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PDFにすると間違いに気づく理由

誤字脱字その他の作文上の誤りは「紙に印刷すると気づく」という説の無根拠を指摘した以下の記事を興味深く読んだ。

個人的には、最後に私見として挙げられてる「気持ちが切り替わる」に賛同する。

最後に私見だが、直観的に「紙に印刷すると間違いに気付きやすい」と記憶される「成功体験」を多くの人が持つのは、先述した「持ちやすさや眺めやすさなどの特徴」だけでなく、単純に「気持ちの切り替え」を印刷時に行えていたからだと考えている。

僕も推敲、構成はかならず紙に印刷し赤ペンを持ってやるタイプだった。僕自身はこれを「筆者モードから読者モードに切り替わるから」と思ってたし、聞かれればそう話してた。ただこれは、喫茶店でモバイルワークしてる時などプリンタがすぐに使えない場所では実践できない。自宅でもプリンタなんてたまにしか使わないから、いざ使おうと思うと紙切れとかインク切れに見舞われたりして、すぐに印刷できるとは限らない。

それである時、PDF出力するということを試してみた。WordやPowerPointなどのOffice製品は「名前をつけて保存」画面でファイル形式にPDFを選べばいい。Chromeブラウザでは印刷画面から「PDFに保存」を選ぶ。そうした機能のないアプリケーションでも、印刷時に「Microsoft Print to PDF」を選択するとPDFに出力できる。こういった方法でPDFに出力すると…うん、ずいぶんと気になる箇所が見つかる。ちゃんと読者モードに切り替わってる気がする。

「ネットに公開した」「メールで送った」など、自分で取り返しのつかない提出をした後では途端にミスが見付かりやすくなる、という「成功体験(しくじり体験かもしれないが)」もまた多くの人にあるはずだ。それも、不可逆な状況の変化によって一気に頭が切り替わることの効果だろうと考えられる。

こういう方法もある(たしかにそういう経験もある)けど、PDF出力なら自分の手元だけのことだから「しくじり」にせずに済む。プリンタを使いづらいモバイルワーク(ノマドワーク)やリモートワーク(在宅勤務)にも向く。紙やインクも使わなくて済む。少なくとも僕の場合は、それでも実際に「間違いに気づく理由」になってくれている。気持ちが切り替わるとか、切り替わると間違いに気づけるとか、メカニズム的に効果は個人差があり過ぎそうだけど、試してもらって損はないと思う。

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