#015 眼中にないのは。

今日は、とある中学校の学校説明会で聞いた話。

中学受験に向かって進んでいる小6の長男。多くの中学校で、学校説明会が行われ始めました。コロナ禍の今日この頃ですので、オンラインでの開催がほとんどなのですが、私は学校の設備や雰囲気というよりは、学校の中にいる人たちの考え方を聞くのがメインなので、オンラインで十分です。

さて、今日は偏差値がさほど高くない、とある中学校の学校説明会で聞いて心に残ったことを書き連ねます。2つあるのですが、まず一つ目はハーバード大学やMITなどの海外大学から学校説明会を開催させてほしいという依頼はたくさんくるが、東京大学をはじめとして日本の有名大学からの依頼は、ほとんど無いという話でした。先生がいうには、理由はおそらく偏差値が高くない学校だから。この学校から偏差値の高い大学に進む生徒が他の進学校に比べて少ないから、ということでした。

私が常々思っていることとこの話がピッタリ重なって、面白いなと思いました。日本の多くの大学は、偏差値の高い子に入ってほしい、しかし、それは名前入りではない、というコト。どういうことかというと、誤解をおそれずにいうと、偏差値が高ければ、誰でもよい、ということだと思います。それはスポーツ推薦でも同じで、私はスポーツの強い進学校にいたのですが、強豪大学から推薦があったとき、それは個別の誰、ということもあるが、枠があるから誰かしらがいく、という事実。学業の指定校推薦も同じことです。誰でも良いから、頭の良い人、スポーツで実績残した人、うちにきてよ、ということだとずっと思っていましたが、今もまだそうか、と。

もう一つの話は、日本の多くの企業は、「言わない」「言えない」「言わせない」という文化があって、そういう学生が歓迎される、みんなで一緒に同じ方向をみて、みんなで力を合わせて生産していくためには、それがもっとも都合がよいから。決してそれは効率がよいわけではない。しかし、我々の学校はそういう大人に成長させられないかもしれませんし、そのような大人にするつもりもありません、ということでした。痛いところをついてきます。私もこの考え方には賛成します。私が一般企業からコンサルファームに転身して、もっとも感じたことがこのことです。コンサルファームでは、若手がどんどん自分の意見を発する文化がありました。若手が見当違いのことを言っていることも多いですが、それでもその意見を受け入れた上で、さらに上を行く意見を出していくのが上司である、という文化がありました。彼らは失敗することをおそれることなく、失敗は改善のネタを見つけられたとポジティブにとって前にすすんでいく姿勢に強く影響され、私も同じようなマインドに変わっていったように思います。

そのマインドや姿勢を手に入れるためには、どうすれば良いのでしょうか、学校は頼りにできないのでしょうか。最近、海外(英語)志向だとか、IT志向だとか、流行りの言葉を全面に出している学校も多いのですが、その真意について、きちんと学校の代表者や教師がしっかり説明できているか、学校説明会は、学校に入るためのヒント探しではなく、出ていくときのヒント探しをすることに意味があるな、と改めて思う今日この頃です。

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