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政治講座ⅴ1305「中国株の評価」

 沈没する船から逃げ出す鼠のように海外投資家は中国から一斉に逃げ出している。共産主義に祖先返りして私有財産を尊重しない国には投資は出来ないのである。共有財産の国営企業のみが存続できるのである。これが「共同富裕」の実態であることにやっと気が付いたのであろう。鄧小平の改革開放路線はGDP第一主義で無軌道な採算度外視と借金肥大化により不動産開発を実施してきたのが、とうとう破局へと辿りついたのである。見事な幕締めである。海外投資家の中国株売りは当然の帰結である。中国は世界GDP2位から転げ落ちていると思われるが、発表される公表される統計は盛られているために信頼できない。中国経済は「もう死んでいる」と評する人もいる。今回は報道記事を紹介する。

     皇紀2683年8月25日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

海外投資家の中国株売り止まらず、総額1.4兆円に-優良株さえ売却

Bloomberg News によるストーリー •1 時間

(ブルームバーグ): 海外投資家が中国の優良株を手放している。中国株の下落が加速する中、同国の業界リーダーでさえ人気が低下している。

  外国投資家は7-18日、中国最大の酒類メーカー、貴州茅台酒の株式62億元(約1240億円)相当を売り越し。中国本土と香港の株式相互取引(ストックコネクト)を通じて最も売られた銘柄となった。ブルームバーグで利用可能な個別銘柄の最新データによると、これに続いたのは主要自然エネルギー関連銘柄の隆基緑能科技と、大手銀行の中国招商銀行で、売越額はそれぞれ47億元となった。

  海外ファンドは中国本土株市場から22日までに12営業日連続で計93億ドル(約1兆3500億円)相当の資金を引き揚げ。2016年にデータ追跡を開始してから最長の資金流出となっている。住宅不況の長期化で金融危機拡大のリスクが高まる中、中国本土株の指標、CSI300指数は今月に入り約7%下落と、世界の主要株価指数の中で下げが目立っている。

  売りの勢いが弱まる兆しはほとんどない。23日半ば時点で海外ファンドは70億元余りの売り越しとなっている。

原題:Global Funds Abandon China Blue Chips in $9.3 Billion Selloff (抜粋)

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©2023 Bloomberg L.P.

人民元安の流れ止まらず、当局の下支え強化でも-ウォール街の見方

George Lei、Carter Johnson によるストーリー •3 時間

(ブルームバーグ): 米ウォール街は中国人民元について、中国政府当局が安定化に動く中でもなおコロナ感染拡大で“弱り多くの下落余地があると見ている。
  オフショア人民元は先週一時1ドル=7.30元を超えるドル高・元安となり、昨年付けた史上最安値まであと一歩のところまできている。これを受け、中国人民銀行(中央銀行)は口先介入を行い、ドル売りを促すとともに、人民元の中心レートを元高方向での予想との差が調査開始以降で最大となる水準に設定した。
  その結果、人民元下落の勢いは鈍化したように見受けられるが、ストラテジストらはこうした応急措置だけでは元安を食い止めるには不十分だとみる。中国の利下げは米国との金利差を拡大させただけで、個人消費を刺激するための大規模な措置が取られていないことや不動産セクターの危機が広がっていることで、投資家の信頼感は一段と打撃を受けている。
  JPモルガン・チェースの外国為替共同責任者、ミーラ・チャンダン氏(ロンドン在勤)は18日の調査リポートで、「一段の人民元安という基本シナリオは依然としてほとんど変わっていない。ドル・人民元相場の上昇トレンドは継続すると予想しているが、最近の展開は、一方向の動きについては中国当局が定期的に中断を試みるだろうという注意喚起をしている」と語った。
  中国当局は人民元の下支えに向けた措置を強化しているが、問題は中国の金利が米国の金利をなお大きく下回っていることで、米2年物国債利回りは現在、同年限の中国国債を約290ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回っており、これは06年半ばの以来の大きさだ。
  BNPパリバの大中華圏為替・金利戦略担当責任者、ジュ・ワン氏(香港在勤)は「為替相場に明確な譲れない一線はないと考える。最終的には米中金利差に左右されることになり、両国の名目金利差が現在、記録的な拡大となりつつあるのを目の当たりにしている」と語った。
  人民銀は17日公表した4-6月(第2四半期)の「貨幣政策執行報告」で、同行の緩和的政策スタンスをほぼ再確認しつつ、「マクロ経済政策の調整を強化する」と表明。また、為替レートの過度な変動を断固として阻止する姿勢を強調した。
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中国が国有銀行に為替介入の強化指示、急激な元安阻止-関係者
  オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)の外為ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏(シンガポール在勤)は「ドル・人民元相場がさらに上昇し、1ドル=7.38-7.41元のレジスタンスエリアを試すかどうか」を市場は注視しているとし、それが起きれば「数週間以内に7.50元に向けて、ドルの上値を試す展開となるかもしれない」と分析した。
  ノムラ・シンガポールのグローバルFX戦略責任者、クレイグ・チャン氏は、人民元の中心レートと市場予想との乖離(かいり)が続いており、中心レートの安定効果がすでに損なわれ始めている可能性があると指摘。日々の乖離が上下2%の許容変動幅に近づけば、当局はドル売りを余儀なくされるかもしれないと予想した。
  チャン氏は、1ドル=7.50元以上のドル高・元安となる可能性があると付け加えた。
  ただ、人民元安は中国にとってプラスの面もある。多くの10カ国・地域(G10)諸国とは対照的にデフレのリスクと闘っている中国には追い風となる。
  バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア外国為替ストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は先週のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「中国は今、実質金利を引き下げる必要がある。だからこそ、若干のインフレ輸入を可能にするため人民元の下落を容認しつつある」と指摘した。
原題:Wall Street Sees No End to Yuan Losses Despite Beijing Pushback(抜粋)
--取材協力:Tania Chen、Iris Ouyang.
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©2023 Bloomberg L.P.

恒大集団を「破産申請」に追い込んだ無謀な拡大戦略 今後は資産を解体して国有系不動産会社に吸収か

マネーポストWEB によるストーリー •10 時間

恒大集団はどのような経緯で経営危機に陥ったのか(Getty Images)© マネーポストWEB 提供


 このまま中国で不動産危機が顕在化していくのか──。恒大集団は17日、ニューヨークの連邦破産裁判所に対して破産法15条の適用を申請した。同集団の資金調達は複雑で多様化しており、ドル建ての起債も多い。同社は現在、当局の協力を得ながら生き残りをかけた企業リストラを実施しているが、当局の思惑通りには処理できない海外債務の存在が作業を進める上での大きな障害となっている。

【写真】恒大集団が手掛ける巨大な住宅団地 

申請が通り、破産法15条が適用されることになれば、米国がらみのドル建て資産は保全されることになる。企業リストラを進める上での障害の一つがとりあえず取り除かれる。倒産しないための措置ではあるが、とはいえ、現状の経営、財務状況は厳しい。 収益面をみると、過去最高売上高は2020年12月期の5072億48000万元(10兆1450億円、1元=20円で換算、以下同様)、過去最高益は2018年12月期の373億9000万元(7478億円)。通期の売上高はその後、51%減収、8%減収と続き、2022年12月期の売上高は2300億6700万元(4兆6013億円)まで縮小している。 利益面では更に酷いことになっている。2021年12月期は4760億3500万元(9兆5207億円)の赤字転落、2022年12月期は1059億1400万元(2兆1183億円)の赤字継続だ。 業績悪化の直接的な要因は2020年8月から試験的に実施が始まり、2021年1月から政策として正式に実施されるようになった「三条紅線政策」(*)であり、この政策によって強制的にレバレッジを縮小させられたことであるが、それ以前の経営に重大な問題があった。
【*中国政府による不動産開発会社の借り入れに関する規制。資産負債比率が70%以下、自己資本に対する負債比率が100%以下、短期債務を上回る現金保有という3つの基準が示され、その達成度合いによって資金調達が制限される】

弱り目に祟り目”

 本業の事業モデルについて単純化して説明すれば、100億元で開発用地を仕入れたとすると、その土地を担保として新たに100億元の資金を借り入れその資金でまた別の土地を仕入れ、の土地を担保にまた資金を借り入れるというやり方で、土地在庫を無限に増やしていく
 マンション建設に当たっては、着工前の段階で一部の区画の一部のマンションを安く売り出すこと(青田売り)によって資金を捻出し、さらに建設費用の一部について建設会社、資材会社からの買掛とすることで、最小限の自己資金でプロジェクトを進める
 経営サイドでは、土地供給先である地方政府と密接な関係を築くことや、派手な広告宣伝によって営業力を強化することに専念する
 需給両面が共に急拡大するといった恵まれた環境の中、こうしたビジネスモデルがうまくいき、同社は2000年代後半から2010年代にかけて急成長を遂げたのだが、不動産購入制限など不動産対策が2017年から強化されると、事業環境が一変した。しかし、その影響を過小評価し、見誤り、超拡大戦略からの撤退が遅れたところに、前述の三条紅線政策が実施され、一気に危機が表面化した。さらに、2020年1月から約3年にわたる新型コロナウイルスの感染拡大、ゼロコロナ政策の実施が“弱り目に祟り目”となった。
 営業強化とも密接に関係していた部分もあるが、サッカーチームを持ったり、ミネラルウォーター事業、電気自動車製造、メディア事業に参入したりするなど、事業の多極化を積極的に進めてきた。営業面への一定の効果はあったかもしれないが、巨額な投資を続ける中で、それらの事業は巨額な赤字を垂れ流し続け、危機が表面化すると、それらはすぐに財務面での大きな負担となった。
 許家印CEOの関心は派手に事業を拡大させることばかりに集中していた。そのため細かい部分、たとえば仕入れる土地の良し悪しや適正価格の評価が甘く、知名度向上にばかりに目が向き、多角化事業に関して適正な投資規模、収益見通しができていなかった。さらに、顧客のニーズ、市場の動向、政策の方向性、強度について、しっかりと把握できていなかった。

単独での事業存続は難しい

 巨額赤字発生により2021年12月期の時点ですでに債務超過に陥っている。2022年12月期は買掛金や未払金などの1兆0023億元(20兆460億円)を中心に負債が2兆4374億元(48兆7480億円)ある。それに対して、開発中物件の1兆1361億元(22兆7220億円)を中心に総資産は1兆8383億元(36兆7660億円)しかなく債務超過は5991億元(11兆9820億円)にのぼる。
 開発中物件の中には、環境さえ良ければ数倍の価値を生む物件もあるだろうが、現状の不動産市況の低迷を考えればあまり期待できそうにない。
 現在、国内の関係者が中心となって企業再建を進めているが、単独での事業存続は難しいだろう。まずは当局の強力な指導によって、厳しい利害対立を整理しつつ、資産をうまく解体し、それらを財務体質が健全な国有系不動産会社を中心に吸収させるしか方法はないだろう。
 結局、無謀な拡大戦略が同社の危機の要因だが、それは程度の差はあるが、業界全体の問題でもある。決して恒大集団だけの特殊な問題ではない。
 国内外の投資銀行が同社を巻き込み、内外で無理な資金調達をさせたということはなかっただろうか。行き過ぎた自由主義、市場経済が原因ではなかろうか。公平、公正、平等な社会づくりを目指す習近平体制にとって、自己の利益ばかりを追求し、人民の生活向上に資することのない不動産会社許すことはないだろう
 国家がどんな犠牲を払ったとしても、社会主義国家としてふさわしくない企業を排除しようとしているのであれば当面、景気の回復は難しいのかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログも発信中。

参考文献・参考資料

海外投資家の中国株売り止まらず、総額1.4兆円に-優良株さえ売却 (msn.com)

人民元安の流れ止まらず、当局の下支え強化でも-ウォール街の見方 (msn.com)

恒大集団を「破産申請」に追い込んだ無謀な拡大戦略 今後は資産を解体して国有系不動産会社に吸収か (msn.com)

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