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政治講座ⅴ1424「日本の解体処分の武器が北朝鮮に流出!ヤバイ話であるが恐れるなかれ」

工業製品の製造・生産能力のない北朝鮮が、戦車や自動車の製造ができるわけがないと思っていたが、中古の寄せ集め兵器とは! やはりね! 
弾薬の火薬なども数年で劣化して不発弾に変わるのである。ロシアのウクライナ侵略のときに、ロシアのロケット弾の失敗率は60%であるとの調査がある。つまり、40%だけが使える平気なのである。
中古車は整備などの保守管理が大変であり、部品の内容によっては自動車自体が機能しないことになる。例えば、エンジンのプラグ(小さな部品)の不具合でエンジンがかからない上に、自動車自体が無用の長物の鉄の塊となるのである。当然、メンテナンスのための部品の在庫の確保も常備として必要である。そのように考えれば、北朝鮮は、解体処分の耐久期限ぎれの中古品で惨めで、哀れなものである。今回はその報道記事を紹介する。

     皇紀2683年10月14日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

自衛隊関係者が「ヤバい」と絶句…北朝鮮の軍事パレードで“あってはならない光景”目撃

吉永ケンジ によるストーリー •20 分

picture alliance / gettyimages© ダイヤモンド・オンライン

陸上自衛隊の高機動車が海外流出した問題がメディアを騒がせている。タイなどで車両が確認されているほか、ロシア軍がウクライナ紛争で使っているとの疑惑もある。だが、この問題が取りざたされる前にも、自衛隊の関係者が「あれはヤバい」と警鐘を鳴らしていた事案がある。実は陸自の「軽装甲機動車」に酷似した4輪装甲車が、3年前に北朝鮮の軍事パレードで目撃されていたのだ。詳細は明らかになっていないが、一体何が起きていたのか。防衛省出身のジャーナリストが考察する。(安全保障ジャーナリスト、セキュリティコンサルタント 吉永ケンジ)

陸自の「高機動車」が海外流出もそれ以上に「ヤバい」疑惑が…

 陸上自衛隊が解体処分するため民間業者に売り払ったはずの「高機動車」が、解体されないまま海外に不正流出している。主な流出先は東南アジアだが、その一部と思われる車両を、ロシア軍がウクライナ紛争で使用したという疑惑まで浮上している。

 防衛省はこの問題を受け、東南アジアでの転売ルートを調査する費用3億円を令和6年度予算の概算要求に計上するという素早い対応を見せた。だが、果たして問題はそれで解決するのだろうか。

 本稿では、四半世紀以上にわたり防衛省の情報部門で勤務した筆者が、この問題の根深い要因について解説する。さらに、車両の東南アジアなどへの流出以上に、筆者が「日本の安全保障上の重大課題」だと考えている“ある疑惑”についても指摘する。

 というのも、実は陸自の「軽装甲機動車」に酷似した4輪装甲車が、3年前に北朝鮮の閲兵式(えっぺいしき/示威目的の軍事パレード)で目撃されていたのだ。

 この事案について、ある自衛隊関係者は「あれはヤバい」と述べていた。陸自の装甲車が北朝鮮に流出することは理論上あり得ない。詳細は明らかになっていないが、一体何が起きたのか。筆者の見解を論じていきたい。

陸自が処分したはずの「高機動車」が海外に不正流出した理由

 北朝鮮の話題に入る前に、まずは高機動車の海外流出問題について触れておく。

 高機動車とは、陸自が装備している4輪駆動汎用トラックのことで、トヨタ自動車が米軍のHMMWV(ハムヴィー)をモデルに開発した。

 普通科(歩兵)部隊だけではなく、地対地・地対空ミサイルなどのプラットフォームとしても使用されている。この万能車両とも言うべき高機動車が、なぜ東南アジアなどの海外に不正流出したのだろうか。

 そこには、一部の解体業者の契約違反と自衛隊の管理体制の問題がある。

 自衛隊の武器や車両など装備品には耐用年数が定められていて、その年数を迎えると不用決定され、民間企業に売り払われる。その際、仕様書に転売禁止の旨解体・処分の具体的な方法が明記される。

 下図は、陸自の使用済み車両を売り払う仕様書だ。部品ごとに分解し、さらにその部品を細かく破砕して、結果を写真入りで報告することを業者に指示している。


陸自の使用済み車両を売り払うための仕様書(出典:筆者)© ダイヤモンド・オンライン

 実際にここまで破砕してしまうと、いくら腕のいいレストアショップでも走行可能な状況に復元することはできない。にもかかわらず、高機動車が海外に不正流出したのはなぜか。

 それは一部の解体業者が使用済み車両を破断せず、虚偽の報告書を提出したからだろう。そして、自衛隊側もそれを見抜けなかったからだと考えざるを得ない。

業者が作った報告書がニセモノでも見抜けない!?

 では、売り払いの実態はどうなのだろうか。自衛隊の経理関係者に話を聞いたところ、次のような回答が得られた。

「業者から破砕報告書が上がれば、その内容を信じて処理します。過去に使い回しのような写真がなかったわけではありませんが、いちいち調査する時間もありません。仮に不正を発見したとしても、それを立証することは困難ですし、そもそも業者を処分して困るのは私たちですから」(自衛隊の経理関係者)

 この人物の言う通り、経理・補給のロジスティック担当部門は少人数で、隊員の給与計算と支払い、物品・役務の調達、不用決定したモノの売却などの膨大な業務を担っている。時間がないことは言い訳にならないが、破砕報告書の真偽を調べる作業に手が回らないという現実がある。

「では、信頼できる業者とだけ契約すればいいのでは」という意見もあるだろうが、法律上それはできない。国と民間企業との契約は、特定の企業に利益誘導しないことを目的として、多くの場合は一般競争入札で行われる。そして、最も安い価格を提示した業者が受注する。

 経理関係者が「困るのは私たち」と言う背景は、ここにある。つまり、不正流出が疑われる業者を処分して入札から排除すると、結果として応札する業者が減り、落札価格が上がってしまう。割り当てられた予算の中で仕事をする彼らにとっては大問題だ。

自衛隊の経理関係者も仕組みを問題視しているが…

 だが、経理関係者たちの名誉のために付け加えると、彼らは金勘定ばかり気にしているわけではない。しがらみの中で、苦渋の決断を下しているのだ。

 筆者が防衛省時代、とある基地の情報幕僚を務めていたとき、当時の経理課長から潜水艦のスクラップ方法について相談された。潜水艦も高機動車と同様に、不用決定されると業者に鉄屑として売り払われる。その処理方法に懸念があったのだ。

 相談の内容はこうだ。潜水艦はハッチ(扉)の厚さを見れば、「秘中の秘」である潜航深度が推測可能となる。スクリューの形状や枚数から速力を割り出すこともできる。そのため、「もし潜水艦の解体現場にスパイが侵入すれば、多くの技術情報が窃取されるのではないか」と経理課長は問題視していたのだ。

 だが結局、この問題は「現場ではどうすることもできない」という結論に至った。

 一応、潜水艦解体の契約には「外部から見えないように遮蔽し、関係者以外に触れさせない」という特約条項が付されている。しかし前述の通り、不用決定されて業者に売り払われた潜水艦は“ただの鉄屑”という扱いになる

 業者の立場からすると、単なる鉄屑の解体現場に、秘密物件の保護と同じレベルの保全措置を講じることはできない。また、自衛隊側が業者にそのような措置を求めれば、当然、落札金額がはね上がってしまう

 そして、何よりも潜水艦の解体という特殊な技術を持つ限られた業者が「割に合わない」と入札を止めてしまえば、潜水艦を解体することができなくなってしまう――。

 このように自衛隊の装備品の売り払いは、建前や責任論だけではどうにもならない制度的な問題をはらんでいるのだ。

 では、一連の内情を知っていただいた上で、北朝鮮の装甲車問題について説明していこう。

 まずは2枚の写真をご覧いただきたい。一瞥すると同じか、酷似した車両に見えるのではないか。だが2つの車両は全くの別物だ。

 左側は冒頭の通り、2020年10月に行われた北朝鮮の閲兵式で初登場した名称不明の4輪装甲車だ。右側は陸自の軽装甲機動車である。全体的な外見が似ているだけでなく、窓や吸気口の位置、ハッチが開く方向まで、そっくりだ。

筆者作成(出典:朝鮮中央テレビ、陸上自衛隊)© ダイヤモンド・オンライン

日本だけでなく米国の戦車に似た兵器も

 だが、それだけではない。

 次の4枚の写真もご覧いただきたい。左側2枚は、この閲兵式に登場した北朝鮮の新型戦車(当時)と装輪装甲車だ。右側2枚は、米軍のM-1戦車とストライカー装甲車である。これらも酷似していることが分かるだろう。日本だけでなく米国の戦車に似た兵器も、この閲兵式に姿を見せていたのだ。

筆者作成(出典:朝鮮中央テレビ、米陸軍)© ダイヤモンド・オンライン

 北朝鮮の閲兵式というと、マスコミが取り上げる内容は新型ミサイルに終始する。

 しかしその裏で、軍事専門家は北朝鮮の通常兵器(大量破壊兵器以外の武器)のデザインが西側寄りになるという異変に気付いていた。また情報関係者は、北朝鮮が日米の兵器やデータを不正に入手した可能性を疑っていた。

 一般人が戦闘機や戦車、潜水艦の絵を描くと、ほとんど同じ形になるはずだ。それは、兵器の外見が技術の推移によって概ね似たようなものになった結果を表している。だが実際は、兵器のデザインには各国の用兵思想が土台にある。そのため、西側諸国と東側諸国では兵器の細部に差があり関係者は特徴を見分けられるのだ。

 北朝鮮は周知のとおり、ロシア(旧ソ連を含む)と中国から兵器を輸入したり、それらを模倣したりして生産している。なので、20年10月になって突然、兵器の外見が西側寄りになった背景には、何かしらの大きな理由があるはずだ。筆者は、これを金正恩総書記による「西側が持つ先進技術への憧憬」ではないかと推測している。

 新兵器の外見が大きく変わった理由が筆者の推測どおりかは分からないが、見た目がそっくりな兵器を開発しようと思えば、外見から設計図を起こすだけでは不足する。それを補うのが、次の3つの手段だ。

(1) ハッキングによる設計図の入手

(2) 戦地で兵器を奪う鹵獲(ろかく)

(3) 解体・破砕が不十分なまま輸出された現物の入手

北朝鮮はいかにして兵器を似せた?3年たっても残る謎

 閲兵式から約3年が経過しても、北朝鮮の狙いや車両が造られた経緯は不明のままだ。だが筆者は、北朝鮮がこれら3つの方法のいずれか(あるいは複数)を駆使して、日米に酷似した新兵器を開発したのではないかと想像している。

 例えば、米軍のM-1戦車やストライカー装甲車は、さまざまな戦地に投入されているので、手段(2)によってロシアなどから鹵獲品が提供された可能性は否定できない。

 だが、陸自の軽装甲機動車は、これまで他国に鹵獲されたことはない。では、北朝鮮はどうやって酷似した兵器を開発したのか――。

 あるとすれば手段(3)だが、解体・破砕が不十分なまま輸出された軽装甲機動車を、北朝鮮が不正入手した可能性は低い。理由は、防衛省による兵器の解体処分の慣例にある。

 本稿前半で解説した高機動車のような「車両」は一般競争入札を経て売り払われるが、戦車や装甲車などの「兵器」は製造元と随意契約して解体処分される。

 実際に、陸自補給統制本部の調達情報を確認すると、製造元の小松製作所が軽装甲機動車の解体処分を毎年受注していることがわかる。さすがに製造元である上場企業が、解体・破砕せずに海外に流出させることは考えられないだろう。

 一方で、残る手段(1)が行われたとも思えない。それでも、あくまでも経験則的な直感だが、深掘りすれば何らかの新事実が出てくるのではないかと筆者は考えている。

 筆者がこの問題にこだわるのは、北朝鮮が過去にロシアから弾道ミサイル潜水艦を鉄屑として輸入した上で、分解して技術や設計を明らかにする「リバースエンジニアリング」を駆使した“前科”があるからだ。

 北朝鮮はこの手法によって、ロシアから潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の技術を入手したとされている。実際に、韓国の国防部は16年、北朝鮮が1994年にロシアから鉄屑として輸入した弾道ミサイル潜水艦「ゴルフ級」がSLBM開発の技術獲得につながったと国会で報告している。

 そして、奇怪なことにゴルフ級の輸入は、韓国籍から帰化した男性が東京都内で経営するT商事という、わずか従業員4名の漢方薬の輸入販売会社が仲介していたという。当時、この問題を『週刊文春』で追究したジャーナリストの有田芳生氏は、T商事と“ある宗教団体”との強い結びつきも指摘していた。

自衛隊関係者が口にした「あれはヤバい」が現実に

 これまで記した通り、兵器や防衛装備品の不正な海外流出と、リバースエンジニアリングなどの手法を使った兵器開発は密接に関連している。北朝鮮のSLBM開発を例に挙げるまでもなく、他国に兵器が流出すると、その設計方法なども筒抜けになってしまう。

 この手法がどう使われたかが、北朝鮮の装甲車問題を読み解くヒントになるように思える。だが、特に北朝鮮と日本との関係は、アンダーグラウンドな人々が地下水脈のように入り乱れており、全体像を正確に掴むことが極めて困難だ。

 繰り返しになるが、陸自の軽装甲機動車に似た車両が閲兵式に登場したとき、ある自衛隊関係者は「あれはヤバい。これまで自衛隊が手をつけられなかった売払品の海外転売が問題になる日も近いだろう」と話していた。

 それから歳月が流れ、関係者の話は「高機動車の海外流出問題」として現実のものとなった。この問題を今年3月の国会で追求したのは、予備自衛官だった経歴を持ち、自ら高機動車のハンドルを握ったこともある鈴木敦氏(国民民主党衆議院議員)だった。

 筆者は今回、「現場ではどうしようもできなかった」という実体験を記したが、そうした課題を政治の力で解決しようとする鈴木氏の試みは、シビリアンコントロールの一つのあり方だろう。

 防衛省には、装備品の不正な海外流出への徹底した調査と、それを防止するための制度設計が強く求められる。

参考文献・参考資料

自衛隊関係者が「ヤバい」と絶句…北朝鮮の軍事パレードで“あってはならない光景”目撃 (msn.com)

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