プラシーボな人生②

プラシーボ前編「いないはずのピロリ菌に悩まされて生きていた半生」の詳細はこちらからどうぞ。

プラシーボな人生①｜塚本直毅（ラブレターズ）｜note

身を持ってプラシーボの絶大な効果を感じ、「もう二度とプラシーボなどに惑わされてたまるか」という思想家として毎日を過ごしてきましたが、、ここから最近のお話です。


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ここ一年ほど、ブルーライトカットメガネをつけてのパソコン作業がとても楽だなぁと思って暮らしていました。

ブルーライトカットメガネとは、携帯の液晶画面やPCの画面から出る目疲れを引き起こす光「ブルーライト」をカットしてくれるという優れたメガネ。これが超効き目ありで、「いやぁこんなにもラクなんですね！今まで長いこと裸眼でみてましたが、もうパソコンはハダカでみる時代じゃないですね！」なんて、通販モニターの人みたいなテンションで話せるほど愛用しておりました。
 
ある日、「その眼鏡、意味ないよ？」という注意喚起系YouTubeを見ました。
 
「ブルーライトカット？意味がないです！」
 
おいおい。いやいやいや。
バカ言うなって。そんなはずがないじゃない。
実際ラクなんだからこっちは。目疲れが超軽くなってるんだから。
 
「ポップなテンションで釣ってるYouTuberさんなんですね、はいはい」と流していると、「学会の発表がありました」というニュース映像も出てきました。
 
…ん？学会？
 
学会となると話は変わります。なんてったって「学会」です。学会はまずいって。怖みが近づいてくる気配を感じました。
 
「携帯やパソコン画面から出るブルーライトは微量であり、太陽光の1000分の1以下です。恐れすぎることはありません。特にお子様が常時着用されるメガネを作る際にブルーライトカットタイプを選んでしまうと、逆に発育の悪影響になる可能性がありますので、慎重にご検討下さい」
 
…
 
ニュースを受けたコメンテーターが話しています。
「寝る前につける分にはいいみたいですよ？携帯から出るブルーライトが防げて睡眠障害の予防になりますから。でもまあ、寝る前に携帯をみないのが一番ですけどね」
 
口あんぐり。
再び、ピロリ以来の金文字フォントが浮かんできます。
 
『『『プラシーボ効果！』』』
 
まさか。そんなはずがないでしょ。
こっちは一年つけてきたのよ？
1000分の1？子供に悪影響？？？

 
試しに、小道具のサングラスをかけてパソコンをみてみると、あら不思議。目が超ラクでした。
 
…は？
 
超ラクなんですけど…。
 
え、じゃあ何、明るかっただけってこと…？？
 
もちろん、これは私が見聞きした限りの情報ですので、「ブルーライトカットメガネが意味のないわけないだろ！」という気持ちはもちろんあります。一年かけていたわけだし。ですが、大感動して生活していたその一年の重みが小道具の100均サングラスによって軽減された瞬間、自分の中の何かが崩壊しました。


私はすぐさまサングラスを作ることにしました。
 
それまでのブルーライトカットレンズを外し、カラーレンズを入れてもらいました。暴走です。ひょんもひょん、ひょんなことから過ぎるサングラスデビュー。
 
「薄い色合いがトレンドなんですよー」
 
「なるほど〜」なんて平気な顔で受け答えをしつつ、「実はプラシーボの野郎にムカついてひょんの山からサングラス作りにやってきたんですよぉ」って言ったらこのお姉さんはどんな顔するんだろう、と岡村靖幸バイブスで思いながらトレンドに沿った薄サングラスを作成。

出来上がったサングラスをかけてパソコンを覗くと、「これが本物のブルーライトカットメガネですね！」と言いたくなるほど見やすくて、ここで一つ思い出し、そうなるとただただ画面が明るかっただけなんじゃないかと思って明るさ調整をいじくると、サングラスなんかかけなくてもすごくブルーライトカットでした。


…待って。

これはずっと、何をやっているの？

猿すぎるんですけど。

もうプラシーボのせいにできないよ…？ 

その昔、二年ほど使った空気清浄機のフィルター交換でもしてみようかと裏蓋を外したところ、備え付けのフィルターにビニールがかかっているのを発見して愕然としたことを思い出しました。

今も昔も猿は猿。
 
猿はプラシーボにあらがうことはできません。

しかしながら自分はプラシーボに乗っかることが得意な猿っぽいので、こうなったらプラスのプラシーボを探して抱きしめて生きていこうと思います。

#ラブレターズ  #プラシーボ #🐒