『レイルウェイ・エンパイア』の上質シナリオを攻略したら世の中がすこし生きやすくなった
鉄道シミュレーション・ゲーム『レイルウェイ・エンパイア』で最も傑作なシナリオといえばやっぱり「キャトル・ドライブ」である。
「牛肉ヲオマハヘ運送セヨ。」と単純明快でありつつ達成できないという針の穴を通す絶妙なゲームバランスは、ちょっと他の追随を許さない。
最初私はこのシナリオがクリアできず数日苦しめられた。ライバル社社長のベアトリクス・ボン・ボンプという女に本気で怒りを覚えたほどなのである。
いや、ことによると、あれは私の本当の恋だったのかもしれない。
いずれにせよ、長年の試行錯誤の末に私が到達した攻略法、研究成果をここで君に開陳しつつ、さらにこのシナリオで学べる人生の生き方、さらには、現代の世界経済を動かしている本質についても発見したのでそれらも言うのである。
■キャトルドライブ攻略のポイントその1——信号は小刻みに設置しーやー。
性根が面倒くさがりにできている私は、最初信号の設置作業がかなりいい加減だったのである。駅周辺にパラパラ設置していただけ。
だが信号機は、次の列車の進行に影響を与える役割もある。列車が信号を通過しないかぎり、後続の列車が進めないのだ。つまり信号はできるだけ小刻みに設置した方が、列車同士の間隔を詰められるのだ。
👆この事実を悟ったことが転機となり、列車の稼働効率アップの夢を実現することとなる
👆面倒くさいことでも意味ある行動とわかればさほど面倒くさくない。それどころか「レールを引いて→信号機を設置する」という作業がリズム的に心地よくさえなってくる
■キャトルドライブ攻略のポイントその2——オマハにーゆうか倉庫に運びやー。
——街で牛を食肉に加工して、オマハに運ぶ
という課題は非常にシンプルである。「そんなん簡単でしょ。」と君も今高をくくっていることだろう。しかし問題は食肉の生産ではなく、積み下ろしなのだ。考えなしに各街から列車をオマハへ走らせまくると、あっという間にオマハ駅周辺が列車だらけで大混雑になり、経済が一生停まってしまうのである。
人間も中年に差しかかると新陳代謝が悪くなり肩や腰が凝りやすくなる。いわばキャトルドライブとは、いかに血流やリンパの流れを改善していくかがカギな、整体師シミュレーションと解釈してもよいだろう。
👆重要になってくるポイントは、オマハの「駅」に運搬するのではなく、オマハと連携する倉庫を多数設置して、それぞれの街からそれぞれの倉庫に牛肉を運ぶように陣形を敷くことである。
👆列車間隔は詰めつつも、しかも詰まらせない、という絶妙な塩加減がカギだ。(ちなみにただ食肉を運ばせるのではなく、並行してトウモロコシや小麦などをそれぞれの倉庫に貯蔵し、それらを〝オマハ土産〟として帰りに持って帰らせるようにすると僻地の都市も栄える。)
◇便利グッズ紹介
レイルウェイエンパイアにはこれが便利である。MMOゲーム向けとは書いてあるものの、シミュレーションゲームにも普段使いにも最適。20個のボタンを上手にマッピングすればスピーディーにゲームを進められる。私は正直「マウス離れ」という世の風潮が理解できない。
■キャトルドライブ攻略のポイントその3——資金集めは貨物でちゃう、乗客でや
頭ではわかっても、上記の状態を作るのもそれほど簡単ではない。やはり先立つものが必要になるわけだ。
その資金源が乗客の収益なのである。最初私は乗客の収益をあまり深く考えていなかった。「牛肉だけ運びゃいいじゃん。」と鉄道の大切さを舐めきっていたのだ。特にデンバーに向かう路線は収益がかなり大きい。京都であれば河原町四条と言っても過言ではないほどだ。
すなわち序盤はむしろ牛肉のことよりも、ラトン(京都駅)ーデンバー、シャイアン(三条駅)ーデンバー間などの路線を丁寧に引いていき、資金が貯まりやすい状態を作って、以降基本的に黒字で運営を続けやすい状態にするのである(こういう憎たらしい仕掛けもこのシナリオが見事たるゆえん)。
■まとめ――傑作シナリオから得られる人生の教訓とは
リアル世界を生きる上でもキャトル・ドライブは非常に示唆に富むシナリオなのである。
重要な示唆とは以下の3つである。
●こういう電車とかの時代があったからこそ、アメリカ人は通信・交通の重要性をよく実感としてわかっている。だからたぶん今インターネットの世界を支配できている。
●人間もオマハのように詰まらないように新陳代謝が大切である。適度に走ったりスケボーとかしたり休日運動せよ。
●先入観を捨てて普段と違うこともたまにせよ。
そういえば昨日この記事のスクショを撮ろうとあらためてこのゲームに取り掛かった。
やはり実によいゲームであった。
タイミングを計りながらやらなければいけない事が常に3つ4つあって、それらをうっかり失念しないように集中しながら黙々と線路を引いて、信号を設置していく。日常の煩い事に悩んでいられるほど脳のリソースに余裕もできないからいやおうなく煩悩が消えていく、そんなよさがある。
結局人は仕事が結構好きなのかもしれない。でっかく儲けてやろうとか、あいつよりサボってやろうかとか変に私利私欲を働かせるからできなくなっているだけである。
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