「皆が正しい事をすると皆が酷い目に遭う」場合に必要なのが政府

銀行倒産の噂を聞いた時、預金を引き出しに急ぐ事は、決して悪い事ではありません。むしろ当然の事ですが、皆が噂を信じて預金を引き出すと、本当に銀行が潰れてしまうかも知れません。つまり、誰も悪いこと、ケシカラン事をしていないのに、皆が酷い目に遭うわけです。「合成の誤謬」ですね。預金を引き出した預金者を批判するのは筋違いです。しかし、政府としては、悪い結果を避けるために努力すべきです。預金保険制度を作ったり日銀が現金輸送車で札束を届けに行ったり。

皆が倹約して金を使わないと不況になる、というのも同じ事です。誰かが悪いと批判するのは筋違いですが、政府としては悪い結果が生じないように公共投資をするわけです。

個々人が預金を引き出す権利、倹約する権利を保証すると共に、銀行の倒産を防ぎ、不況を防ぐ、というのは、政府にしか出来ない仕事です。政府、頑張ってください。

P.S.

公共投資の効果は一時的だ、という人は多いのですが、私はそうは思いません。マッチで部屋を暖めることは出来ませんが、マッチでストーブに火をつければ部屋は温まります。景気が自律的な回復軌道に乗るまで公共投資で勢いをつけてやれば良いのです。

https://comemo.io/entries/1673

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