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政治講座ⅴ1786「欺瞞が満載の中露共同声明」

旧ソビエト連邦と中国共産党は毛沢東時代から仲が悪かったのでは? 腹の中では信頼関係はない。お互いを利用する経済活動が目的と両者の姿が映る。米ソの冷戦で漁夫の利を得たのが中国である。そして、GDPが世界第2位まで踊り出た。方やロシアは旧ソ連崩壊と経済破綻で今や韓国よりGDPが下位である。ロシア人に蔑まれた中国人は立場が逆転して、今や中国人はロシア人を蔑んでいると思われる。火の車の中国経済を知ってか知らずか、頼る相手を間違えている。期待外れに終わる。中国はロシアから石油・ガス資源を安く買いたたこうとしている。しかも流通性に乏しい「元」通貨で決済しよとしている。たまたま米国を敵にする同士で首脳会談をしたが、そのうち領土・資源の利害で衝突するであろう。
歴史を俯瞰すると大日本帝国がドイツとイタリアと同盟を結んだのが日本の誤った選択だった。今の中国を見ると日本の歴史と同じ轍を踏んでいるようである。
今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年5月21日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中露首脳会談 蜜月関係が世界の安定脅かす

2024/05/18 05:00

 不毛な侵略戦争を続けて国力を消耗しているロシアが、いかに深く中国に依存しているかを、改めて浮き彫りにした首脳会談だった。

 プーチン露大統領と中国の習近平国家主席が北京で会談し、経済や安全保障など幅広い分野で協力を深めることで合意した。プーチン氏の訪中は昨年10月以来で、今月7日に通算5期目の任期に入ってから初の外国訪問だ。

 会談後に発表された共同声明で、両首脳は中露関係について「歴史上最良の時期を迎えている」と自賛した。中露が「内政への干渉や、経済、テクノロジー、外交を制限しようとするいかなる試みにも抵抗する」とも記した。

 両国の結束を強調することで、ウクライナ侵略や台湾問題で対立する米欧などをけん制したつもりなのだろう。

 共同声明にはまた、中露貿易の拡大や、経済取引での双方の通貨利用など、経済面で関係強化を目指す文言が並んだ。

 ウクライナ侵略後、米欧日は制裁措置として、ロシアの金融機関を国際的な決済ネットワークから排除し、ロシアの石炭や原油の輸入も原則禁止している。

 プーチン氏は今回、エネルギー、金融の担当閣僚や主要企業のトップを多数同行させた。制裁に加わっていない中国との貿易を一層拡大して戦時下でも経済を安定させ、同時に戦費を調達するという狙いがあるのではないか。

 中国の支援がなければ、ロシアは侵略を継続できなくなりつつある実態を示しているようだ。

 一方、習氏も会談で「中露関係の発展は、地域と世界の平和、安定、繁栄に資する」と述べ、両国の関係強化に期待を示した。

 米中対立が深刻化する中、習氏としては、ロシアを支えることで、米国に対抗する立場を強化したいと考えているのだろう。

 中国は、半導体など軍事転用可能な物資をロシアに輸出し、ウクライナでの戦闘継続を手助けしている、との見方は多い。だが、侵略を事実上後押しする振る舞いを続けていれば、国際社会での中国の信用は低下しよう。

 米欧日は中国に対し、ロシアとの関係を見直すことが「責任ある大国」のあるべき姿だと、粘り強く説き続けねばならない。

 中露首脳は「ウクライナ危機の政治的解決」が重要だとの認識でも一致した。侵略を仕掛けた張本人が、撤退もせず、侵略の果実を握ろうという「政治的解決」を主張するとは、虫が良すぎる

中ロ、共同声明で日米非難 安保協力や処理水放出

2024年5月18日 14:30 
【北京=田島如生】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領は16日に署名した共同声明で日本や米国を非難した。米国が主導する対中抑止の安全保障協力や、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を批判した。

習氏は16日、訪中したプーチン氏と北京の人民大会堂で会談した。中ロが2024年に国交樹立75年を迎えたのを踏まえた共同声明をまとめ、経済貿易や人工知能(AI)、エネルギ...

中ロ首脳会談、対米で結束 包括的戦略パートナー深化へ共同声明

By Bernard OrrGuy Faulconbridge

2024年5月17日

[北京 /モスクワ 16日 ロイター] - 中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は16日、北京で会談し、両国への圧力を強める米国を非難し、防衛・軍事関係をさらに深化させる「新時代」を築くことで合意した。

習氏は、中国はロシアの良き隣人、友人、相互信頼のパートナーであり続けると表明。現在の中ロ関係は容易に実現したものではなく、双方が大切にすべきだと述べた。

5期目の大統領就任後、初の外遊となったプーチン氏は、「われわれは国際法に基づく、多極化した現実を反映した、正義と民主的な世界秩序の原則を守っている」と述べ、中ロの協力関係は特定の国に対するものではなく、世界を安定させる要素だとの認識を示した。

両首脳は包括的戦略パートナーシップを深化させる共同声明に署名した。声明は、戦略核のバランスを侵害する米国の取り組み、ロシアと中国を脅かす世界的なミサイル防衛計画、精度の高い非核兵器計画に懸念を示した。中ロの防衛分野での協力が、地域およびグローバルな安全保障の強化に寄与するとした。米欧が凍結したロシア資産から得られる利子をウクライナ支援に活用する動きを念頭に、外国政府による資産押収を非難した。

ウクライナについては、プーチン氏が、危機打開に向けた中国の取り組みに謝意を示した。習氏は、政治的解決が「正しい方向」との認識で一致したと述べた。

中国の習近平国家主席(写真道)は16日、北京でロシアのプーチン大統領(同左)と会談し、現在の中ロ関係は容易に実現したものではなく、双方が大切にすべきだと述べた。5月16日、映像画面を撮影(2024年 Kremlin.ru/Handout via REUTERS)

新華社によると、習氏は、ロシアとウクライナ共同主催による国際平和会議を適切な時期に開催し、全ての選択肢に関する公正な議論を行うことを支持すると述べた。

両首脳はさらに、今回の合意を実行し、両国の関係の発展を正しい方向に導くため、緊密なコミュニケーションを維持する用意があるという見解で一致した。

両首脳は両国の国交樹立75周年を祝う式典に参加する。プーチン氏は17日に東北部のハルビンも訪れる予定。

ロシア側は、ベロウソフ新国防相、ラブロフ外相、財界トップらが同行。ロシア国営天然ガス独占企業ガスプロム(GAZP.MM), opens new tabのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は、イラン指導部との会談のため、同行しなかった。

米国務省のパテル副報道官は、中国が欧州諸国などと良好かつ堅固な関係を築きたい望みながら、欧州の安全保障に対する脅威をあおることはできないとし、ロシアとの関係強化による「一挙両得」は不可能という認識を示した。さらにロシアの防衛産業基盤の再構築に向けた中国の支援は「非常に問題がある」と述べた。

Bernard Orr

トムソン・ロイター

Bernard Orr is a veteran journalist with over 30 years of experience. He reports on breaking news from mainland China, covering political and general news, health, foreign policy and social media. Before joining China's Breaking News hub in Beijing, he was head of the editing desk in Bengaluru, India and a desk editor on the Global News Desk. He previously worked for Dow Jones Newswires.

Guy Faulconbridge

トムソン・ロイター

As Moscow bureau chief, Guy runs coverage of Russia and the Commonwealth of Independent States. Before Moscow, Guy ran Brexit coverage as London bureau chief (2012-2022). On the night of Brexit, his team delivered one of Reuters historic wins - reporting news of Brexit first to the world and the financial markets. Guy graduated from the London School of Economics and started his career as an intern at Bloomberg. He has spent over 14 years covering the former Soviet Union. He speaks fluent Russian.

中露首脳、結束を誇示 米欧主導の対露制裁打破狙う 共同声明で処理水「懸念」も

5/16(木) 21:11
【北京=三塚聖平】ロシアのプーチン大統領は16日、北京を訪問し、中国の習近平国家主席と人民大会堂で会談した。中国国営中央テレビ(電子版)によると、両首脳は「新時代の全面的な戦略的協力パートナー関係の深化」に関する共同声明に署名した。ウクライナ侵略を続けるロシア中国との結束を強化し、国際的孤立と米欧主導の対露制裁打破を狙う。 習氏は会談で「中国はロシアと互いに信頼できる良き隣人、友人、パートナーでいたい」と述べた。プーチン氏は「われわれの協力は国際舞台において主要な安定要素の一つだ」と語った。両国の協調を誇示し、台湾情勢やウクライナ侵略を巡り対立する米欧を牽制する狙いとみられる。 共同声明によると、両首脳は合同演習を含む軍事分野の協力拡大で一致。ウクライナ危機を制御不能な段階へと至らせないために対話による解決が重要だとした。アジア太平洋地域や欧州に中距離兵器を配備する米国の試みは、中露の直接の脅威となるとも非難。東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に「深刻な懸念」を表明した。 両首脳は少人数による首脳会談と、政府高官も交えた会議を開催。貿易や経済協力、エネルギー分野の協力拡大も話し合った。プーチン氏は17日、中露国境に位置する黒竜江省ハルビンを訪問する。 プーチン氏の訪中は昨年10月以来で、今月7日に大統領として通算5期目に入って以降初めて。今年が中露国交樹立75周年に当たることも踏まえ、両首脳は相互協力の深化を図った。 露代表団には、ベロウソフ国防相やラブロフ外相ショイグ国家安全保障会議書記らが参加。さらに、他国との軍事技術提携を所管する連邦軍事技術協力局のシュガエフ長官らも同行した。

中ロ「核汚染水」に抗議 日本政府、外交ルートで

時事通信 編集局2024年05月17日10時58分配信

 林芳正官房長官は17日の記者会見で、中国とロシアの首脳共同声明で東京電力福島第1原発の処理水について「核汚染水」の表現も使って懸念を表明したことに対し、「事実に反する言及を行ったことは大変遺憾だ」と述べ、抗議したと明らかにした。抗議は外交ルートを通じ、16日に中ロそれぞれに行った。

「核汚染水」に懸念表明 中ロ首脳

 林氏は処理水の海洋放出について「科学的観点から何ら問題は生じていない。広く国際社会からの理解と支持が得られている」と強調。「中国やロシアにも丁寧かつ透明性をもって説明していく」と述べた。

参考文献・参考資料

社説:中露首脳会談 蜜月関係が世界の安定脅かす : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)

中ロ、共同声明で日米非難 安保協力や処理水放出 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

中ロ首脳会談、対米で結束 包括的戦略パートナー深化へ共同声明 | ロイター (reuters.com)

中露首脳、結束を誇示 米欧主導の対露制裁打破狙う 共同声明で処理水「懸念」も(産経新聞) - Yahoo!ニュース

中ロ「核汚染水」に抗議 日本政府、外交ルートで:時事ドットコム (jiji.com)

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