政治講座ⅴ1992「トランプ氏、現状認識大丈夫か?」
人間は全知全能の神様ではない。吾輩も未だ知らないことが多い。ソクラテスではないが「無知の知」を実感している次第である。
翻って米国大統領候補のトランプ氏に対する醜聞が聞こえてくる。
これから掲載する報道記事の内容について「米国大統領」の知識レベルはこの程度と理解して、政権を担うときのブレインを集めてその頭脳・ブレインの話をよく聞き政策に採用するかであろう。
吾輩は、2015年のころからトランプ氏をウオッチしてきたが、2016年の大統領選の当選を予想して当てたのは日本では吾輩も数少ない人物の一人であると自負している。
その根拠は、「人の話をよく聞く」人物であるという前評判である。日本の若き証券マンがトランプ氏と会話をする機会がありその時の印象の発言である。
民主党の発信するフェイクニュースとロシア疑惑に翻弄されながらよく頑張ったと思う。だから良いブレインに恵まれることが必要であろう。日本に対する例を挙げるならば、北朝鮮の横田めぐみさん拉致事件に対しても、国連総会演説での拉致問題の解決に向けた発言などがあるが、日本の報道機関は「心温まる行動・言動」を報道しないのである。
むしろ、米国では「悪役」スターのイメージの「首だ!」の報道番組をしていたが、その延長線上での報道が日本では多い。しかし、彼は本質はやさしい心根の人物なのである。
そして、本音と建て前の区別をせずに発言する政治家らしくない言動のために誤解を与えるのである。そして、その一部が切り取られて悪役イメージの報道として使われるのである。曲解されたイメージのフェイクニュースとなるのである。
今回はそのような報道記事を紹介する。
皇紀2684年10月28日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
報道記事紹介
トランプ氏、福島原発事故にまた言及「3000年は土地に入れない」
10/26(土) 16:14配信
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は25日、東京電力福島第1原発事故に関し「3000年かそこらは(周辺の)土地に入ることは想定されていない」と述べた。保守系ポッドキャスト番組で語った。
【図表】米大統領選の接戦7州は?
トランプ氏は若者に人気の番組ホスト、ジョー・ローガン氏のインタビューに応じ、原発の活用について問われた際に原発事故に言及した。ローガン氏は「もっとひどいと思う。想像の範囲より長く、放射能は残るだろう」と応じた。
トランプ氏は8月に実業家のイーロン・マスク氏と対談した際にも、原発事故について「2000年は現地に戻ることはできないと言われていた」と発言。東日本大震災後に福島県を訪問した経験のあるマスク氏が異を唱え、「地元産の野菜も食べた」とトランプ氏をたしなめる一幕があった。【ワシントン秋山信一】
「福島に3000年は戻れない」トランプ氏が“原発事故”に言及 “対談相手”マスク氏「福島産の野菜食べた」と反論…県民から怒りの声
2024年8月14日 水曜 午後6:35
トランプ氏がイーロン・マスク氏と対談。その中でトランプ氏は「原子力が脅威」とし、その後に飛び出したのは、福島第一原発事故への言及だった。
「原子力が最大の脅威。日本で起きたこと考えると…」
アメリカのトランプ前大統領が、実業家のイーロン・マスク氏と、マスク氏が所有するSNS「X」で対談。
その中で、トランプ氏の口から飛び出したのは、福島第一原発事故に関する発言だった。
トランプ氏:
私としては原子力が最大の脅威だ。日本で起きたことを考えると、3000年ぐらいは土地に戻れないって言うよね。
マスク氏とエネルギー政策について話をする中で、トランプ氏は「原子力が最大の脅威」と指摘。
その上で、福島第一原発の事故について「3000年は土地に戻れないと言われている」と発言した。
これに対し、原発事故後の2011年7月、福島・相馬市を訪れたことがあるマスク氏はこう反論。
マスク氏:
実は(福島の状況は)それほど悪くはないんだ。実際に福島を訪れて、テレビで地元産の野菜を食べて、それを証明したんだ。
マスク氏は福島の安全性を訴えたが、トランプ氏は「だから最近、調子悪そうなのか。心配している」などと軽口をたたいた。
県民「そういうこと言うと本気にする方も」
福島県では、原発事故の直後、県の面積の約12%に避難指示が出されたが、現在残っている「帰還困難区域」は、2.2%にまで縮小。
政府は、2020年代に希望する全ての住民の帰還を目指して、除染やインフラ整備を進めている。
トランプ氏の発言について、福島県民は、どのように感じたのだろうか?
福島県民(女性):トランプさんは何言うかわかんないわよ。困っちゃうわね、そういうこと言うと本気になる方もずいぶんいるわよね 。
福島県民(女性):でも、私たち住んでいますよねって。(トランプ氏は)そう思っているかもしれないけど、福島にはとてもいいところがあるし、周りが思うほど悪くない。
福島県民(男性):3000年かい? いろんな意見はあると思うよ。トランプさんだから、そういうことも言うのだろう。
今回の対談で、トランプ氏はマスク氏とともに、ハリス副大統領を「極左」などと批判。
また、マスク氏は「あなたが勝利することが、国のために不可欠だ」とトランプ氏を持ち上げた。
(「イット!」 8月14日放送より)
トランプ氏「ヒトラーも良いことした」と発言 前政権高官が暴露
2024年10月24日 9:23 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月24日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権で首席補佐官を務めたジョン・ケリー(John Kelly)氏はニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、トランプ氏が在任中に「アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)も良いことをした」と、ナチス・ドイツ(Nazi)の独裁者を礼賛する発言をしていたことを暴露した。カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領はこれを受け、「常軌を逸している」と批判した。
元海兵隊大将で、トランプ政権で首席補佐官など要職を歴任したケリー氏は同紙に対し、トランプ氏は「ヒトラーも良いことをした」と述べたと証言。また、同氏は米軍将校ではなく、「ヒトラーが抱えていたような将軍がほしい」とも語ったという。
ケリー氏はトランプ氏について「ファシストの一般的な定義に当てはまるのは間違いない」と繰り返し警告した。
この報道を受け、ハリス氏は首都ワシントンの副大統領官邸の外で声明を発表し、「アドルフ・ヒトラーを引き合いに出すのは非常に問題であり、信じ難いほど危険だ。ヒトラーは600万人のユダヤ人と数十万人の米国人の死に責任を負う人物だ」と述べた。また、「ドナルド・トランプはますます常軌を逸してきており、不安定になっている」と非難した。
これに対しトランプ陣営の広報担当、スティーブン・チャン(Steven Cheung)氏は、「彼女(ハリス氏)は簡単に反証できる明白なうそ偽りを広め続けている」と反論した。(c)AFP
トランプは「ファシストの定義に合致」と元米高官 「ヒトラーは良いこともした」発言も
ドナルド・トランプ前米大統領の首席補佐官を務めたジョン・ケリーは米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、トランプが在任中、ナチ・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーを一度ならず称賛していたと明かした。米国を運営するにはファシスト的な手法のほうが適しているというのがトランプの考え方だとの見解も示した。
22日に公開されたインタビューで、トランプはファシストなのかと問われたケリーは、ウィキペディアのファシズムの定義を読み上げたうえで「トランプは確かにファシストの一般的な定義に当てはまる」と語った。
ケリーは自身の経験から、ファシズム的な手法はトランプが「米国を運営する上でよりうまくいくと考えている」ものだとも話した。トランプについて「間違いなく権威主義者であり、独裁者に憧れている」とも断言した。
独裁者の称賛という点に関しては、トランプが「ヒトラーは良いこともした」とケリーに語ったことが「一度ならず」あったと証言した。
ケリーは、トランプは合衆国憲法をほとんど理解しておらず、自身の権限の制約にいらだっていたとも振り返り、「独裁的な統治手法を好んでいるのは疑いない」と述べた。トランプは政権に起用した制服組や退役将官が忠誠を尽くすのが自身でなく憲法であることに驚いていたとも明かした。
ケリーは退役海兵隊大将で、トランプ政権では首席補佐官に先立って国土安全保障長官も務めた。
インタビューでは、トランプが米軍の戦傷者や戦死者らのことを「負け犬」や「バカ」と呼んでいたことにもあらためて言及し、トランプは「この国を守るために手足を失った人たちと一緒にいるのを見られたくない」とも話した。
トランプ陣営「でっちあげ」
ケリーはニューヨーク・タイムズのインタビューに答えることにしたのは、トランプが最近、国内の「敵」に対して米軍を用いるべきだと発言したことを憂慮したためだと説明した。米軍に米市民を攻撃させることはもちろん、大統領選で当選するために政治目的でこうした発言をすること自体「たいへんに悪いこと」だと批判した。
トランプは「内なる敵」として、これまでに「急進左派」のほか、トランプの弾劾裁判で検察官役を務めた民主党のアダム・シフ下院議員、ナンシー・ペロシ元下院議長らを名指ししている。
トランプ陣営の広報責任者であるスティーブン・チョンはメディアに寄せた声明で、ケリーは「でっちあげたデタラメな話で自分自身を笑い者にしている。首席補佐官として働いている間、大統領にうまく仕えることができず、現在は『トランプ錯乱症候群』を病んでいるからだ」と主張した。
一方、米誌アトランティックは22日、トランプがホワイトハウスでの私的な会話で「ヒトラーが抱えていたような将軍たちが必要だ」「彼(ヒトラー)に完全に忠実で、命令に従う者たちだ」と語っていたと報じた。トランプ政権で勤務した退役将官らの話として「彼(トランプ)が重んじる唯一の軍人の美徳は服従だ」とも伝えている。(forbes.com 原文)
トランプ氏がヒトラー肯定発言?で物議 舛添要一氏「ジェノサイドと経済政策は切り分けて評価を」ドイツ人コラムニスト「”いい面”にあえて注目する必要ない」
ABEMA TIMES (Microsoft) の意見
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舛添要一氏©ABEMA TIMES (Microsoft)
舛添要一氏
米ジョン・ケリー元大統領補佐官が、大統領時代のトランプ氏が「ヒトラーは良いこともした」と幾度も発言した、と明かして話題になっている。アメリカの雑誌も、トランプ氏が在任中に「ヒトラーの周辺にいたような忠実な将軍が必要だ」と述べていたと報じた。
大統領選が再来週に迫るなか、トランプ氏と争うハリス副大統領は「ヒトラーを引き合いに出すのは非常に危険で深く憂慮すべき事だ」と非難した。これにトランプ氏は「今回の話は憎悪にまみれたケリーのでっち上げだ」と反論している。
ナチス・ドイツを率いたアドルフ・ヒトラーは、第2次世界大戦でヨーロッパ各国に侵攻。ユダヤ人を迫害し、約600万人を虐殺した戦争犯罪人とされている。
一方でネットなどでは、ドイツ国内での失業者対策や経済対策、オリンピックでの聖火リレー考案など制作について評価をする声もある。増えるヒトラー肯定論、私たちは歴史をどのように評価すればいいのか。。『ABEMA Prime』では、ヒトラーの研究もしてきた元東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏と考えた。
■舛添要一氏「ジェノサイドは許されず。経済政策などとは切り分けるべき」
トランプ氏がヒトラー肯定発言?で物議 舛添要一氏「ジェノサイドと経済政策は切り分けて評価を」ドイツ人コラムニスト「”いい面”にあえて注目する必要ない」© ABEMA TIMES (Microsoft)
ナチスの政治思想・体制を「ナチズム」と呼ぶ。国家主義・民族主義・独裁主義を特色に、1933〜45年のナチス政権下で行われた。優生思想から障害者を殺害し、反ユダヤ主義からユダヤ人の迫害を行い、「ホロコースト」では強制移住·ガス室での殺害などで、約600万人が迫害·殺戮されたとされる(米ホロコースト記念博物館HPからまとめ)。
舛添氏は「もちろんジェノサイドは決して許されないが、切り分けて考えなければ再発を防ぐことはできない」との見解を示し、評価できる政策として、経済復興·失業者減、労働福祉政策、少子化対策、健康政策、外交(領土返還)、PRを挙げる。
ヒトラー研究を始めたのは「20世紀に独裁者が生まれるのはなぜか」との興味からだった。「ナチスはクーデターではなく、選挙で第1党になった。『なぜドイツ人はヒトラーについていったのか』と調べたくて勉強した」。
50年前にミュンヘンで学んでいた頃、下宿先の主人に「生涯でヒトラー時代が一番よかった」と明かされ、「時代によって評価が変わるが、なぜ当時のドイツ人がヒトラーを支持したのかを見る必要がある。そこにはなにか理由がある」と感じた。
支持する理由として、主人は「子どもの時におやじが失業者で飯も食えなかったが、ヒトラーが政権を取って、失業対策をしたら就職できた」と語ったという。「600万人ほどの失業者がいたが、ナチス政権で一気に減らした。子どもの頃の苦しい生活から『よかった』と感じたのだろう」。
他の政策として、ドイツで建設された自動車専用の高速道路「アウトバーン」がある。失業者に職を与えるため人力を活用し、雇用は約1000人から10万人になった。また、経済政策では、ヒトラーが政権に就いたとき「4年で失業を解消する」と約束し、3年後には失業者が激減。価格統制でインフレ抑制も行ったと、舛添氏は説明する。
各種政策については、「最初から戦争を大きな目的にしていない」と分析している。「ドイツ人が住む土地が少ないため、ロシアの領土を取っていった。最終手段は戦争になったが、それまでは外交で領土を取り返した。当時は『戦争しないで領土を取り返した“外交の天才”』との評価もあった」と解説する。
■ヒトラーは「良いこともした」は虚構
ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は「ヒトラーを評価することはありえない」との立場だ。「半世紀前には『ヒトラーが好き』という人も結構いたが、ずっと問題になっていた。若い世代がいくら否定しても、『あの時代は良かった』と言う人は存在した」と振り返る。
しかし、それから数十年がたち、「年配者もふくめて『反省すべき』と扱っている」のが現状だそうだ。「失業者対策もアウトバーンも、戦争に突き進むためのことだった。その結果を考えた時に、果たして“功績”と言えるのか。なぜ良い点にスポットが当てられるのか、私には理解しがたい」。
サンドラ氏は「良いこともした」は虚構だと指摘する。経済復興・失業率減は、「統計が恣意的なのでは?」「ヒトラー発案じゃない物も」「例え本当でもその目的は『戦争』のための強国作り」と考える。また、少子化対策や健康政策は、「“強い兵士”育成のため」「“罪”の犠牲の上に成り立っている“功”もある」と指摘する。そして「良いことした」論の人は、極右など、その向こうに「思想」が見えるという。
失業率対策や少子化完全など、あらゆる政策が「優秀な兵隊を作り、戦争へ行かせるため」のものだとして、「ドイツ人としては、その過程を功績とは言えない」と繰り返す。「一部の右翼が言っても、メディアや世間から一斉にたたかれる」。
一方で日本では、気軽に名前を出されることも多いという。「人前で話すのが苦手だったが、ある日本人から『ヒトラーは演説が上手だったから参考にすれば』と言われてびっくりした。悪い政治家という意識が欠けて、マスコットキャラのようになって、“部分的にお手本にすべき人”と扱われている」と懸念を示す。
舛添氏は、「第1次世界大戦の戦勝国が、ドイツに対して天文学的な賠償金を強いたことで、経済が立ち行かなくなった。その反省から、第2次世界大戦では、日本から賠償金を取ろうとしなかった」と解説する。「ドイツがハイパーインフレになったのは、ドイツの経済運営だけが悪いわけではない。当時のドイツ人が評価して、今のドイツ人が評価しない“考えの違い”をはっきりさせないといけない」。
■ヒトラーを評価する声…なぜ増え続ける?
Xでは「自国を押し上げたという意味で、あれほど功績のある政治家もいない」「手腕があったのは間違いない。学ぶべきところも多い」「もっと多くの人を殺した独裁者なんてたくさんいるだろ」のように、ヒトラーを評価する声も出ている。
舛添氏は、ホロコーストは絶対に認められないとした上で、「ヒトラーほど演説がうまい政治家に会ったことがない。抜群の能力を持っていたが、その結果ひどいことになった」と評する。「『世の中の不満は誰かの責任』だとする時に、『ユダヤ人が悪い』と言う。ヒトラーは若い頃、反ユダヤ主義者から洗脳されていた。『ヒトラーはなんだ』と苦々しく思う人もいたが、圧倒的多数の大衆支持があった」。
サンドラ氏は「マーケティング能力がある人は、世の中にいっぱいいる。なぜ政治的に悪いコトしたとされる人の、”悪いコトではないこと”に注目する必要があるのか」と反論し、「政策は全部事実だと思うが、その先にもたらしたことは世界中が知っている。ユダヤ人家庭から家具や宝石を没収し、ドイツ人に振り分けて、『豊かになった』と言うのは違う。裏のことも考えて発信すべきだ」と非難する。
コラムニストの河崎環氏は、この発言を受けて、「なぜ現代の我々が関心を持ってしまうのか」に焦点を当てる。「アイコンとしての大きさに加えて、“ダークヒーロー”に対する心理的ハードルが下がっていないか。SNS時代で『目立つ』『映える』に価値が置かれる今、ヒトラーやゲッペルス的なプロパガンダに目を向けてしまうトレンドがある」。
舛添氏は「ヒトラーやゲッペルスがラジオを使って、ドイツ国民を洗脳したのと同様な面をSNSが持っているのではないか」と気をもむ。「いい道具だが弊害もある。私がYouTubeに動画を出すと、ナチスの親衛隊が殴り込みをかけるような勢いで反応が来る」。
トランプ氏がしたとされる発言を、舛添氏はどう見るか。「トランプ氏は本当に歴史を勉強しているのか疑問だ。安倍元総理と話したときに、日露戦争を知らなかったという有名な話がある。ヒトラーのことをどこまで知っているかわからない。そういう人の話を議論してもしょうがない」と断じた。(『ABEMA Prime』より)
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