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ハイクラスなら必ず押さえたい3要素。スタートアップ転職を成功させる【選定応募・見極め・振る舞い】 #SaaSキャリア

なるべく早く理想的な企業からのオファーを得て、迷うことなく入社先を決断する。入社後も、すぐに高いパフォーマンスを発揮し、活躍する……そんな転職ストーリー、誰もが実現したいはずです。

これを「理想的な転職」とするならば、実現している人材の多くは3つの要素を押さえています。【選定応募・見極め・振る舞い】です。

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一方で、なかなかオファーを獲得できなかったり、決め手に欠けて入社先を決意できない人。また、入社後にパフォーマンスが発揮できずに伸び悩む人材も、これら3要素が抜け落ちているケースが多いのです。

僕は求職者と企業の間に立つ立場として、これらのポイントをお伝えし、スムーズな転職活動をサポートするようにしています。今回は、特に陥りやすい失敗談を共有しながら、3つの要素についての理解を深めていただければと、まとめました。

これからスタートアップへの転職活動をスタートさせるハイクラス人材のみなさんは、頭の片隅に入れておいて損はありません。起こりがちな失敗を防ぎながら、理想的な転職を実現できるはずです。

【選定応募】必要とされるフェーズを正確にとらえる

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1つ目の要素は「選定応募」です。

組織フェーズ、直近の人員編成、ビジネスモデルなど、スタートアップでは現況によって必要とされるスキルが大きく異なります。責任者や経営層に近いハイクラスの採用になるほど、顕著に表れます。

その点を理解せず、「事業的に面白そう」という感覚だけで応募すると、なかなか書類が通らずに苦戦することが非常に多いのです。僕が面談を実施する時、まずは「あなたが必要とされるのは、どういった企業なのか?」を正確に捉えるように努めます。

プロダクト、組織、ビジネスモデルを押さえてから選考を進めると、数ヶ月も選考に受からなかった方が、2週間ほどで入社先が決まるような事例も少なくありません。

以下は、過去にあった具体例です。

〈ご経験〉
30代後半 外資SaaS系企業出身 男性 Aさん
大手外資系SaaSベンダーで経験を積み、
直近は某外資SaaS企業セールス責任者として従事
〈転職軸〉
これまでの経験を活かして、
初期フェーズのSaaS企業で裁量もって挑戦したい

▼面談のきっかけ
Aさんの場合、当初ご自身でシード、ラウンドAフェーズのスタートアップ数社をお受けになっていました。しかし、書類は通過して代表との面談につながるものの、なかなか内定にはつながらない。そこで、キャリア相談にエントリーいただいたのが、僕がAさんとお会いしたきっかけです。

ご経歴からしても、エンタープライズ向けの豊富なセールススキル、営業の戦略設計、大規模なマネジメント経験もお持ちのようです。

▼応募企業選定で陥りやすいポイント
ご経歴は素晴らしいのですが、初期フェーズのスタートアップでは、マネジメント能力や、大規模なセールス組織の立ち上げ経験よりも期待される力があります。

それは、プロダクトを改善し、磨き上げるスキル。完璧ではないプロダクトのユーザーヒアリングを繰り返し、エンジニアや事業開発のメンバーと密に連携して、サービスを作りあげていくのです。

Aさんの場合、外資系企業の出身ということもあり、ある程度完成されたプロダクト日本でを、拡販したり、そのためのセールス組織を拡大する、いわゆる「1を10〜100」にしていくようなスキルに強みをもつ人材です。

Aさんが経験しているプロダクトフェーズを踏まえると、一概には言い切れませんが、ラウンドB前後、従業員50名前後の企業ならば、比較的フィットする傾向が強いです。

▼改善した点
プロダクトフェーズと期待されるスキルについてすり合わせ、経験からも親和性の高いプロダクトを見極め、ラウンドBフェーズの企業を1社だけ応募しました。結果は、約3週間で内定を獲得され、セールス責任者として入社先が決定しています。

これはセールスに限らずマーケティングやカスタマーサクセスなどのポジションでも同様です。まずは、自身がどんな組織フェーズで活躍する人材なのかを整理してみることが、重要なポイントになります。

「応募選定力」があれば、無駄なく、フィットした会社とスムーズに出会えるのです。

〜フェーズごとの活躍する人材理解に、オススメPodcast💡〜
2019年11月に開催したALL STAR SAAS CONFERENCEで、現在も引き続き急成長を続ける、SmartHR 宮田代表とANDPAD 稲田代表を招いて行ったセッションです。
成長を支える最初の100人の組織はどのような構成なのか。採用の順番は何が最適か。そして、数名の段階から100人までチーム数を増やすにあたり、どのような課題が出てくるのなどについてディスカッションをしております。

【見極め】目先の魅力に囚われ過ぎていないか

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入社を意思決定する時にも、気をつけるべきポイントがあります。それはオファー時点での役職や年収など、わかりやすい魅力で安易に入社先を決めてしまうことです。

たとえば、転職活動を始めて、複数社の内定を得た場合。入社候補先の役職や年収は、あくまでも「あなたと働く前の評価」であることを忘れてはいけません。その点を踏まえないと、企業から求められる期待値と自身の認識が上手く擦り合っておらず、後々に諸条件が大きく見直しになるケースが散見されます。

ちなみに、ハイクラスの採用になるほど、入社時にポジションを確約するケースは少ない傾向です。加えて、入社時点での諸条件を強く求める方よりも、入社後に活躍できた場合の諸条件を企業側と整理しておくタイプが、結果的に自身の要望を実現しているように感じます。

大切なのは、企業側の期待値と自身が発揮できるバリューを、しっかり擦り合わせられているのかどうか。そして、自身が期待に応えた時に、どのような評価をお願いできるのかを企業側と入社前に整理しておくことです。

入社先を決断する際、もう一度立ち止まりましょう。目先の魅力に囚われ過ぎていないのか、セルフチェックすることをオススメします。

【振る舞い】目の前にいるのは近い未来の戦友かも

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最後は、今回一番お伝えしたい、意外と気づきにくいポイントです。

入社前後で、ハイクラス人材には重要になってくるのが「振る舞い」です。初めて転職する人や、エージェント経由で転職活動をしてきた人が、陥りやすいことかと思います。

意思決定が遅れる場合は、ちゃんと理由と期限を自分から伝えよう

転職活動において、複数の内定を獲得することがあります。その中で、他社選考が遅れ、約束していた回答期限に承諾有無の返事ができない場合には、自ら具体的な回答日時と、迷っている企業名を伝えることが大切です。

最近では回答期限を設けないスタートアップも増えています。そのうえで、回答期限を設定してくる場合は、求職者の「本気度」を試すケースもあります。あるいは、ポジションに対する緊急度が高く、採用計画に期限が迫っていることも多いです。

ハイクラスポジションは、同時並行で複数の方に内定を出せません。もし、具体的な回答目安がわかれば、仮に第二の候補者がいた場合も、企業は全体のスケジュールを上手く調整できます。

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具体的に迷っている企業はどこで、いつまでに返事がもらえるのか。具体的であればあるほど、第二の候補者の調整がやりやすくなります。具体的な比較企業や回答のタイミングが聞けず、第2、第3の候補者も失ってしまうのは、企業側として負担がとても大きいです。ですので、回答期限に対する対応の仕方は、特に注意してほしいポイントです。

年収は交渉ではなく、相談しよう

希望年収とのギャップがネックになるケースもあるでしょう。この場合に起こりやすいミスが、年収について「交渉」のスタンスで関わってしまうことです。

具体的には、「●●●万円を実現していただけるなら、承諾したいと思っています」といった、直接的な言い方をするケースです。すると、内定を提示した企業側も、内心ではあまりポジティブには捉えられず、入社後のフィット感を損なう恐れもあります。

エージェントを活用しない転職活動においては、特に起こりやすいミスです。では、どのような伝え方ができるか。セールス人材の例を共有しましょう。

NGパターン
意思決定において年収がネックになっており、●●●万円なら承諾できそうなのですがいかがでしょうか?

OKパターン
生活のことを色々加味したところ、年収は●●●万円が限界のラインになりそうです。もし可能であれば、ご提案の年収だと●●万円ほどギャップが出てしまいますので、どれほど業績貢献できれば実現できそうかなど、一緒に考えてみる相談の場を頂戴できないでしょうか?

おそらくNGパターンよりも、企業側には提示できる可能性を感じさせ、さらに「一緒に考えたい」というスタンスも伝わるのではと思います。ゴールは共に実現したい年収なのですが、向かい方も全く異なるはずです。

【最後に...】

転職素養として重要な【選定応募・見極め・振る舞い】についてお話しました。

どれも、初歩的なことだと感じられたかもしれません。一方で、ご自身の人生において大切な決断ほど視野が狭くなり、基本的なところが抜け落ちがちです。ぜひ、転職活動では意識してみることをお勧めします。

また、選定応募の質を上げるためにSaaSスタートアップの情報を教えてほしい、正確な見極めのために客観的なアドバイスをもらいたいなど、転職活動においての伴走が必要であれば、お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。

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