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やさしい物理講座ⅴ75「宇宙空間は完全な真空なのであろうか?ダークマターの正体(謎の物質)と『光のエネルギー減衰理論』」

 遠くの星から地球に届く光(電磁波)は、何にも邪魔されずに宇宙空間を伝播してくるのであろうか。
 いま、宇宙空間での物理現象において、謎の物質(ダークマター)の存在が研究者の間ではテーマとなっている。
 吾輩も大変興味を持っているのである。
光は空間を波(電磁波)として伝わり、物質によって放出・吸収されるときは粒子として振る舞うが知られている。
 光が伝播する空間の物質を通過するときにエネルギーをその物質により減衰させられるならばその後の電磁波の振動数も減衰して波長という観測できる状態では赤方偏移する可能性が十分あり得るのである。
 もしそうならば赤方偏移で遠くの銀河が遠ざかっているとの結論は間違えていることになる。遠い銀河ほど光のエネルギー減衰により結果的に赤方偏移することは明らかに理にかなっている。ビックバン理論を盲信しているのは、「天動説と地動説」における天動説論者のようなものである。今の「ビックバン理論」は「現代版天動説」に他ならないと吾輩は考える。「地球の周りを太陽や銀河が回っている」というのは常識的に考えればあり得ないことが分る。宇宙空間が膨張しているから星(銀河)が遠ざかっているということは、眉唾であることが分る。これを高名な物理学者が盲信している事には驚きを禁じ得ない。

赤方偏移の観測結果を銀河の後退速度と距離と錯誤している

面白い珍しい光の現象の事例

近接場光・・・近接場光とは、ナノサイズの微小な球や微小な穴に光が入射したとき、その表面の近辺、球や穴の半径程度の距離に発生する、空間を伝わらない光のことを指す。空間を伝わらないため、離れたところから観察することはできない。近接場光は、波長より小さい粒子が光を散乱するときに粒子の周りに幕のように附随する光のことである。
このように、空間を伝わらない光は我々に色々な姿を見せてくれる。

太陽光の反射した光を変更サングラスで観測したときの現象

この様に光は色々な姿を我々に可視光で見せてくれる。
翻って、遠い銀河から来る光を赤方偏移の観測結果をドップラー効果の結果であると短絡的に判断するのはいかがであろうか。
1905年にアインシュタインは振動数vの光(電磁波)はエネルギー E=hvを持つ粒子(光子)の流れだと光電効果を説明した。光子が電子と衝突するときに、光子はそのエネルギーの全部を一度に電子に与えて吸収されると考えた。
 今回、吾輩が主張する「光エネルギー減衰理論」は光エネルギーの一部がダークマターに吸収され、振動数vの光(電磁波)はエネルギーを一部消失して振動数が減少して、光の分光を観測すると赤方偏移するという結果をもたらしたと考える。その物質(ダークマター)の候補としてアクシオンを想定している。

     皇紀2684年6月6日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

「ナゾの物質」ダークマターの正体がついに明らかに…?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説!

高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 によるストーリー

138億年前、点にも満たない極小のエネルギーの塊からこの宇宙は誕生した。そこから物質、地球、生命が生まれ、私たちの存在に至る。しかし、ふと冷静になって考えると、誰も見たことがない「宇宙の起源」をどのように解明するというのか、という疑問がわかないだろうか?

本連載では、第一線の研究者たちが基礎から最先端までを徹底的に解説した『宇宙と物質の起源』より、宇宙の大いなる謎解きにご案内しよう。

*本記事は、高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所・編『宇宙と物質の起源「見えない世界」を理解する』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。

どうやってダークマターを見つけるのか

先の記事で、理論的に予言されるダークマターの有力候補について、ちょっとだけご紹介しました。本記事では、それぞれについて詳しく説明してみたいと思います。

最も有力な候補と目されているのは、WIMPと呼ばれる未発見の素粒子です。「弱い相互作用をする重い粒子」という意味の英語の頭文字を取って、そうした性質をもつ粒子の総称として名付けられました。重さは、陽子の100倍(約100GeV)程度以上です。他の粒子との相互作用が弱すぎて散乱の頻度が低くて見つけられない粒子なのです。英語の単語wimp自体が弱虫という意味なので、名は体を表していますね。具体的な粒子としては、まだ仮説である超対称性理論に現れる光子、もしくは、Z粒子かヒッグス粒子の相棒の総称であるニュートラリーノが、WIMPの候補として注目されています。

photo by iStock© 現代ビジネス

ニュートラリーノの見つけ方は単純です。キセノン原子などの重い原子核を数トンも用意して、ニュートラリーノがぶつかってくるのを待つ方法が、最も有力とされています。キセノン原子の中の陽子や中性子との相互作用は弱いのですが、大量にキセノンを用意すれば、確率が上がって、直接検出できるという考え方です。しかし、これまでにニュートラリーノが確実に発見された、とする報告はありません。また、高エネルギー加速器研究機構(KEK)も参加するスイス・ジュネーブにある欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)での加速器実験でニュートラリーノがつくられると期待されていたのですが、見つかりませんでした。

その一方、宇宙観測を用いるアイデアもあります。銀河の中心など、ダークマターの密度が濃いところで、ダークマター同士がお互いに衝突して対消滅することが期待されています。対消滅した後、ニュートラリーノならば、光や電子、クォークなど見える粒子を対生成によりつくることが理論的に予想されています。そうした2次的につくられた見える粒子を検出し、間接的にWIMPを検出するのです。現在の理解では、質量が約100GeVよりずっと重いせいで、数も少なく衝突頻度が低いのではないかという解釈がなされています。今後、ターゲットの原子の量を多くする、もしくは、検出器の感度を高めるなど装置の改良を重ねて、将来的に検出されることが期待されています。

「光の親戚」アクシオン

次の候補はアクシオンという、これまた光の親戚のような新粒子です。

もともとは、前述されたグルーオンとクォークの間の強い相互作用において、実験データと合うようにCP対称性の保存則を保つべし、という理論的要求から、その存在が予言された粒子です。アクシオンがなければ、CP非保存となってしまい、実験と矛盾します。アクシオンは強い磁石がつくる磁場の下で光子に変身するという性質をもちます。この性質を用いて、地球の周りに大量に存在しているアクシオンや、太陽の中の散乱で新しくつくられて地球に向かって飛んできているアクシオンが、磁場の下で光子に変換される様子を観測しています。アクシオンは、典型的に約1μeVの質量をもつと期待されています。μはmicro(マイクロ)で100万分の1を表します。しかし、依然として未発見で、現在の検出器の感度では足りないのではないかと解釈されています。


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もしくは、前述の強い相互作用におけるCP非保存と無関係なアクシオンに似た粒子、アクシオン・ライク・パーティクル(ALP)がダークマターになっている可能性すら、活発に検討され始めています。ALPの場合は、これまでの実験では見つからないため、新しい地上もしくは宇宙での実験が数々提案されてきています。KEKのBelle II 実験では、電子と陽電子を衝突させて、数十GeVの質量をもつALPをはじめとする、典型的なWIMPより軽いダークマター候補の痕跡を探る解析も並行して行われています。

KEKも参加する日本の大型低温重力波望遠鏡KAGRA実験では、アメリカのLIGOとイタリアのVirgoという重力波検出器との共同で、重力波のデータを解析しています。KAGRA等に取り付けた検出器内のレーザーの偏光について、ALPの存在によりその偏光面が回転してしまうという性質があります。この性質を用いてALPを検出できる可能性があります。

原始ブラックホール

3つ目の候補は、筆者の推しダークマターである原始ブラックホールです。通常のブラックホールが重い恒星の最期につぶれてつくられる天体であるのと異なり、原始ブラックホールは宇宙初期に密度ゆらぎが極めて大きな部分がつぶれることで生成されます。見える物質からつくられたのではなく、火の玉の放射がつぶれてつくられたブラックホールなのです。通常のブラックホールの重さは、およそ太陽質量以上、つまり約100京トンの10億倍以上です。それに対し、原始ブラックホールがダークマターになる場合の重さは、約1000億トンから約10京トンの間と予想されています。つまり、太陽質量より桁違いに軽いのです。

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これは筆者の研究で示したことなのですが、もし原始ブラックホールが約1000億トンより軽い場合、ホーキング輻射として知られているように、ガンマ線の熱輻射を出して蒸発してしまい、現在のガンマ線の観測で蒸発する様子が見えるはずです。しかし、これまでの観測からそうした現象は見られないので、原始ブラックホールがダークマターになっているなら、もっと重くないといけないということになります。

その一方、重さが約10京トンより重い場合というのは、すばる望遠鏡の観測により否定されてしまいます。すばる望遠鏡でアンドロメダ銀河の恒星をずっと観測していると、その恒星の前を原始ブラックホールが通り過ぎる場合があります。そのとき、原始ブラックホールによる重力レンズ効果で、恒星の明るさが増光することが期待されていました。しかし、実際は観測されなかったことから、重さ約10京トン以上の原始ブラックホールを完全に否定してしまいました。

将来、ガンマ線観測の感度が上がれば、残っている質量領域である、約1000億トンより重く、約10京トンより軽い原始ブラックホールが、ゆっくりと蒸発する様子が観測されるかもしれません。また、原始ブラックホールをつくる密度ゆらぎは、同時に非線形重力波をつくることが知られています。将来の感度の高い、レーザー干渉計宇宙アンテナLISAや0.1ヘルツ帯干渉計型重力波天文台DECIGOなど人工衛星での重力波観測で、その非線形重力波を観測できれば、原始ブラックホールのダークマター説が検証される可能性があります。

右巻きニュートリノ

4つ目の候補は、未発見の右巻きニュートリノです。

その質量についての条件として、すでに検出されている左巻きニュートリノの質量の30倍程度あれば、質量だけなら、ダークマターに十分足りるのです。しかし、その程度だと軽すぎて光のように飛び回るせいで、銀河をダークマターとしてつなぎ止められません。つまり、「冷たいダークマター」とはなりません。

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要求される条件は、左巻きニュートリノの数万倍以上の重さ、つまり、数千eVの質量をもつ必要があります。重い右巻きニュートリノは、X線光子を出して崩壊することが理論的に予言されています。その光子を検出できれば、右巻きニュートリノがダークマターであると確定する可能性があります。また、大強度陽子加速器施設J‐PARCでのニュートリノ振動実験T2Kなどでは、ニュートリノが右巻きニュートリノに崩壊もしくは振動する痕跡も探っています。

KEKが参加するLiteBIRD衛星実験では、将来得られる詳細な宇宙マイクロ波背景放射の偏光のデータから、右巻きニュートリノダークマターを検出する可能性があります。

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参考文献・参考資料

「ナゾの物質」ダークマターの正体がついに明らかに…?「最有力候補」を科学的検証とともに一挙解説! (msn.com)

原康夫著 『量子力学』岩波書店 1994.6.6 第1刷発行

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