政治講座ⅴ1714「安保理機能不全」
国際連盟も機能しなかったが、国際連合も全く機能せずに形骸化している。常任理事国を除いたすべての加盟国が脱退して新しい組織を作り直すのがよい。常任理事国に拒否権と言う特権を与えた民主主義の公平性から逸脱した組織にしたことに起因する。まあ、戦勝国が作って、戦勝国どうしでの争いが戦後から今まで続いているだけの組織ではあるが、既得権を手放し得ないのは如何ともしがたい。
今回はロシアの拒否権で機能しない事例を紹介する。
皇紀2684年4月1日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
安保理の北朝鮮監視パネル 任期延長できず ロシアが拒否権
毎日新聞 によるストーリー
国連安全保障理事会は28日、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる制裁の履行状況を監視する専門家パネルの任期を1年延長する決議案を否決した。日米韓など13カ国が賛成したが、北朝鮮と経済、軍事両面で協力を深める常任理事国のロシアが拒否権を行使した。中国は棄権した。4月30日で任期切れを迎えるパネルの活動継続は困難な情勢で、今後の監視体制の弱体化は避けられない。
専門家パネルは安保理決議に基づく北朝鮮に対する制裁措置を管理する制裁委員会の下部組織として2009年に設置された。貿易や海上輸送、金融などさまざまな分野の専門家ら8人で構成する。1年ごとの任期を延長する決議案はこれまで全会一致で採択されており、否決は初めて。ウクライナ情勢などをめぐるロシアと西側との対立が影を落とした。
複数の国連外交筋によると、ロシアは会合に先立ち、今回の決議案に賛成するための条件として、制裁の有効期限を事前に定めるなど北朝鮮への制裁態勢そのものを弱めるよう要求していた。英国のウッドワード国連大使は、ロシアの主張は今回の決議案には直接関係しないものだと指摘した上で、「制裁の不履行を暴く専門家パネルが、ロシアにとって不都合な存在になったのだろう」と批判した。ロシアは北朝鮮からの武器輸出を禁じた別の安保理決議に反し、北朝鮮から送られた短距離弾道ミサイルをウクライナ侵攻で使用しているとされる。
米国のウッド国連次席大使は会合終了後、記者団に「大多数の理事国にとって(ロシアの要求は)到底受け入れられるものではない。これ以上交渉を長引かせても、何ももたらさない」と説明。4月30日に期限を迎えるパネルの活動継続は難しいとの見方を示し、「核不拡散体制全体にも大きな打撃だ」と危惧した。
日米韓英仏の5カ国は否決を受けた共同声明で、ロシアの姿勢を「(北朝鮮による)度重なる決議違反に対する独立した客観的な調査を封じ込める試み」だと強く非難し、中国に対しても「棄権を通じて(同様の)シグナルを送っている」とけん制した。
専門家パネルは今月20日に発表した報告書で、北朝鮮は外貨収入のおよそ半分をサイバー攻撃によって得ていると分析。仮想通貨(暗号資産)関連企業への攻撃を繰り返して17年以降に30億ドル(約4500億円)を窃取した疑いがあり、核などの大量破壊兵器の開発に充てていると指摘した。【ニューヨーク八田浩輔】
国連の「北朝鮮専門家パネル」が停止へ 関係を深めるロシアが拒否権
朝日新聞社 によるストーリー
国連安全保障理事会は28日、北朝鮮に対する経済制裁の履行状況を監視し、安保理に報告書を提出してきた「専門家パネル」の任期延長を求める決議案を否決した。北朝鮮と関係を深める安保理常任理事国のロシアが拒否権を行使した。約14年続いたパネルの活動が止まることになり、北朝鮮の核開発や制裁逃れを牽制(けんせい)してきた国際社会の足並みの乱れを象徴する動きになった。
【画像】約40年前に北朝鮮の平壌に留学したロシア系オーストラリア人の大学教授は、「北朝鮮の崩壊はありえない」と語る
パネルの任期は4月30日までで、延長には決議の採択の必要があった。安保理理事国15カ国のうち13カ国が、2025年4月30日までの1年間任期を延長する決議案に賛成したが、ロシアが反対票を投じ中国は棄権した。
昨年は全会一致で任期の延長が決まったが、ウクライナに侵攻するロシアが北朝鮮との関係強化を進めており、ロシアの北朝鮮擁護の姿勢が際立った形だ。今年は一部の外交官から「ロシアの動きが読めない。反対する可能性がある」といった意見も出ていた。
韓国外務省、ロシアを批判 「無責任な行動」
2024年03月29日00時10分配信
【ソウル時事】国連安保理で、対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる専門家パネルの任期延長決議案が否決されたことを受け、韓国外務省は28日、報道官声明を発表し、「深い遺憾」を表明した。拒否権を行使したロシアについて「無責任な行動を選んだ」と批判した。
参考文献・参考資料
安保理の北朝鮮監視パネル 任期延長できず ロシアが拒否権 (msn.com)
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