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政治講座ⅴ1196「左から右へ揺れて苦悩する米国」

 米国には国家が2つあると言われている。そして米国の分断化が近年叫ばれてい居る。しかし、米国は英国から独立してから内戦(南北戦争)があった。それから、国内政治は内戦状態であったと表現した方が妥当であろう。2大政党の良さであるが海外の外交にとっては付き合いにくいくにであろう。最近では、米国の政治的圧力(米国大使)によってLGBT法案が反対者や問題が指摘されているにもかかわらず可決された。中国の覇権主義台頭とロシアの核兵器の恫喝の国際情勢を俯瞰すると、米国の軍事対応には限界あるために、日本にも相応の軍備拡張と核兵器の要請があるものと思う。現に米国の要請で防衛費の増額を閣議決定している。また、戦争に巻き込まれていくことは確かである。
米国民主党政権から来年の共和党の大統領(多分トランプ氏)になったら、ポリティカル・コレクトネスも修正されると考える。
今回は米連邦最高裁が違憲判断がでた記事による影響の記事を紹介する。

     皇紀2683年7月4日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

バイデン政権が「手続きミス」で自滅…62兆円が「実質増税」で米国経済がピンチに

髙橋 洋一 によるストーリー • 3 時間前

62兆円の政府負担

先月末、バイデン政権に手痛い米連邦最高裁判決が二つも出た。

一つは、6月29日ハーバード大などの入試で黒人などを優遇する措置について、米連邦最高裁が違憲判断を下した。米大学では学生の多様性を確保するために積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を用いてきたが、これが排除されることになる。

photo by gettyimages© 現代ビジネス

積極的差別是正措置は、米民主党政権が1960年代から導入してきたものだが、米大学に留学経験がある筆者にとって、わかりにくいものだった。

実際の運用を簡単に述べると、黒人系やヒスパニック系は入試点数に上乗せされ、アジア系は逆に減点されるので、入学試験の点数で合否が決まる日本人からみると奇妙なものだ。

米最高裁は、これまで大学側の学問の自由を根拠に大学入試において積極的差別是正措置を長年認めてきた。多様性はやむを得ない利益であり、大学などが行っている積極的差別是正措置は、他の志願者に不要な不利益をもたらさないよう制限されているとの判断を示していた。

しかし、最高裁判事は、トランプ前大統領が保守派判事を3人任命したことで保守派が多数となった。

判例が明白な誤りとみられる場合は見直す姿勢を示しており、昨年は人工妊娠中絶を女性の憲法上の権利と認めた49年前の「ロー対ウェード判決」を覆し、人工妊娠中絶を禁止することも合憲とした。これも、民主党にとっては痛い最高裁の判断だ。

もう一つは、6月30日、米連邦最高裁はバイデン政権が昨年夏に発表した学生ローン返済免除は法律が定める行政府の権限を超えているとして、効力を認めない判断を下した。

停止命令が出された昨年11月までに2600万人超が返済免除を申請しており、すべてが承認された場合、政府の負担は4300億ドル(約62兆円)に上ると試算されている。

政策の「手続きミス」

もちろん、これらの一連の最高裁の判断には、最高裁判事についてトランプ前大統領が保守派判事を3人任命したことで保守派が多数となったことがある。

判例が明白な誤りとみられる場合は見直す姿勢を示していたので、それが実行された。その背景には最高裁判事で保守派が増えたことがあるが、社会での価値観が保守派に傾いていることもあるだろう。

関連するビデオ: 動画:バイデン氏の顔に「謎の跡」 原因は睡眠時無呼吸症の治療装置 (AFPBB News)ウォッチで表示

人工妊娠中絶の是非は、かなり価値観に属するところだ。積極的差別是正措置の是非については、結果の平等を求めるか、機会の平等を求めるかという問題に帰着し、これも各々の価値観にかなり依存する。ただし、機会の平等に力点を置くのは、競争の重視である。

29日の判決後の政界の反応が好対照だ。バイデン米大統領はホワイトハウスで「裁判所の決定に断固反対する」とし、包摂的で多様な学生構成になるような有効な措置とそれを制限する措置について検証するよう教育省に指示するとした。

一方、トランプ前大統領は「米国にとって素晴らしい日だ」とし「並外れた能力と成功に必要なもの全てを備え、将来わが国に偉大さをもたらす人が、ついに報われる」とした。

バイデン政権による学生ローン返済免除の是非は、価値観の違いもあるが、政治を優先しすぎた政策の「手続きミス」の側面が強い。

というのも、バイデン政権は、2020年の選挙公約で連邦学生ローンの一部の返済を免除することを掲げていた。2022年8月、バイデン大統領は、連邦議会が教育省に与えた権限に基づき、連邦学生ローンの債務1万ドルを免除すると宣言した。

「増税」になるようなもの

アメリカには連邦政府を貸し手とする連邦学生ローンの借り手が4500万人おり、その総額は1.6兆ドル(230兆円)だ(2022年8月時点)。これらの借り手のうち、返済義務のない連邦奨学金(ペルグラントと言う)を受給している者については2万ドルを、非ペルグラント受給者については年収12万5000ドル未満であれば1万ドルまでの返済を免除するというのが、バイデン政権の打ち出した政策であった。

ただし、これはバイデン政権が打ち出した当初から、かなり法的な疑問があった。バイデン大統領のいう「連邦議会が教育省に与えた権限」とは、2003年学生高等教育支援法(The Higher Education Relief Opportunities for Students Act of 2003;HEROES法)で、バイデン政権ではその権限により返済期限の延期も債務免除できると考えていた。

民主党のナンシー・ペロシ下院議長ですら 2021年7月、「一般的に、米国の大統領が債務免除の権限を持っていると考えられているが、そうではない。(債務返済を)延期することはできるが、免除する権限はない。議会の決定が必要」と述べていた

実際、バイデン大統領と前任の共和党トランプ氏はともにHEROES法により、コロナ下での学生ローン借り手の経済的負担を軽減するため、学生ローンの債務返済を延期した。

しかし、バイデン政権は、HEROES法を拡大解釈し、債務免除を公約にし、それを実施した。そこで、法律問題が発生し、今回の米連邦最高裁の判断に至ったわけだ。2020年のバイデン政権発足直後は、上院も下院も民主党優勢だったのであるから、もう少し丁寧に議会運営すべきだったし、もっと早く公約を実現すべきだった。

6月30日の米連邦最高裁判断に対するホワイト政府の声明は情けない。「裁判所の決定は間違っている」といい、別のアプローチの救済策を打ち出したようだ。

しかし、そうした救済策(最高裁が認めなかった法律とは別の法律を根拠とした救済措置)もうまく行くという保証はない。というか、最高裁判断の抜け穴とみられ、否定される可能性も少なくない。その場合、上述の通り停止命令が出された昨年11月までに2600万人超が申請した4300億ドル(約62兆円)の債務帳消しがパーになると、米国経済への悪影響もある。

最大62兆円のバラマキをしたのに、それが一転「増税」となるようなものだ。

景気が下ぶれする

しかも、バイデン政権では、今年6月、共和党との間で交わされた債務上限引き上げ合意の一環として、学生ローン返済の猶予を9月末をもって終了させる法案に署名している。

そのため、連邦政府の学生ローンは9月1日から再び利息が発生し、借り手は10月から返済を再開する必要がある。それに追い打ちするように、債務返済を免除されていたはずなのに、返済も必要となれば、米国経済に悪影響があるだろう。

米国経済は、バイデン政権の200兆円にも達するコロナ対策で、コロナ収束後、景気過熱でインフレ率が高くなった。FRBが必死もインフレを抑え込んだが、今度は「債務返済」という逆対策で景気が下振れするかもしれない。

これまで、米国の金融引き締めで、円安を進んでいたが、バイデン政権の対策によっては、円安の潮目が変わる可能性がある。


参考文献・参考資料

バイデン政権が「手続きミス」で自滅…62兆円が「実質増税」で米国経済がピンチに (msn.com)

ポリティカル・コレクトネス - Wikipedia

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