政治講座ⅴ981「韓信の股くぐりに学ぶゼレンスキー氏、方や殺人の受刑者を兵士にするロシア」
2014年のクリミア半島のロシアの略奪に対し、ウクライナ人はよく耐えた。臥薪嘗胆でよく耐えた。中国の故事に、「韓信の股くぐり」がある。それは「恥は一時、志は一生」 大志を抱く者は屈辱にも耐えるという教訓として使われている。韓信は中国の秦末から前漢初期にかけての武将で、劉邦の配下として楚漢戦争で活躍した。彼は貧しい生まれで居候生活をしていたこともあったが、兵法に優れており、韓信の股くぐりという逸話が残っている。 項梁や項羽に仕えたこともあったが、重用されずに劉邦に寝返った。劉邦も最初は韓信を軽視していたが、蕭何や夏侯嬰の推挙で韓信を将軍に任命した。韓信は魏・趙・燕・斉・楚などの諸国を平定し、劉邦の天下統一に大きく貢献した。
ウォロディミル・ゼレンスキーは、世界で最も“ありえない”国家指導者であると同時に、世界で最も人気のある指導者かもしれない。大統領を演じて有名になったコメディアンが本当に大統領になり、それを超越する、という彼のシュールな人生模様はまさに韓信そのものである。「韓信の股くぐり」は、他人に笑われても志を持ち、遂には指導者になったゼレンスキー氏の生きざまに通じるものがあり、ロシアのウクライナ侵攻に関してもこれを機に傍若無人に奪われたクリミア半島の奪還を期待したい。弱小国家と甘くみたプーチンの敗北は目前である。人生、臥薪嘗胆、ゼレンスキー氏こそ現代の韓信である。屈辱に耐えたこその成功の大統領であるが、これからのロシアからの勝利が本当の成功であろう。その成功を期待したい。方やロシアは殺人罪の受刑者を兵士に仕立てているほどモチベーションが低い軍隊である。この戦いの勝敗はもうすでに見えているのである。
皇紀2683年4月3日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
ロシアの東部ドンバス地方制圧「失敗が明白に」…英国防省、兵力を「浪費した」と分析
読売新聞 によるストーリー • 59 分前
英国防省は1日、ロシア軍が、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク・ルハンスク両州)の全域制圧を狙って今年1月から進めてきた攻勢の拡大について「失敗が明白になっている」との分析を明らかにした。米政策研究機関「戦争研究所」も、プーチン露大統領が掲げた3月末までのドンバス地方の全域制圧を実現できなかったと指摘した。
英国防省は露軍の攻勢拡大について「何万人もの犠牲を払いながら、制圧地の拡大は局地的で限られたものにとどまった」との見方を示した。露軍は昨年秋にプーチン政権が実施した予備役の部分的動員で「一時的に兵員数の優勢」を得たが「浪費した」と分析した。
露軍は1月中旬に侵略作戦の総司令官に制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長が就任した。ゲラシモフ氏の主要任務はドンバス地方の全域制圧だったとみられており、目立った戦果を上げられなかったことで、解任を含めた処分を受ける「現実的な可能性がある」と評した。
露軍はドンバス地方での攻撃を続けている。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日のビデオ演説で、ドネツク州の州都ドネツク近郊アウディーイウカへの露軍の攻撃で生後5か月の男児が殺害されたと非難した。露軍は戦果を求めてアウディーイウカの包囲を目指している。
露軍側が1月以降、攻勢を特に強めていたドネツク州の要衝バフムトでは、攻撃ペースの鈍化が相次いで伝えられる一方、攻略の主力を担う露民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員が、市内中心部の行政庁舎まで数百メートルの距離まで到達しているとの情報もある。
ドネツク州で露軍の侵略作戦に参加しているプーチン大統領直轄の治安組織「国家親衛隊」の幹部は1日、SNSで、露軍は攻勢よりも防衛に重心を移すべきだと主張した。この幹部は3月末にプーチン氏から「昇進」の辞令を受けた。
ウクライナ軍は4月か5月に大規模な反転攻勢の着手を計画しており、プーチン政権が占領地域の確保を重視し始めた可能性がある。
ワグネルの元受刑者、帰郷し殺人=大統領恩赦で社会不安―ロシア
ウクライナ侵攻開始後、恩赦と引き換えにロシアの民間軍事会社「ワグネル」戦闘員となった殺人罪の元受刑者が3月下旬、中部キーロフ州に帰郷し、約1週間で再び殺人容疑で逮捕された。独立系メディアなどが3月30日、伝えた。制度上、恩赦はプーチン大統領の署名に基づく。
ワグネルは昨年秋、劣勢のロシア軍の穴を埋める形で激戦地に増派。元受刑者が中心の戦闘員約5万人中、約4万人が「戦死傷者、行方不明者、捕虜」(人権活動家)になったといわれる。生存者は自由の身になり、国内で治安悪化に懸念が高まる中、実際に犯罪が起きてしまった。
再び逮捕された元受刑者はイワン・ロッソマヒン容疑者(28)。2019年の殺人事件で罪に問われ、翌20年に禁錮14年の判決を受けていた。刑務所から応募して戦闘に従事した後、休暇で3月21日にキーロフ州の村に帰還した。「酔っ払い、おのを持って歩き回っていた」と伝えられ、住民は「夜も眠れない」と証言していた。
車の窓を割るといった行為でロッソマヒン容疑者は22日から数日間拘束された。地元警察署長は「また戦場に送り返す」と住民に説明していたものの、近くの町で29日に女性の遺体が見つかり、ロッソマヒン容疑者が逮捕された。
ワグネル創設者のエブゲニー・プリゴジン氏は、戦闘を終えた元受刑者について「帰還後1カ月で再犯率は0.31%」「20人だけ」と主張。計算上、6000人以上が自由の身になったことを示唆した。根拠を示さず「侵攻前の再犯率より10~20倍少ない」と独自の見解を述べた。
プーチン氏は昨年12月、元受刑者を含め前線にいる全員が「英雄」という認識を表明した。自ら国家勲章を授与した兵士の中に、元受刑者の戦闘員も含まれていたと伝えられている。
参考文献・参考資料
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