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やさしい物理講座ⅴ79「運動する媒質を透過する光の進路」

 これから掲載する内容は平成10年(1998年)の吾輩の研究論文の一部である。表題の通り、媒質を透過する光速度は、色々な条件のもとで変化することが実験結果からでている。当初、エーテル理論で1887年マイケルソン=モーリーの実験が有名であるが、それにより「エーテル理論」の否定に繋がった。
しかしながら、その実験の欠点は、光の通り道が真空ではなく空気中で行われたことによる、地球の運動と空気の慣性力がもろに作用した結果であり、1905年、その実験結果をもとにした「ローレンツ収縮説」が盲信されて、それを盾にして特殊相対性理論の「時間の遅れ」の根拠として現代に至るのである。
しかしながら、それから20年後の1925年のマイケルソン=ゲールの実験では、パイプから空気を抜き、真空のパイプで実験をして、二つの干渉縞を発生させてその移動を観測した。この実験の成功は1887年マイケルソン=モーリーの実験から38年ごのことであり、静止エーテル理論が否定された後であり取り上げられることはなかった。
 このような研究結果があるにもかかわらず、その後の研究者が着目をせずに相対論を盲信する権威主義者の物理学者により、ゆがめられた理論に発展したのが原因であると考える。浅学菲才の吾輩の素朴な研究が権威主義の「相対論」に立ち向かうことになるとは思いもしなかった。
今回は平成10年の吾輩の研究論文の一部を紹介する。

     皇紀2684年6月15日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司
 

光の速度と屈折率の関係

 光と物質の比誘電率、については、以後のバージョンで解説する。
 通常我々は真空中の光の速度を論じることが多いが、光の速度は、物質の種類によって異なる。

物質の種類によって何故、光の速度が異なるのか?

物質中の光の速度をv、真空中の光の速度をc、絶対屈折率nは
n=c/ⅴ で表される。
振動数ν、それぞれの波長をλv、λc とすると v=λv・ν 、c=λc・ν の関係から  n=λc/λv  が得られる。

1<n だから λv<λc となり波長が短くなる。 振動数νは変化せず一定であるから、当然、ⅴ<c となり、速度が遅くなる。

交流回路の作用から速度変化の考察(イメージ)

速度が遅くなる物理現象(光の速度変化)について、コンデンサーC、コイルⅬ、そして抵抗R、の交流回路の作用を考える。

コイルの持つ電気的性質をインダクタンスといい、記号Ⅼを用いる。
導体をコイル状の巻線にするとインダクタンスができる。

コイルに電流ⅰを流すと、電流に応じた磁束Φがコイル内部に発生する。磁束の方向が右ねじの法則 に従う。
L=kΦ/ⅰ(kは定数)
磁束Φが時間的に素早く変化すると、言い換えると、電流ⅰが変化すると、その電流の変化を妨げる向きに起電力Lが発生する。(ファラデー・レンツの法則)
ℯL=L・dⅰ/dt
電源電圧を ℯ=√2・Esinωtとおくと、インダクタンスに発生する起電力ℯⅬは ℯⅬ=ℯとなる。ℯL=L・dⅰ/dt から電流ⅰを求めると
ⅰ=(1/L)・∫ℯLdt=√2・(E/ωⅬ)sin(ωtーπ/2)となり電流の位相が90°遅れる。コンデンサーの持つ電気的性質をキャパシタンスと言い記号をCで表す。
直流の定常状態で定義された式 I=Q/t、
交流では電流が絶えず変化するので微分式で表す。 ⅰ=dq/dt、
q=C・ℯ、  ℯ=√2・Esinωtを代入すると
ⅰ=d(√2CEsin ωt)dt
 =ωC√2Esin(ωt+π/2)となり電流の位相が90°進む。

この様に、交流回路では、電圧の位相に対しては、Lは電流を90°遅らせ、Cは電流を90°進ませる性質がある。

インダクタンス(inductance)とは

 一つの電気回路、あるいは隣接する複数の電気回路において、その回路自身の電流が変化するか、または他の回路の電流が変化すると、電磁誘導によって電流の変化割合に比例する大きさの起電力が生ずる。この比例定数をインダクタンスあるいは誘導係数という。


物質中の光の波の伝播の考察

 光の波は電場が磁場を誘発し磁場が電場を誘発して交互作用により媒質中を伝播する。比誘電率は現象・測定法において、屈折率と全く違う。しかし、n=√εn=c/ⅴn=λc/λv の関係が見出すことができる。
以上から、抵抗、分極、誘導作用、位相の変化の早遅の相互作用により、光の速度は遅くなる。物質の種類、状態つまり、混合物、密度、圧力、温度、光の振動数、そして媒質の運動によって光速度が変化する。

フレーネルの随伴係数

フレーネルの随伴係数について解説する。
 ある物質が静止しているときのその媒質中の光速度が c₁=c/n(nは静止媒質の屈折率)であるとすると、媒質が光の伝播方向にvの速度で運動しているとき、媒質内の光速度は c₁+vではなく、c₁+kv(k<1)であると仮定した。

屈折率からのアプローチ

 これが、フレーネルの随伴係数 k=1-1/n²(nは屈折率)である。
この随伴公式の検証をしたのがフィーゾである。フィーゾは流水中の干渉実験で確かめられて、マイケルソンの実験でも行われた。そして、ローレンツによって精密化された。
k=1-1/n²ー(λ/n)×(dn/dλ)

誘電率からのアプローチ

 運動する媒質中vの光の速度c₀は、運動する物質が光(電磁波)との誘導作用、分極、すなわち、媒質の比誘電率εrと関係し、一定の比率k(随伴係数)で計算される。

   k=1-1/εr-(λ/√εr)×(d√εr/dλ) 

 ∴  ⅽ₀=ⅽ/√εr ± kv ・・・ vとcは直線上の運動の場合

vとcの運動方向が、直線上になく、ある角度を持っている運動の場合は、kvベクトルⅤc/√εrベクトルCで表される。

∴  c₀=C+V

この様に、マクロで考えたとき、地球上での空気を移動する光速は前述したように、空気濃度や空気の流れによっても微妙に測定値に変化をもたらすことを考慮に入れなければばらない。

My Opinion.

以前、光粒子は質量0であり、慣性力が働かない、重力の影響を受けないと主張した。しかし、間接的な影響は受けるが、真空中での光の運動は重力の影響をうけない。そして、光粒子は物質への吸収や物質からの放出で影響をうける。真空中での重力の影響で曲がることはないし、運動する光源からの放出された光にはこのように、慣性力が働かないと主張してきた。今回の運動する媒質中の光の行動は物質の持つ比誘電率が電磁波に作用する現象である。
蛇足であるが、地球が自転する回転による慣性力は空気の運動にも作用しており、我々が見る台風が左巻きの渦になるのも緯度の違いによる慣性力が作り出す現象である。このような慣性力の働く空気の空間での実験の結果が1887年マイケルソン=モーリーの実験であることの認識が必要である。


参考文献・参考資料

やさしい物理講座v23「運動している物質中の光の振る舞い」|tsukasa_tamura (note.com)

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