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政治講座ⅴ1623「民兵に変身する可能性のある中国人留学生」

中国の法律『国防動員法』をご存じであろうか。
中国人留学生をも本国の指令で民兵に変身することを強要する法律である。故郷にいる家族が人質となる。故に本国の指令に逆らうことができないのである。中国の歴史を俯瞰すると兵士の裏切りや反乱を防ぐために家族を都市に住まわせて監視し、人質にしているように描かれる。現代に中国社会も同様である。中国人留学生を米国が「門前払い」との記事を見つけたが、そのような事情であると理解した。今回はそのような記事を紹介する。そして、イギリスで起きた中国人留学生の国旗を振りかざしてDr.Kへの品位・品格のない狼藉をみたら、現実問題として、「国防動員法」の片鱗を見たようであり、恐ろしさを感じないわけにはいかない。

     皇紀2684年2月5日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

まず、はじめに、『国防動員法』を解説する。


中華人民共和国の法律である。
そして、それは、2010年2月26日に開かれた中華人民共和国第十一届全国人民代表大会常務委員会第十三次会議で決定、2010年7月1日から施行された。

1994年の委員会設置から国防動員法の成立までの間に、新たな国防基本法となる国防法(1997)が施行され、同年人民防空法も施行、1998年には兵役法が改正され、2000年に現役将校法を修正した。また、2001年には国防教育法が新たに成立、2003年には中国人民解放軍政治工作条例を修正し他国への世論戦などを規定した。

2008年には行政部局を統廃合し国家国防科技工業局を設立し宇宙航空部門と国有企業の監督を集約させた。
2009年は中国の特許法となる専利法を改正し、有事の際には登録された特許の無承諾での徴用が可能となっている。これらの法令群の一斉改正の言わば集大成として、国防動員法が制定された。なお、法案提出機関でもある国防動員委員会が、同法によって権限を規定され、具体的な動員令の実務調整に当たる。

同法は主に以下の内容を含んでいる。

  • 中国国内で有事が発生した際に、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される

  • 国防義務の対象者は、18歳から60歳の男性と18歳から55歳の女性

  • 国務院、中央軍事委員会が動員工作を指導する

  • 個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される

  • 有事の際は、交通、金融、マスコミ、医療機関は必要に応じて政府や軍が管理する。また、中国国内に進出している外資系企業もその対象となる

  • 国防の義務を履行せず、また拒否する者は、罰金または、刑事責任に問われることもある

この様な事から日本に留学した学生にも中国の国防義務が発生して、その指令に従わなければならなくなる。内乱を引き起こす指令が来たら従わなければならない。留学生が危険な民兵に変身するのである。今回はそのような問題提起をする。

中国人留学生を米が「門前払い」? 空港別室で尋問、中国側が問題視

朝日新聞社 によるストーリー • 

北京の在中国米国大使館の前には連日、ビザ申請のための長蛇の列ができる。米中対立が深まる中でも、米国への渡航熱はなお高い=2024年2月2日、斎藤徳彦撮影© 朝日新聞社

 中国人の留学生が米国への入国手続きをしようとする際に、担当官から拒絶され、入国できない例が増えているとして、中国政府が批判を強めている。「門前払い」は特に首都ワシントンで目立つといい、中国側は留学を増やすとした昨秋の首脳会談の合意にも反していると問題視している。

 「毎月、留学生など数十人の中国人が米国側に入国を拒否されている」

 1月28日、中国の謝鋒・駐米大使が米中の留学交流45周年を祝うイベントの式辞でこう発言した。友好行事では異例の言及だった。謝氏は、旅行や一時帰国から米国へ戻ろうとした留学生が長時間、別室で尋問されたあげく、証拠もなく送り返されるといったケースが出ていると主張した。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は1月31日の会見で、ワシントンのダレス空港だけで留学生が米国からいわれなく帰国させられる例が昨年11月末以降、少なくとも8件に上ると指摘。「米国は国家安全の概念を乱用し、中国人留学生を迫害している」と批判した。

 中国のネットでも、「中国政府との関係を係員に詳しく聞かれた」「飛行機に乗っていた留学生全員が別室に連れて行かれた」といった経験が続々と紹介されている。出国前の留学ビザの取得も難しくなっているとの分析もある。

米、中国の「海外派出所」を初摘発 逮捕の2人、捜査妨害や嫌がらせも

2023/4/18 09:55

大内 清

【ワシントン=大内清】米司法省は17日、中国警察が米国内に違法に設置した「海外派出所」の開設・運営に関与したなどとして、東部ニューヨーク州に住む中国系米国人の男2人を逮捕したと発表した。米メディアによると、中国の海外派出所が刑事事件として摘発されたのは世界初。中国当局は反体制派弾圧や諜報活動の拠点として海外派出所を世界で100カ所以上設置しているとみられており、各国でも海外派出所の摘発や実態解明が進む可能性がある。

司法省は同日、交流サイト(SNS)で米国在住の民主活動家らへの嫌がらせや恫喝(どうかつ)を繰り返したなどとして、中国の公安省や国家インターネット情報弁公室の職員ら計44人を訴追したことも明らかにした。44人は中国国内やアジア各地に潜伏しているとみられる。

オルセン司法次官補(国家安全保障担当)は声明で、中国による米国内での反体制派弾圧は「国民国家の振る舞いとして許容範囲を大きく逸脱している」と非難。「強権主義の脅威から米国内に住む者の自由を守る」と強調した。

司法省の発表によると、逮捕されたのはルー・ジャンワン容疑者(61)とチェン・ジンピン容疑者(59)。2人は中国公安省が2022年初めにニューヨーク州マンハッタンの中国人街にあるオフィスビルに米国で最初の海外派出所を設置するのを手助けした。派出所はその後、連邦捜査局(FBI)の捜査対象となり、同年秋に閉鎖されたが、2人はその際に公安省当局者らとの通信記録を消去するなどして捜査を妨害した疑いがある。

ルー容疑者は公安省と長年にわたる接点があり、中国政府に批判的な在米中国人に帰国するよう圧力をかけたり、西部カリフォルニア州に住む民主活動家の居場所特定を手伝ったりした疑いもあるという。また訴追された公安省職員らはSNS上で偽のアカウントを多数運用し、監視対象の在米中国人らに悪質なメッセージを送りつける嫌がらせをしたり、中国政府のプロパガンダ(政治宣伝)を拡散させたりしていた。

中国人旅行客が英国の街角ピアニストに「撮影やめるよう」要求、動画に反響

クライム・事故 / By Mashup Reporter 編集部 / 2024-01-23

ロンドンで、中国人の旅行客のグループが、ストリートピアノの演奏をライブ配信していた男性に、撮影をやめるよう求めた。この様子を収録した動画がYouTubeに投稿され、反響を呼んでいる。

問題が起きたのは19日、街角ピアニストのユーチューバー「Dr K」ことブレンダン・カバノー(Brendan Kavanagh)氏がセント・パンクラス駅で、連弾をしていたところ、背後にいた女性が、中国のテレビ局で働いていると自らを紹介した上で、「われわれは映ってますか?」と質問した。

カバノー氏は、わからないとしつつ「だめなのですか?」と聞き返すと、女性は「中国のために働いています。(映像を)公開するのは許可されません」と回答。「中国とのトラブルに発展する?なぜ?」と質問を重ねるカバノー氏に、もう1人の男性が「声やイメージを撮影してほしくない」「画像はオンラインにシェアできない。個人には肖像権があり、それらは保護されている(中国で)ネットに投稿するには、合意がなければならない」などと主張ビデオを公開した場合「法的措置を検討する」と詰め寄った

カバノー氏は「理解できない」と呟き、「ここは自由の国だ。共産主義の中国じゃないのは、わかってるだろ」「撮影したいものを撮影する」と反論すると、別の女性が「私は英国人だ。私にも肖像権がある」と割って入った。「ここは英国だ。中国じゃない。中国の旗を持っているじゃないか」と反論するカバノー氏に、男性が「彼女に触るな」と声を荒げるなど、口論に発展した。

そうするうちに警官2人が現れ、中国人グループの言い分を聞いた後、カバノー氏らに撮影を停止するよう求めた。

女性警官は「彼らは国のために働いており、顔をさらすことはできない」と説明。これに、カバノー氏は「ここは英国で、公共のスペースだ、自由の国だ」「あなたは、彼らの護衛じゃない」と反発した。人種差別的な発言があったことを指摘されると、「ばかげてる。中国の旗を持っていると言っただけだ」と主張した。

カバノー氏は、このやり取りを記録した動画をYouTubeに投稿。現在、400万回以上再生されている。

コメント欄には「こんな馬鹿げたことを主張する人がいるのは嘆かわしい。強い立場を示してくれてありがとう
われわれの権利を主張してくれて感謝する
彼らはYouTubeで有名になった。言論の自由に関するこのビデオほど素晴らしいものはない」とカバノー氏を支持する声が多数投稿されている。
日本や台湾、米国、カナダ、ドイツのユーザーからも応援のメッセージが届いた。警察の対応を疑問視する意見も散見される。

ニューズコープ傘下のTalkTVは、今回の騒動について「親中派の活動家にピアニストがハラスメントされた」と報じた。番組に出演したカバノー氏は「ロンドンにいるのに、中国人がよってたかって私にそれはできないと言ってくるのに驚かされた。いい加減にしてくれと思った」と振り返った。

Business Insiderには、彼らを当初、日本人クルーと間違えたため、気分を害した可能性があると語っている。カバノー氏が「典型的なストライサンド効果の例」と指摘する通り、動画は中国人グループの意図に反して、Xなどプラットフォームをまたいで拡散されている。

ストライサンド効果とは

 ある公開された情報を秘匿・除去しようと試みる行為が、かえってその情報を広い範囲に拡散させてしまう結果をもたらす現象の名前であり、インターネット・ミームの一種である。

この名称は20世紀から21世紀に活躍したアメリカ合衆国の歌手・女優でエンターテイメント界の大物、バーブラ・ストライサンドにちなんで命名された。2003年、バーブラは自分の邸宅が写っていたネット上の画像の公開を差し止めようとして裁判を起こしたが、図らずも却って世間の関心を集める結果になってしまった

情報の秘匿に際しては法的措置であるCease and Desist(英語版)などの措置が利用される場合があるが、仮に元の情報の秘匿や公開差し止めの実現に成功した場合でも、却ってその情報に対するネット上やメディアの関心が高まり、インターネット上でオンライン・アーカイブが配布されるなどして、情報が際限なく拡散することになる
また出版物などについて差し止め請求を行使するなどすると、その出版物への注目がかえって高まる可能性もある。

この効果は心理的リアクタンスの一例であると見做されており、人間は何らかの情報が秘匿されていることに気付くと、その情報を入手して広めようとする意欲が大幅に高まると言われている。


参考文献・参考資料

中国人留学生を米が「門前払い」? 空港別室で尋問、中国側が問題視 (msn.com)

国防動員法 - Wikipedia

中国警察の海外拠点、日本に2か所か…外務省が「断じて容認できない」と申し入れ : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

米、中国の「海外派出所」を初摘発 逮捕の2人、捜査妨害や嫌がらせも - 産経ニュース (sankei.com)

米ニューヨークで中国「秘密の警察出先機関」運営の疑い FBIが2人逮捕 - BBCニュース

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