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やさしい物理講座ⅴ96「『謎のノイズを宇宙空間が引き延ばされた痕跡だった』とミスリードされた宇宙マイクロ背景放射の本当の原因」

どうも短絡的な理論であると言わざるを得ない。
「電磁波の波長が、宇宙の膨張とともに、数千倍に引き伸ばされたという結果」との主張の理論。
 空間が引き延ばされる明快な原理は吾輩には理解できない。固体や液体や気体の物質間の膨張は熱による分子運動により個々の分子間の隙間を開けることで膨張現象として現れる。しかし、宇宙を膨張させるエネルギーは何に依拠するのか解決されていない。
 「天動説と地動説」と同じような間違いを犯している。
 どのような力が働いて天体が地球の周りを回るのか。
全天体を回すエネルギーは何に依拠するかと考えれば天動説に根拠がないことが分ることである。そしてビックバン理論のそのエネルギーは何に依拠するのか。近年、そのエネルギーについて説明できないためにダークエネルギーを使いだしている。全宇宙が地球の周りをまわる天動説みたいなビックバン理論は明らかに根拠のないフィクションに等しい。
そして本題に「宇宙マイクロ波背景放射」に関しても、そのようなビックバン理論の証拠ではなく、別な物理現象から生まれた宇宙現象であると考える。それは、再三主張している「光のエネルギー減衰理論」の通りである。
遠くの銀河などから届く光が赤方偏移しているという観測結果からドップラ効果が原因と理由を付けて銀河・星が遠ざかっていると結論付け、時間を遡ると一点に集約される。
そこから膨張して現在に至るとするのがビックバン理論である。
「光のエネルギー減衰理論」では遠い宇宙を旅する光(電磁波)は、宇宙空間の希薄な素粒子のコールドダークマターのアクシオン(axion)にエネルギーを奪われて光(電磁波)の振動数全域が微減少して波長として赤方偏移を起こすと考えられる。
微減少したエネルギーの残りものがこの「宇宙マイクロ波背景放射」である。
この理論の方がリーズナブルであり、「天動説と地動説」の地動説と同じようなリーズナブルさを持つ。天動説のようなビックバン理論には眉唾が付きまとうのである。
今回は宇宙マイクロ波背景放射に関する報道記事を紹介する。

     皇紀2684年7月6日
     さいたま市桜区
     理論物理研究者 田村 司

実は、多くの天文学者が当初認めなかった「ビッグバン理論」。その痕跡「宇宙マイクロ波背景放射」は偶然発見されたものだった!

浅田 秀樹(弘前大学 理工学研究科 宇宙物理学研究センター センター長・教授) によるストーリー

多くの天文学者が認めなかった「ビッグバン理論」

1948年、理論物理学者のジョージ・ガモフは「かつての宇宙が高温・高密度だった痕跡として、宇宙全体が電磁波放射で満たされてるはずだ」という理論予測を発表しました。そして、「その電磁波放射は絶対温度で5ケルビン(K)の黒体放射である」と予言しました。

ジョージ・ガモフ(AIP Emilio Segrè Visual Archives, Physics Today Collection)© 現代ビジネス

ここで見慣れない言葉が出てきたので解説します。

まず、「黒体放射」とは、理想的な物質から熱的に放射される電磁波という意味です。たとえば、溶鉱炉でどろどろに溶けた鉄は高温で赤く光っています。これは、物質組成に応じて、特定の波長の電磁波を選択的に放射しているからです。そのような選択的な電磁波放射がないような物体を理想的な物体とよび、そこからの放射を「黒体放射」といいます。

次に、温度表記について説明しておきます。日本での日常生活で用いられる温度の名称は、セルシウス温度です。いわゆる摂氏です。毎年、夏になると「猛暑日」という言葉がニュース記事に登場します。この猛暑日は、その日の最高気温が摂氏35度以上の場合をさします。1気圧下で水の凝固点を摂氏0度と定義し、水の沸点を摂氏100度と定義するものです。

この定義から明らかなように、セルシウス温度は我々が日常生活で用いる場合に便利です。

一方、温度の物理的な意味は、構成する物質内部における分子の熱的な運動の強さです。温度が高いほど、分子の熱的な運動が激しくなり、温度が下がれば、その運動がおとなしくなるのです。

このことを考慮して、熱力学を用いて温度を定義したものが、「熱力学温度」です。これは、しばしば「絶対温度」とよばれることがあります。

しかし、アインシュタインもかつてそうであったように、天文学者の多くには不変な宇宙像の呪縛があったため、このガモフの理論はなかなか受け入れられず、それを揶揄(やゆ)して、英語で「大きなバン(という音)」の意味を込めて、「ビッグバン理論」(Big Bang Theory)とよんだのです。

絶対温度5ケルビンの黒体放射とは

セルシウス温度における1度の変化は、絶対温度でも1度の変化に対応します。それでは、セルシウス温度と絶対温度の違いは何でしょうか。それは、ゼロ点の定義の違いです。

セルシウス温度では、水の凝固点で0度を定義しました。一方の絶対温度では、物質の完全なる凍結をもって0度を定義します。大まかに言えば、分子の運動が完全に停止する温度として定義するのです。

この絶対温度での0度は、摂氏マイナス273度です。先ほどのガモフが予言した「絶対温度5ケルビン」とは、セルシウス温度に直すと、「5-273=-268」ですから、摂氏マイナス268度という極低温です。

この温度は非常に低く、絶対温度5ケルビンの黒体放射のエネルギーのほとんどは、マイクロ波の電磁波として存在します。マイクロ波は電波の一種ですが、波長が1ミリメートルから1メートルのあいだの電磁波のことです。

ビッグバンの痕跡「宇宙マイクロ波背景放射」

天文学においては、目に見える天体が主要な対象です。日常気がつかないような宇宙全体の電磁波放射は「背景」とよばれます。

たとえば、富士山を眺めたとき、周りの風景は背景ですよね。これに似て、ガモフが予言した5ケルビンで宇宙全体を満たす電磁波放射のことを「宇宙マイクロ波背景放射」(Cosmic Microwave Background Radiation 、略してCMBR)とよびます。

gettyimages© 現代ビジネス

さきほどの黒体放射の説明で、溶鉱炉で溶けた液体状の鉄のたとえを出しましたが、その鉄の温度が違えば、放出される電磁波の強度がいちばん大きくなる波長も異なります。

ようするに、この宇宙マイクロ波背景放射は、かつて高温だった宇宙の痕跡であり、ビッグバン理論を証明するものなのです。

宇宙マイクロ波背景放射、偶然、発見さる!

1964年、宇宙マイクロ波背景放射が観測で発見されました。これにより、皮肉にも、ビッグバン理論のほうが正しいことが証明されたのです。


WMAPによって観測された「宇宙マイクロ波背景放射」(NASA / WMAP Science Team/2012)© 現代ビジネス

時間を少し遡ります。前述のように、天文学者の多くはビッグバン理論を信用しませんでした。しかし、物理学者のなかに、その理論の証拠を捜す人たちが現れたのです。その代表格が、ロバート・ディッケです。

彼らは、ガモフの予言である絶対温度5ケルビンの宇宙マイクロ波背景放射を検出するための実験装置を開発して、初検出に挑みました。摂氏マイナス268度という極低温の物体から放出される電磁波と同じものですから、微弱なシグナルです。そのため使用する検出器のノイズ除去は困難を極め、残念ながら、彼らの試みは失敗してしまいます。

そんなとき、突然、宇宙マイクロ波背景放射が発見されました。驚くべきことに、発見した人物は、物理学者でも天文学者でもありませんでした。それは、ベル研究所の技術者たちでした。

謎のノイズは宇宙空間が引き延ばされた痕跡だった

1964年、新型アンテナの試験中にアーノ・ペンジアスとロバート・ウィルソンが宇宙から等方にやってくる電波雑音に気づきました。宇宙マイクロ波背景放射のシグナル(信号)のことなど知らない彼らにとって、当初、それはノイズ(雑音)に過ぎませんでした。

考え得るすべてのノイズの原因を除去しても、そのノイズが残ります。彼らは最終的に、それが宇宙マイクロ波背景放射の証拠であることを示しました。

米国・ベル研究所にある15メートルホーンアンテナ。これにより宇宙マイクロ波背景放射が最初に観測された。中央に立つ人物がペンジアス氏とウィリアム(NASA)© 現代ビジネス

ただし、実際には、5ケルビンではなく、3ケルビンの宇宙マイクロ波背景放射として発見されました。

ここで、宇宙マイクロ波背景放射が絶対温度で3ケルビンということは、かつての宇宙が絶対温度で3ケルビンの低温の世界だったという意味ではありません。

かつての宇宙の物質の温度が摂氏数千度だったころに生じた電磁波の波長が、宇宙の膨張とともに、数千倍に引き伸ばされた結果、現在の宇宙では、絶対温度で3ケルビンの黒体放射の波長ごとの強度分布の様子(スペクトルとよびます)と等価になっているという意味です。

この大発見に対して、彼らは1978年にノーベル物理学賞を受賞しました。「ノイズの発見」がノーベル賞に値したのです。そのノイズは、宇宙論にとって貴重なシグナルだったのですから。

黒体放射の解説

1896年にヴィルヘルム・ヴィーンが黒体放射におけるエネルギー分布に関するヴィーンの放射法則を提案した。この式はそれ以前の実験で得られていた高振動数領域では測定値をよく説明したが、新たに得られた低振動数の領域では合わなかった
1900年にプランクが低振動数領域でも測定値と一致するようにヴィーンの理論式を修正する形でプランクの法則を提案した。
プランクの理論式は、高振動数の領域ではヴィーンの理論式に移行する。レイリー卿は古典的なエネルギー等分配則から低振動数極限における近似式の形を提案し、1905年にジェームズ・ジーンズがその係数を正しく与えた。レイリー・ジーンズの法則と呼ばれるこの式は、プランクの理論式から導かれる低振動数極限の形と係数を含めて一致した。

プランクは彼の公式の理論的な説明を与える過程で、振動数 ν の光のエネルギーの受け渡しは大きさ hν を単位としてのみ起こり得る、という仮定をした。この h が後にプランク定数と呼ばれるようになった普遍定数である。実験結果と彼の理論式を比較してプランクは、h = 6.55×10−34 J sと定めた。

アクシオン(: Axion)の解説


あるいはアキシオンとは、素粒子物理学において、標準模型の未解決問題のひとつである強いCP問題を解決する仮説上で、その存在が期待されている未発見の素粒子である。冷たい暗黒物質の候補の一つでもある。

標準模型にはCP対称性を破る位相パラメーターが2つ存在する。1つはCKM行列の位相であり、もうひとつは量子色力学の位相である。CKM行列の位相はベル実験を始めとするB中間子崩壊の精密測定によって測られており、CKM行列はCP対称性を大きく破っていることが知られている。一方、量子色力学におけるCP対称性の破れは中性子の電気双極子などを通して観測できるが、量子色力学では極めて高い精度でCP対称性が成立していることが分かってきた。この両者の違いは標準模型の破綻を必ずしも意味しないが、何らかの説明を必要とする不自然なものであると考えられた。この問題は強いCP問題と呼ばれている。

アクシオンは強いCP問題の解決策の1つとして提唱された未発見の粒子である。アクシオンはペッチェイ・クイン対称性(英語版)の自発的対称性の破れに伴って出現する(擬)南部・ゴールドストーン粒子である。ペッチェイ・クイン対称性は量子色力学に対してアノマリーを持ち、この性質によりアクシオンは量子色力学の位相を動的に吸収することが可能となっている。

想定されるアクシオンの性質

様々な実験や観測を考慮した結果、アクシオンの質量電子の約1億分の1以下という非常に微小なものだと考えられている。1億分の1というのはあくまで以下というものであって、具体的な数値はわかっていないが、電子の10億分の1程度だと考えられている。 また、光子と非常に弱いながらもお互いに反応するため光子との反応を使った探索方法が有力なものの一つとなっている。
特に、磁場とアクシオンの反応によって光子を作る逆プリマコフ変換を利用した実験は数多くある

観測実験

様々な理論により観測が試みられている。
代表的な検出原理

  1. プリマコフ効果でアクシオンを光子に転換

  2. 光子を検出

    • X線領域 : 太陽アクシオン - 半導体検出器による検出

    • マイクロ波領域 : 暗黒物質アクシオン - CARRACK , ADMX

アクシオン強い磁場の中で光に変わると予測されており、この性質を利用した検出が世界各国で試みられている。たとえば東京大学のグループは、太陽から飛来するアクシオンに強磁場を印加してX線に変換し検出する試みを行っている。暗黒物質の候補にもあげられているため、京都グループはリドベルグ原子を用いて検出する独自の着想により探索を続けている。アメリカのグループは、超伝導磁石を用いた強磁場の元で暗黒物質のアクシオンが電磁波に変換して検出を試みる最先端にいる。最近では素粒子実験物理学のメッカであるヨーロッパのCERNにおいても、太陽から飛来するアクシオンを大変高い感度で検出を試みる実験が進められている。

観測機器

望遠鏡

太陽中心では原子核や電子と黒体放射光子の相互作用により、平均エネルギー 4 keV のアクシオンが作られている可能性がある。このアクシオンを直接観測するため太陽アクシオン望遠鏡(東京アクシオンヘリオスコープ)が作られ観測が行われている。この望遠鏡は、磁場中でアクシオンをX線に変換することにより観測を試みている。

CARRACK

強磁場中に置かれた共振空胴内で光子に転換したアクシオンをリュードベリ原子に吸収させる。そしてこの原子のみをイオン化しその電子を計数する方式。

観測成果

2019年、京都大学、東北大学の研究グループは、原始惑星系円盤の観測によるアクシオンの探査法とその研究結果について発表した。原始惑星系円盤は同心円状の偏光パターンを持っており、アクシオンが存在すれば偏光パターンに渦巻き状の乱れが生じるとされる。研究グループはすばる望遠鏡の取得した原始惑星系円盤の観測データを用いて分析を試みたが、偏光パターンの乱れは見つからなかった。この研究により、アクシオンと光の相互作用の強さを示す結合定数の上限値を、これまでの研究の10分の1以下に小さく更新することに成功した

CP対称性の破れ(英:CP violation)とは、


物理学、特に素粒子物理学において、CP対称性(英:CP-symmetry、charge conjugation parity symmetry)に従わない事象のことである。 CP対称性の破れは1964年に中性K中間子の崩壊の観測から発見され、ジェイムズ・クローニンとヴァル・フィッチはその功績により1980年にノーベル物理学賞を受賞した。現在も、理論物理及び実験物理で積極的な研究が行なわれている分野の一つとなっている。 現在の宇宙では、物質が反物質よりもはるかに多い。 宇宙の歴史の中でこの非対称性を生成するためにはCP対称性の破れが必要条件であり、サハロフの三条件のひとつとして知られている。

Cは荷電共役変換(charge conjugation transformation: 粒子を反粒子へ反転する)、Pはパリティ変換(parity inversion transformation: 物理系の鏡像を作る)を意味し、CPはこれら二つの演算子の積である。

強い相互作用と電磁相互作用はCP対称性を持っている(CP変換の元で不変である)と考えられている一方で、弱い相互作用に関してはCP対称性を破る現象が知られている。

CP対称性の解説

CP対称性は、1950年代に発見されたパリティ対称性の破れを回復するために提案された。

パリティ対称性とは物理法則が鏡像反転のもとで不変であるという考えを背景とし、化学反応や放射性崩壊のような反応が鏡像反転しても同じ頻度で起きることを示唆している。パリティ対称性は電磁相互作用と強い相互作用については実際に成り立っており、エネルギー保存の法則や運動量保存の法則と同様の基本法則の一つであると信じられていた。しかし1956年に、理論物理学者の李政道と楊振寧は、すでに存在していた実験データを丹念に再検討し、パリティ対称性は弱い相互作用については確認されていないことを示し、いくつかの直接的に検証する実験を提案した。1956年に、呉健雄らのグループは、コバルト60原子核のベータ崩壊を使った実験により、弱い相互作用がパリティ対称性を破ることを示した。

ここで量子力学的体系のパリティ対称性(P対称性)の破れは、もしも別の対称性Sの破れが見つかって、それと組み合わせた対称性PSが破れないように出来れば回復される。

1957年にレフ・ランダウは、パリティと荷電共役(C)を組み合わせた、CP対称性を提唱した。荷電共役とは粒子と反粒子の間の対称性である。CP対称性とは、ある過程をすべての粒子をその反粒子で置き換えさらに鏡像変換すると、元の過程と等価になることを意味する。

しかし、弱い相互作用では、このCP対称性がまだわずかに破れている。

プリマコフ効果の解説

素粒子物理学では、ヘンリー・プリマコフにちなんで名付けられたプリマコフ効果は、原子核と相互作用する高エネルギー光子による中性擬似スカラー中間子の共鳴生成です。中間子が2つの光子に崩壊する逆の過程とみなすことができ、中性中間子の崩壊幅の測定に用いられてきた。(注1)

また、恒星で起こり、アクシオンのような特定の仮想粒子の生成メカニズムである可能性もあります。
より正確には、プリマコフ効果は、非常に強い電磁場の存在下でアクシオンを光子に変換することです。
この効果は、強い磁場の存在下での真空状態の光学特性につながると予測されています。

参考文献・参考資料

実は、多くの天文学者が当初認めなかった「ビッグバン理論」。その痕跡「宇宙マイクロ波背景放射」は偶然発見されたものだった! (msn.com)

やさしい物理講座ⅴ95「光子(素粒子)が質量『0』の理由と質量の定義について」|tsukasa_tamura (note.com)

やさしい物理講座ⅴ73「宇宙は膨張していない。赤方偏移は素粒子『光子』の減衰が正しい」|tsukasa_tamura (note.com)

アクシオン - Wikipedia

コールドダークマター - Wikipedia

プリマコフ効果 - Wikipedia

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