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#013 2つの違い。

今日は、子どもの話ではなく、仕事に関する話。

日常会話でも、ビジネスでの会話の中でも、アレとコレは「違う」と言ったり、聞いたりします。っが、何が違うのか、明確になっていない、けど、なんとなく何かが違う、という説明を聞くことがとても多いと感じています。特にビジネスで市場分析などをしている時に、若いコンサルタントが商品Aと商品Bでは、明らかに△△が違う、と言ってきたりします。確かに、明らかに違うのは分かるですが、本質的な違いの種類が抑えられていないので、次の打ち手がピンボケしていたりすることがよくあります。

違いは「程度の違い」と「種類の違い」があることを理解しておくと、頭の中がとてもきれいに整理できます。

「程度の違い」とは、白と黒の2つの色を思い浮かべてください。この2色は誰がみても、違う色だと分かります。しかし、同じスケール(ものさし)の上にのっています。片側の端に白色、もう片側の端は黒色、白に少しずつ黒を混ぜていくと黒に近づき、黒に白を混ぜていくと白に近づく。白と黒には境目がなく、白と黒の調合の割合によって、差が出る、つまり、程度による違いである、これが程度の違いです。身の回りには、この程度の違いはたくさんあります。唯一無二の奇抜な商品だと思えても、早く発売したかどうかの違いであって、誰にでも作ることができる技術であれば、商品リリースの早さという「程度の違い」でしかないのです。

一方、「種類の違い」とは、野球とサッカーの違い、同じスポーツであるものの、例えば、プロ野球選手がどれだけ身体能力が優れているからといって、明日から、Jリーガーにはなれないように、その違いの間には、何かしらの壁があって、その壁を乗り越えないと、反対側にいけない違いのことを種類の違いと呼びます。ビジネスでは、この種類の違いを築くことがもっとも大事なことで。奇抜なアイディアよりも、競争相手が簡単にマネできないように模倣困難な壁を作ることのほうが利益をたくさん稼ぐことから考えるととても重要です。

よくベンチャー企業や個人事業主のビジネスが出だしは順調なのに、途中で失速することがあります。表面上では、資金がうまく付かなかったとか、人材の問題が見えてきますが、商品・サービスのアイディアの秀逸さや斬新さだけでは、そのうち、追い付かれます。その前に、種類の違いとして、模倣することが難しい稼ぎ方、ビジネスモデルをつくっておくことが重要です。違いを作り出すことは一見すると、攻めのアプローチのように感じることが多いですが、実際のところ、違いを作ることは負けないための守りのアプローチであり、まずは守備を固めてから、打って出ることを若いころから理解しておきたいものです。

この2つの違いは、知ってて損することはない知識です。我が家でも、日常で起こったり、ニュースで見たりすることについて家族で話すとき、息子たちと、どちらの違いがあるのか、種類の違いを作り出すには、どうすれば良いだろうか、という話を頻繁にします。子どもは感覚的に、この2つの違いを理解できるようで、まだ言葉で上手に説明することは難しいですが、視点として新卒2年目のコンサルタントくらいの尖りをみせてくれています。

違いの分かるヤツ、かっこいいですね。

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