」「自分の言葉」ある発言の方が、優れたものと定義するのです。

そして、ワイガヤに入る前に、このワイガヤ基準を、メンバー全員に対し、明確に伝えます。そして「ワイガヤは研修です。この研修の3時間は、自分の頭で考えて発言して下さい」と伝えます。

ベテランの方に多いのですが、ワイガヤの機会を使って、この際だから、普段から思っている「不」(不平、不満など)を言ってやる!という方が、中にはおられます。しかし、ワイガヤ基準をお伝えしますと、そのような発言は少なくなってきます。この場合、普段から思っている「不」に対し、「自分の頭で考える」ようになります。

ベテランの方は、知識や経験に基づく知見をそのまま話すことが少なくなってきます。その知見に対し、「自分の頭で考え」掘り下げて発言されます。これが、とても貴重な発言につながります。

優等生の方は、社長や上司の言われたことをオウム返しで発言されることがあります。これに対し、「自分の頭で考え」ようとします。これが、一皮むけることにつながります。

若手の方は、些細なことでも、「自分の頭で考え」「自分の言葉で話せ」ばいいと思うようになります。発言の内容はたいしたものでなくても、「自分の頭で考える」方がいい発言だからです。実績や知識に関係なく発言できるため、安心して発言できるようになります。そして、発言がいきいきとしてきます。フレッシュな発言が出てきます。

ベテランと若手の集まる一般的な会議では、ベテランは話し手、若手は聞き手という場面が多いです。それは、ベテランの方が、知識と経験が豊富だからです。そして、その知識と経験の中に、問題の本質や貴重なアイディアもたくさんあります。会議のアウトプットを高めようとするとベテラン主導になるのです。

ワイガヤでは「自分の頭で考える」という点に主眼をおきます。そうしますと、知識と経験の差は、あまり関係なくなります。そのため、ベテランも若手も同じ土俵で知恵出しができるようになるのです。(現実には、知識や経験をお持ち方は、考える力も高いことが多いのですが。)

改革活動の場合、従来の延長線ではなく、現状を「変える」活動になります。その場合、最も重要なことは、「自分の頭で考える」ことです。さらに、「自分の頭で考える」人が一人でも増えてくると、企業改革も進んでゆきます。

今回は、ワイガヤの事例で、「自分の頭で考え」「自分の言葉で話す」取組み方、仕掛けた方を紹介しました。しかし、普段の打合せや個別指導の場面でも応用できると思います。

若手改革リーダーのみなさま。「自分の頭で考え」「自分の言葉で話す」ことの効果、そして仕掛け方、イメージできましたでしょうか。

若手が発言するその内容よりも、「自分の頭で考えて」「自分の言葉で話して」いるかの方を着目して下さい。

そのためには、自分自身が「自分の頭で考え」「自分の言葉で話して」いるかを振り返って下さい。発言の内容には気を配らなくていいのです。たいしたことは言わなくていいのです。「考える」ことの方が重要です。そして、あなたの「考える」姿に、現場はついてきてくれるはずです。

最後に「自分の頭で考える」力は才能ではなく、トレーニングで身につけるものです。ですから、自分や組織に合ったトレーニング方法を自分の頭で考えてみられてはいかかでしょうか。

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