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政治講座ⅴ1748「ロシア爆撃機をウクライナが撃墜」

  ウクライナ軍の防空部隊は最新の対空ミサイルが絶望的なまでに不足しているが、報道どおりなら、最も大型で最も強力なロシア軍機を攻撃する能力をウクライナ軍はなお保持していることが裏付けられた。西側諸国からミサイルの提供があったのであろうか。侮れないことが分ったことであろう。

     皇紀2684年4月21日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

ウクライナを攻撃後にロシアに帰還した超音速長距離爆撃機、撃墜される…BBC報道

読売新聞 によるストーリー

19日、ウクライナ東部ドニプロで、ロシアのミサイル攻撃を受けたアパート=ロイター© 読売新聞

 英BBCウクライナ語版によると、ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長は19日、ウクライナを攻撃した後に露国内に帰還した超音速長距離爆撃機「Tu(ツポレフ)22M3」を国境から約300キロ・メートル離れた露側で撃墜したと明らかにした。露軍による侵略開始後、長距離爆撃機の撃墜は初めてとみられる。ロイター通信などは、旧ソ連の地対空ミサイルS200が使われたと報じた。

 タス通信によると、露国防省は19日、Tu22M3が露南部スタブロポリで墜落したと発表した。機体の不具合が原因だと主張している。

 一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、SNSで東部ドニプロペトロウシク、南部オデーサなど5州が露軍による攻撃を受けたと明らかにした。検察当局によると、ドニプロペトロウシク州では子供2人を含む8人が死亡した。

ロシア軍のTu-22戦略爆撃機を初撃墜 ウクライナ、都市空襲の「テロ兵器」に反撃

David Axe によるストーリー

ロシア軍のTu-22戦略爆撃機を初撃墜 ウクライナ、都市空襲の「テロ兵器」に反撃© Forbes JAPAN 提供

ウクライナ空軍は19日、ロシア空軍のツポレフTu-22M3爆撃機1機を撃墜したと報告した。確認されれば、ロシアが2022年2月にウクライナに対する戦争を拡大してから、Tu-22M3の損失は2機目か3機目、空中での損失は初めてとなる。

ウクライナ軍の防空部隊は最新の対空ミサイルが絶望的なまでに不足しているが、報告どおりなら、最も大型で最も強力なロシア軍機を攻撃する能力をなお保持していることを示した形にもなる。

Tu-22Mシリーズは旧ソ連のツポレフ設計局が開発した全長約42.5m、可変翼の超音速爆撃機で、北大西洋条約機構(NATO)では「バックファイア」というコードネームが付けられている。冷戦を象徴する兵器のひとつであり、かつては外洋で米海軍の航空母艦を狙って脅威を与えた。今日では巡航ミサイル搭載しており、ウクライナ側にとってはテロ兵器になっている。

ロシア空軍で60機前後就役中のTu-22M3は、ウクライナの都市に対して巡航ミサイルを繰り返し発射し、民間人を殺傷しているからだ。夜、眠っている間に空襲を受け、犠牲になる人も少なくない。

民間人へのこうした脅威のため、Tu-22M3はウクライナ軍と国防省情報総局の重要な攻撃目標になっている。ウクライナは2022年と2023年、ドローン(無人機)を用いてロシア国内の航空基地に駐機中のTu-22M3を計2機攻撃し、1機を撃破、もう1機を損傷させている。

19日未明に行われたとされる今回の攻撃では、Tu-22M3は空中でミサイルを被弾し、破壊されたとされる。情報総局は「ロシアによるウクライナへの全面侵攻後、戦闘任務中の戦略爆撃機を空中で破壊することに成功した最初の例」だと強調している

このTu-22M3は巡航ミサイルを数発発射したあと、ロシア南部上空を飛行中にウクライナ軍の攻撃を受けたもようだ。Tu-22M3が発射した巡航ミサイルは、ウクライナ南東部ドニプロ市に着弾し、少なくとも2人が死亡したと報じられている。

情報総局によると、今回の攻撃に使われた手段は、以前にロシア空軍のベリエフA-50早期警戒管制機を撃墜したものと同じだったという。おそらく、射程およそ145kmの米国製パトリオット地対空ミサイルシステムか、同240kmほどの旧ソ連製S-200地対空ミサイルシステムのどちらかということだろう(編集注:情報総局は「ウクライナからおよそ300km離れた地点で撃墜された」としている)。

可能性が高いのはS-200のほうだろう。というのも、ウクライナ空軍は先週時点でパトリオットのミサイルが枯渇していたからだ。パトリオットのミサイル不足は深刻で、4月11日にはロシア軍によるミサイル一斉攻撃を阻めずキーウ州で最も重要な発電所を破壊された。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は「ミサイルを使い果たした」と米公共放送PBSのテレビ番組で語っている。

米国防総省の国防契約管理局(DCMA)の品質監査官を務めたトレント・テレンコは、ウクライナ軍がS-200用に使っているとされる重量8tの5V28ミサイルを「とても重くて広々としたシーカー(目標の探知・追尾装置)スペースを備えた、バカでかいミサイル」と評している。5V28は重量220kgほどの巨大な弾頭を搭載し、Tu-22M3のような超大型機にも大きな損害を与えることができる。


いずれにせよ、ミサイルはTu-22M3に命中したものの、その時は損傷させただけだったようだ。機体はその後も飛行を続け、最終的に、ウクライナの前線から480kmほど離れたロシア南部スタブロポリ市付近で、炎に包まれながら墜落したとされる。搭乗員が脱出できたのかどうかは不明だ。

ロシア空軍はTu-22M3を数十機保有している。一方、ウクライナ空軍は西側製の新しい地対空ミサイルは不足しているが、古いS-200用のミサイルなら何百発も保有している可能性がある。ウクライナの前線から240km内に近づいてくるロシア軍の大型機は、迎撃されるリスクがあるということが次第に明らかになりつつある。

forbes.com 原文

関連するビデオ: <ブラーブ> ウクライナ東部のチャソフヤールに注目が集まっている。ロシア軍部隊がチャソフヤールの東側に到達した。チャソフヤール防衛にあたるウクライナ軍部隊には弾薬と無人機が供給され、今のところロシア軍の攻撃を食い止めているという。だがウクライナ軍のシルスキー総司令官は、東部の戦況が悪化していると述べた。チャソフヤールの攻防に注目が集まる理由とは何か、ポイントをまとめた。 (Reuters)

ウクライナ、露戦略爆撃機を初めて破壊と主張「300キロ離れた場所で迎撃」

日テレNEWS NNN によるストーリー

ウクライナ・ベレチュク副首相SNSより© 日テレNEWS NNN

ウクライナ国防省は19日、ロシアの戦略爆撃機を初めて破壊したと主張しました。ウクライナから300キロ離れた距離から攻撃したとしています。

ロシア南部・スタブロポリ地方の知事によりますと、19日、ロシア軍の戦略爆撃機「ツポレフ22M3」が墜落し、1人が死亡したということです。この墜落について、ロシア国防省は、「基地に戻る途中で起きた技術的な故障」としています。

一方、ウクライナ国防省は「爆撃機はウクライナから300キロ離れた場所で迎撃され、ロシア南部・スタブロポリ地方まで飛行したのち墜落した。空中で戦略爆撃機の破壊に成功した初めてだ」と戦果を強調しました。迎撃手段については明らかにしていません。

ウクライナ国防省は、この爆撃機について、「ウクライナの街を攻撃する巡航ミサイルが搭載可能だった」としています。



参考文献・参考資料

ウクライナを攻撃後にロシアに帰還した超音速長距離爆撃機、撃墜される…BBC報道 (msn.com)

ロシア軍のTu-22戦略爆撃機を初撃墜 ウクライナ、都市空襲の「テロ兵器」に反撃 (msn.com)

ウクライナ、露戦略爆撃機を初めて破壊と主張「300キロ離れた場所で迎撃」 (msn.com)

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