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政治講座ⅴ1792「焼け石に水の中国不動産と経済」

 需要と供給のバランスを欠いた政策で復活する訳がない。不良在庫不動産の処分とそれに伴う過剰融資の償却など先にやるべき政策が多々ある。不良在庫を公的資金で買い上げてもその在庫の処分はどうするのか。結局は目に見えない形で庶民に負担を押し付けることになる。
 日本の金融機関の仕事をしながら日本のバブル崩壊を経験した身からすると、中国は日本より重症である。
 その理由は資本主義の需要と供給の市場経済を無視し、その上、その資金の裏付け無しで、その資金の返済能力も無く、採算度外視で計画立案されて、居るところに問題がある。不動産だけに限らず、中国の鉄道網の採算性の悪さ、赤字経営が上げられる。そして、過剰生産による製品を海外にダンピングしているEV車が今や表に立たされている。
今回はそのような報道記事を紹介する。その報道内容は「中国経済光明論」に基づくプロパガンダか否かの見極めが必要である。

     皇紀2684年5月25日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国が不動産バブル崩壊から復活へ 住宅ローン金利引き下げから在庫買い取りまで相次いで対策を発表、不動産セクターが香港市場の上昇を牽引

マネーポストWEB によるストーリー

中国では不動産に関する政策が相次いで打ち出されている(Getty Images)© マネーポストWEB 提供

 中国の不動産バブルは、当局がディベロッパー側を財務面からの規制によって強力に抑えつけたことで崩壊に向かったが、2023年には後処理、修復作業が始まり、今年に入りそれが加速している。4月30日に開催された共産党中央政治局会議の決定を経て、多種多様な政策が打ち出されており、本土経済紙は連日、関連情報で溢れかえっている。

 中国人民銀行、国家金融監督管理総局は5月17日、1件目住宅取得に関するローンの最低頭金比率を15%に引き下げると発表した。バブルを抑止する目的で一旦30%まで引き上げられていた頭金比率だが、2023年には20%にまで引き下げられており、それが今回さらに5ポイント引き下げられることになった。二件目住宅については最も高い時には50~70%あったが、まず30%に引き下げられ、それが25%に引き下げられている。

 ローン金利については、これまで一件目住宅取得では5年物以上最優遇貸出金利(3.95%)から20BP低い水準、二件目住宅については五年物最優遇貸出金利よりも20BP高い水準であったが、17日に中国人民銀行は全国一律の最低金利水準の設定を取り消すと発表した。今後は、地方政府がその地域の不動産市場の情勢に合わせ、地方政府のマクロコントロール基づいて、独自に最低水準を設定する制度となる。

 加えて、公的住宅積立金制度を利用したローンの最低金利が5月18日以降、0.25BP引き下げられた。一件目住宅については、5年以下は2.35%、5年以上は2.85%、二件目住宅についてはそれぞれ2.775%、3.325%となった。

 不動産の供給サイドに関する政策も打ち出されている。

 国務院新聞弁公室は17日午後、国務院の政策に関するブリーフィングを行ったが、そこで不動産政策の進展状況について中国人民銀行の陶玲副行長から説明があった。それによると、3000億元(6兆4500億円、1元=21.5円で計算)規模の保障性住宅向け再貸出(中国人民銀行が保障性住宅建設用として資金使途を絞り金融機関に貸し出すこと)枠を設置、地方の国有企業が売れ残っている商品不動産を合理的な価格で買い取り、それを従業員などに売り出したり、あるいは賃貸物件として所有・経営したりすることを支持すると発言。これにより、5000億元(10兆7500億円)の銀行ローンが誘発されるなどと発言している。

香港市場は不動産セクターが上昇相場を牽引

 これらの政策とはまた別に、不動産の以旧換新(買い替え)政策が実施されている。さらに、これまで実施されていた厳しい購入制限の取り消し、緩和から、一部戸籍制度の緩和(不動産購入者による現地での戸籍取得)に至るまで、中央、地方があらゆる角度から、在庫を減らし、需要を刺激し、供給の質を高めようとしている。

 公有制を原則とした中国独特の不動産市場、市場経済と社会主義が混在する金融システム、行政を主体とした強力なマクロコントロール体制などについて、自由主義体制に属する欧米機関投資家たちはこれまで否定的な見方をしてきた。しかし、足元ではそうした態度が変わってきたようだ。

 香港市場は欧米機関投資家が強い価格支配力を持つ市場だが、それを代表するハンセン指数は4月19日を起点として上昇トレンドを形成しており、5月20日現在、終値ベースで21%上昇している。中国の資本市場改革や景気回復期待を織り込んでの上昇だが、後者について特に不動産市場の回復への期待が高く、不動産セクターが上昇相場を牽引している。わずか1か月の間に、世茂集団の株価は4倍、時代中国控股は2.9倍、遠洋集団は2.4倍、合景泰富集団は2.3倍となっている。中国の不動産業界を代表する銘柄の一つである万科企業は85%上昇している。

 中国の経済システムは、日本のそれとは似ても似つかない。不動産問題について、日本のバブル崩壊やその顛末が中国で繰り返される可能性は限りなく小さいだろう。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログも発信中。

アングル:中国株に戻り始めた国内投資家、外国勢は慎重姿勢維持

Samuel Shen Dhara Ranasinghe によるストーリー

中国の株式市場では、経済テコ入れに本腰となっている政府の姿勢が好感され、国内投資家の間では押し目買いが広がりつつある。しかし外国投資家は今後に期待を持ちつつも、なかなか買いに動こうとはしていない。写真は上海で2022年10月撮影(2024年 ロイター/Aly Song)© Thomson Reuters

Samuel Shen Dhara Ranasinghe

[上海/ロンドン 22日 ロイター] - 中国の株式市場では、経済テコ入れに本腰となっている政府の姿勢が好感され、国内投資家の間では押し目買いが広がりつつある。しかし外国投資家は今後に期待を持ちつつも、なかなか買いに動こうとはしていない。

2月以降、中国政府は消費喚起や低迷する不動産セクターへの財政資金投入、株価下支えなどの措置を打ち出し、先週には売れ残り住宅の解消策を発表した。

こうした中で2月に数年来の安値に沈んでいた株価は反発。上海総合指数は、最新の不動産市場対策が明らかになった17日以来で3%余り上昇し、一時3カ月半ぶりの水準となった。香港上場の中国銘柄も38%近く上がっている。

資金フローのデータを見ると、この株高は、新型コロナウイルスのパンデミック中にいなくなった中国本土投資家が市場に戻ってきたことが主因で、外国人の資金はごくわずかに過ぎない。

アビバ・インベスターズのマルチ資産ファンド責任者スニル・クリシュナン氏は、中国政府がこれまでに発表した経済対策はまだ国内総生産(GDP)を相当程度押し上げる効果を発揮する規模に達しておらず、投資環境は厳しいとの見方を示した。

クリシュナン氏は、傘下のファンドが中国において積極的なポジションを全く構築していないが、不動産市況が持ち直せば間接的な恩恵を受けられるよう、コモディティーに投資していると現状を説明。「中国の政策が必要な現実にはっきりと目覚めたように見える」段階に至れば、投資ポジションを「弱気」からより中立的に切り替えなければならなくなると付け加えた。

先週発表された不動産市場対策の目玉の一つは、国有企業による売れ残り住宅買い取り支援のための人民銀行(中央銀行)による3000億元(414億6000万ドル)の資金枠設定。ブルーベイ・アセット・マネジメントのストラテジスト、チェンボ・フー氏は、数字的にはやや期待より低いとしながらも「当局はもはや問題の存在を否定せず、認識しつつある。これらを解決すべきだという市場の意見に歩み寄っているからこそ、金融資産がポジティブな方向に反応している」と一定の評価はしている。

<資金フローの真実>

ただ中国経済がより持続的に上向く兆しを探している外国人投資家は、追加的な対策を熱心に要望し、今のところ買いをためらっていることが、資金フローのデータから分かる。

LSEGのリッパーのデータベースにあるそれぞれ3000本余りの中国株ファンドと日本株ファンドの資金フローを分析したところでは、今月こそ中国株ファンドは買い越されているものの、年初来では12億ドルが流出し、日本株には180億ドルが流入している。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのシニア市場ストラテジスト、チー・ロー氏は、外国人投資家の中国株に対する弱気度は明白に薄れてきたとはいえ、他の市場から乗り換える態勢にはなっていないと指摘した。

ロー氏は「中国に戻す資金がある程度増えている。しかしそれは投資家が現時点で余分に保有していた資金だ。彼らはまだ日本にもインドにも強気姿勢を維持している」と述べた。

レイリアント・グローバル・アドバイザーズのジェーソン・シュー最高投資責任者は、長期的な資金運用担当者の大半は、11月の米大統領選にかけて米中関係改善の糸口が出てくることや、中国政府がより大規模な経済対策を実施するのを待っているとの見方を示した。

平安証券がまとめたデータによると、中国本土の株式上場投資信託(ETF)の4月の買い越し額は236億元と3月の10倍に膨らんだ。

だが中国に投資する国際的なETF、例えばクレーン・ファンズ・アドバイザーズのクレーンシェアーズETFやブラックロックのiシェアーズ中国大型株ETFなどへの資金フローは低調なままで、数カ月にわたって売り越しが続く。

中国株について中立ないしアンダーウエートを推奨しているクレーンシェアーズのブレンダン・アハーン最高投資責任者は「中国株を買っているのは中国の投資家だ」と述べた。

約6510億ドルの資産を運用するプリンシパル・アセット・マネジメントのジョージ・マリス最高投資責任者兼株式グローバル責任者は、中国株に対する見方が弱気方向に振れ過ぎていると話す。

マリス氏自身は、ハイテクを含む複数のセクターについては強気で、昨年9月以来中国に資金を再配分している。

それでも国際的な投資家が中国株全般を評価し直すのは、まず本格的な上昇が起きた後になるだろうという。

陸上最速!時速600キロの高速リニア建設へ、中国・広州市が計画―香港メディア

Record China によるストーリー

香港メディアの香港01は22日、中国が時速600キロで走る高速リニアの建設を計画していると報じた。© Record China

香港メディアの香港01は22日、中国が時速600キロで走る高速リニアの建設を計画していると報じた。

記事は中国メディアの報道を基に、「中国では現在、上海、北京、(湖南省)長沙でリニアが運行されているが、これらはいずれも中低速リニアであり、最速は上海リニアの時速430キロだが営業速度は300キロにとどまっている」と指摘。「時速、設計基準、運営モデルのいずれにおいてもこの3路線は厳密な意味での高速リニアではない」と論じた。

その上で、広州市が2035年までの計画をまとめた「総合交通計画」において、新空港や広珠澳(広州、珠海、マカオ)高速鉄道、第2広深港(広州、深セン、香港)高速鉄道の建設と共に、京港澳(北京、香港、マカオ)高速リニア、滬(深)広(上海、(深セン)、広州)高速リニアの2ルートの確保が打ち出されていることに言及。そして、「この計画の高速リニアの設計時速は600キロ以上で陸上最速の交通手段と言える。これまで世界でこのクラスの高速リニアが建設され、営業運転を開始した例はない」と説明。「音速は常温において時速約1236キロであり、今回計画されているリニアの時速はその半分に達する」とした。

記事は、「この速度で運行すれば広州や深センから北京、上海まで2~3時間で到着することができ、中国の4大一線都市が完全に一つにつながることになる」と報じている。(翻訳・編集/北田)

参考文献・参考資料

中国が不動産バブル崩壊から復活へ 住宅ローン金利引き下げから在庫買い取りまで相次いで対策を発表、不動産セクターが香港市場の上昇を牽引 (msn.com)

アングル:中国株に戻り始めた国内投資家、外国勢は慎重姿勢維持 (msn.com)

陸上最速!時速600キロの高速リニア建設へ、中国・広州市が計画―香港メディア (msn.com)

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