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キメの整ったなめらかな心

昨今、心の渇きを感じている人が多いように思います。

何だか分からないけど、満ち足りない・・・
心が渇いていカサカサしている気がする・・・

肌が乾燥すると、キメが乱れてバリア機能が弱り、敏感肌になったり、さまざまな肌トラブルを招きます。同じように、渇いてしまってカサカサに荒れた心は、ちょっとしたことで敏感に反応してしまい、様々なトラブルを起こしてしまいます。トラブルが増えれば増えるほど、また自己嫌悪に陥って、自己否定したり、反抗的になってしまったり、また心が荒んで潤いを失っていく負の連鎖に陥ります。

何が足りないのでしょうか?

それは日々のスキンケアが十分ではないのです。

洗顔フォーム / 化粧水 / 美容液 / 乳液 といった基礎化粧品をしっかりと正しく使うことが重要です。

・・・というのは冗談で、(あながち相関はありそうですが)
渇いた心に不足しているのは、以下の4つなんだと言うのが今日のテーマです。

しみの心 / の心 / の心 / の心

私たちは、この4つの成分を、まとめて、

と呼んでいます。

そうです。私たちには、愛が足りないのです。それも、名詞ではなく「愛する」という主体的な動詞なのです。「慈」「悲」「喜」「捨」の4つの心を持てば、愛する気持ちで満ち溢れ、これまでカッサカサだった心にも変化が表れ、

キメが整い、ツヤが生まれ、ハリがあって、滑らかな心

を手に入れることができるのです。

さてさて今回紹介するのは「反応しない練習」という本です。

どうしたら、カッサカサに渇いて荒れた心に潤いを与えることができるのか。
どうしたら、キメの整ったなめらかな心を手に入れることができるのか。

今日は、そういった視点で、「反応しない練習」のエッセンスを抽出して処方させていただきましたので、3滴だけコットンに垂らしてお肌に塗布していただければ幸いです。

反応しない練習とは

まず、簡単に、この本の紹介をさせていただきます。

仏教の教祖として知られるブッダ(釈迦)の教えを、現代を生きる人の悩みを解決するための方法として、分かりやすく解説してくれている本です。

著者の草薙龍瞬さんの経歴をざっくり書くと、

中学中退 → 家出 → 東大法学部卒 → 出家 → 僧侶

というすごい流れで仏の道に入り、ミャンマーやタイで仏教を学び、今は、宗派に属さず、実用的な仏教の本質を伝える活動をしている方だそうです。

宗教と聞くと、神を信じれば救われるといった、科学的な解決法とは真逆の視点なのかなと思われる人も多いかと思いますが、この本を読むことで、実は2500年前にブッダが説いている原始仏教の教えというものは、実に合理的な解決策なんだということを理解することができます。

この本の冒頭で伝えていることは、
悩みにはたった一つの原因がある。それは「ムダに反応してしまう」ということ

イラっ💢
ムカっ😡
ダメだ😣

イライラさせられることがあったら、
イライラするのは当たり前でしょ?
失敗したら落ち込むのも当たり前でしょ?

人間だもの

はい。当たり前です。それが人間だと思います。しかしながら、そのような「心の反応」によって、人は悩みを抱えてしまうのです。

そうならないために必要なもの、それが、「慈」「悲」「喜」「捨」の4成分なんです。ただ、ひたすら「愛する」ことなんです🥰

自分の反応を選ぶ能力

この「反応しない」ことが大事という話を聞いて、かの有名な「7つの習慣」でも、まさに同じことを言っていたなと思う人は多いと思います。

「7つの習慣」の中では、まず、主体的な人間になる事を第1の習慣と定めています。外部からの刺激に対して、ただ受け身的な反応をとる人間は、主体的に行動することができず、あらゆる問題を外部のせいにするようになります。

そこで重要になってくるのは、外部からの刺激に対して、反応をする前に、自覚・想像・良心・意思という4つの人間だけが持ちうる能力を最大限に使って、自分の主体的なアクションに変えていくことだと語っています。そのように、自分の反応を選ぶことができる人こそ、ResponseのAbilityがある人、つまりResponsibility(責任)がある人なのだと記されています。

要するに、外部からの刺激に対して、反応する前に、今の状況を自覚して、良心をもって想像し、自分の意思を持ってアクションに変えていくことが大事なんだということだと捉えていますが、まさに、これと同じことが、この「反応しない練習」の中で語られています。

なぜ心は乾燥してしまうのか

キメの整ったなめらかな心を目指したいのに、
どうしてもカサカサに乾燥してしまうんです。
どうして??

その答えは、人生のモチベーションが間違っていることが原因かもしれません。

私たちは、自己承認欲求の塊です。子供の頃から比較され、競わされ、良い点を取らないとダメ、試合で勝たないとダメ。勝てば勝ったで、もっと勝ちたい。渇いた心は貪欲になり、勝っても勝っても満たされない気持ちでいっぱいになるようになります。さらには、人の目を気にするようになり、どこか臆病になり、心はどんどん渇いていくのです。

妄想から目を醒まそう

心が渇いている私たちに、ブッダは言います。

勝たなきゃいけない?
良い点取らなきゃいけない?
良い大学行かないといけない?
アイツより上に行かないといけない?
親の期待に応えないといけない?
負け組になってはいけない?

それ、全部、妄想だよ

まず、目をつぶって見ましょう。そして、自分の頭に浮かぶ、苦しみを暗闇の中で眺めて見ましょう。そして正しく理解しましょう。

①求める心がある→②勝ちたいという欲求がある→③勝ちか負けかという判断や、自他を比べたり張り合ったりする意識、競争に駆り立てられている心がある

これら全部妄想です。目を開けてみると、光が入ってきます。その中に、あなたの考えていたものは、どこにも存在していません。妄想に気付いて、まずは、現実を正しく理解することが大事です。

正しいモチベーションを考えよう

社会で生きる中で避けられない「競争」との向き合い方として、競争に「乗るか」「降りるか」の二択しかないのでしょうか?

競争から降りて、厭世的な生き方をするのもまた悪くはないですが、果たしてそこまでの覚悟を持つことができるでしょうか。

ここで登場するのが、もう一つの選択肢。他者との競争に「乗る」「乗らない」ではなく、競争社会の中でも、「自分と正しく向き合う」事によって、自己承認欲求や人の目を気にする生き方、妄想から離れる選択肢です。

そこに必要になって来るのが、4つの基礎化粧品です。

4つの基礎化粧品

ハリ・ツヤある、なめらかな心を作るためには、紫外線や摩擦、空気の乾燥、アレルゲンといった外部からの刺激に対して、すぐに反応してしまう敏感肌にならないように、バリア機能を高める必要があるのです。

バリア機能を高めるために、以下の4つの基礎化粧品をしっかり正しく使いましょう。

【慈しみの心】・・・これは、相手の幸せを願う心です。自分の都合や欲求を通すことではなく、純粋に「相手が幸せであるように」と願う心です。
【悲の心】・・・これは、相手の悲しみ・苦しみをそのまま理解すること。相手の「悲」に共感することです。
【喜の心】・・・これは、相手の喜び・楽しさをそのまま理解すること。相手の「悲」に共感することです。
【捨の心】・・・これは、手放す心、捨て置く心、反応しない心です。「中立心」ともいいます。たとえば、欲や怒りという反応に気づいて、ストップをかける心がけです。

これら4つの基礎化粧品は、単品で使っても効果がないわけではないと思いますが、4つセットで使わないと、その真価が発揮できないと思います。

例えば、捨の心が、反応しない心なわけですが、どうしても執着心を切り離すことは難しいし、反応しない!捨てる!!と強く願っても、なかなかできない事ではないかなと思います。

そんな時に、効果的なのが悲の心です。あなたを辛い思いにさせている憎い競争相手もまた、辛い悩みを抱えていると理解することです。どんな人でも必ず悩みはあります。こちらに対して攻撃的な態度をとってくるような人は、承認欲求が高い人の可能性が高く、心が渇き、苦しみを追って生きています。そんな相手を悲しむ心を持つことで、反応的になる気持ちを抑えることができます。

また、悲の心を持って接するためにも、こちらにもある程度余裕がなければ難しいでしょう。そのために大事なのが、相手の幸せを願う慈しみの心です。他者の幸福や利益を願う心は、「貢献こそが大事」「役に立てれば良い」という気持ちが湧いてきます。それによって、相手の渇いた心に対して悲の心で対応することができるし、誰に対しても、喜の心で、喜びを共有する気持ちが芽生えてくると思います。

恋人や夫婦間で相手に優しくできなくて苦しい時もあると思います。そこでも、慈の心で相手の幸せを心から願い、捨の心で反応的に対応せずに、悲の心を持って相手の苦しみを理解してあげることができれば、その思いは相手の渇いた心にも潤いを与える結果になると思います。少なくとも、それらができないことで、摩擦による酸化ストレスで、お互いの肌はボロボロになって修復不可能になってしまうでしょう。

このように、4つの基礎化粧品をすべてバランスよく使ってケアしてあげることが、心に潤いを与えて、なめらかな気持ちで、ハリのある生活を送ることができると思います。

ブッダはすごくクール

今回とりあげた慈・悲・喜・捨に関しては、「反応しない練習」の第5章で取り上げられている教えです。この本の中には、これ以外にも、私たちが、この現代社会を生きる上で、極めて合理的に有益な考え方が詰まっていると思います。

日本人の多くは仏教徒と言われながら、多くの人が仏教を知らないと思います。私もそうでした。しかし、私は今もなお仏教をよく分かっていませんが、最近「ブッダ」がとても好きになりました。好きになった理由は、この本を読んだことに加え、コテンラジオで取り上げられたブッダの人生を聞いたことが大きく影響しています。是非、聞いていただきたいと思います。

「ブッダ」という2500年前にインドで実在した「悩める青年」の物語に耳を傾けて見るのも良いかと思います。

中田敦彦のYouTube大学

「反応しない練習」という本を読んだきっかけは、この動画を見て、面白そうだと思ったためです。まず、この動画を見てもらうだけでも、慈・悲・悲・捨のなんたるかは分かってもらえるのではないでしょうか。

そして、少しでも興味を持った方は、絶対買った方が良い本だと思います。

ご拝読ありがとうございました。