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変革活動の第一歩は、面白そうで動き出す

こんにちは。企業変革コンサルタントの小野司です。

企業変革に取り組む若きリーダーさん、そしてウィズコロナなどで、企業変革に取り組まれる企業さまに、変革のヒントをお届けしています。

変革活動を見ていますと、最初の第一歩と活動の成果の関係が深いように思います。

変革活動が進む企業や組織は、何となく面白そう、興味がある、という程度で動き始めます。

ある会社の事例です。事前準備、段取りなどが上手く回っていませんでした。そのため、実際にお客様サービスが動き出すと、肝心な時に、足りないものが出てきました。
そして、お客様サービスがちょこっと止まりました。時には、お客様へ迷惑をかけてしまっていました。
原因は、そこの部署のリーダーでした。リーダーは、サービスの腕前はピカイチでしたが、事前準備や段取り、現場メンバーへの指示など、マネジメント全般が苦手でした。典型的な職人上がりのリーダーでした。
専務は、リーダーに対し、「腕がいいだけではダメ。事前準備や現場への指示など、マネジメントをしっかりしなさい」と何度もハッパをかけていました。リーダーのマネジメントがボトルネックになっていました。
変革活動の最初にワイガヤをやりましたら、予想通り、リーダーのマネジメントに関する課題が多く出されました。

ここまでは、比較的ありがちな事例です。

その後、改善アイディア出しをしました。メンバーの多くは、パートさんでした。この中で、事前準備やスケジュール管理が得意なパートさんが複数いました。
その中から、パートさんが分担して事前準備などのマネジメントをしましょうという案が出てきまひた。そして、仕組みに落としましょう、案までありました。

会社には役職などに応じた役割があるので、パートさんがこういうことを言われたのにはビックリしました。

その理由は、普通の会社の場合、「準備準備やマネジメントは、リーダーや社員さんの仕事で、パートの仕事ではありません」という反応が多いからです。

ここのパートさんの場合、見ていられないから私がやりますという気持ちと面白そうだからやってみますという気持ちが両方ありました。

いや、その後の生き生きとした様子を拝見しますと、後者の方が強かったように思います。

この面白そうだからやってみようという動きが、メンバー全体に広がりました。最初の一歩はパートさんからでしたが、社員さんへ広がってゆきました。

ほんの些細なものも含め、面白いアイディアがたくさん生まれました。そして、次々とやってゆきました。
失敗したらリカバリーをしてすぐに止める。そして、次のアイディアを出すという流れでした。
アイディアの成功率は7割程度でした。成功実績と失敗のリカバリー実績が、現場の自信になってゆきました。変革活動のノリが生まれました。

最終的に、繁忙期のサービス数が2倍になっていました。サービス数はお客様数とほぼ対応するため、売上も2倍になりました。

変革活動が一区切りした時、振り返りをしてもらいました。よかったこと、大変だったことを出してもらいました。

メンバーの多くは、自分たちは大したことはやっていない、不思議と大変だったことはあまりありません、という回答が多かったです。

人は、好きなこと、得意なことをする時は、努力しなくても(努力という感覚なしに)結果につながると言われます。

チームでも同じようなことが、あてはまると思います。

面白そうだからやってみようという感覚で始めたことは、大変だとあまり感じないのかもしれません。

一方、最初の一歩は100点が理想で、失敗は許されないという場合、その一歩は出にくいのです。

例えば、関係者が多くいて、それぞれの立場で最初の一歩を評価する場合(いわゆる合議制)、リスクゼロを求めるような雰囲気が生まれます。
あるいは、役員や部長などのリーダーが、リスクゼロを求める場合も同じです。

ある社長さんが変革活動について言われていました。「課題設定が一番難しい。きちんとした課題を設定できるかどうかが変革活動の成否を決める」とのことでした。つまり、最初にしっかり考えて、それから本丸の課題に挑むというものです。

一方、別の進め方もあります。現場が面白そう、興味深い、ワクワクする課題をやってみる。そして、小さな成功体験を得る。次の課題に取り組む。小さな成功体験を積み上げながら、本丸の課題に迫っていくというものです。

私が見てきた変革活動での成功事例はほとんど後者です。

上手くいった開発プロジェクトの成功事例も後者です。

前職では、開発プロジェクトの最後に、振り返り会というのをよくやりました。上手くいったプロジェクトメンバーの動き方も後者に似ています。

最初は、腰が重くなりがちですが、その中で最初一歩は、面白そうなものを見つけて動く。少々の失敗はあるかもしれないが、まずやってみようという雰囲気があります。
そして、失敗のリカバリー体験も含め成功体験を積んでいく。徐々に、本丸の課題に入っていく。そして、終わってみたらあっという間だったというものです。

若き変革リーダーのみなさま

変革活動の第一歩のイメージが湧きましたでしょうか。

人は好きなこと、得意なことは、自然と動く傾向にあります。子供の行動に似ています。そして、気がついくと成果が出ている。努力したような感覚すらなく成果が出ている。これを理想と考えます。

組織においても、基本は同じ考え方です。組織の場合は、個性を持った人の集まりですから、個人より簡単ではありません。しかし、メンバーが面白そうというものを第一歩とします。

面白そうというものが出てこない場合(多くの場合はこちらです)、現場の「不」の解消につながる課題を選びます。「不」が解消され、少し楽になれそうな課題です。

そして、最初の一歩は、楽になれそうだから、しかも面白そうだから、やってみようというくらいの気持ちで踏み出すのです。

面白そうと思って一歩踏み出した場合、失敗してもそれは貴重な経験になります。

参考になりましたらありがたいです。

追伸.好きなこと、得意なことの考え方は、以下の本を参考にしています。自己理解について分かりやすく書かれています。参考までに。

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド https://www.amazon.co.jp/dp/4046044357/ref=cm_sw_r_cp_api_i_TX43EbZ3R5XPE




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