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僕たちはまだマークアップとかTeXとかを超えられていないらしい

noteで数式を扱えるようになったらしい。

例えばこんな風に書ける。

noteでの数式入力例

すごいな、note何でも書けるようになっていくなと思った。同時に、僕たちはまだ数式入力にTeXを超えるものを手に入れてないし、文書入力にマークアップを超えるものを手に入れてないらしいとも思った。

ヘルプの「利用できるTeX記法について」を見た感じ、noteはKaTeXライブラリを導入することで数式対応を果たしたのだと思う。だとすればそのうち、mermaid.jsを導入してグラフとかダイアグラムも書けるようになるかもしれない。数式の記法はTeX記法むき出しで、記法を簡略化するとか数式入力のGUIをつけるといった「誰にでも使える化」をしてなくて、noteにしてはハードボイルドな感じだ。きっとグラフとかダイアグラムが書けるようになったとしても、mermaidの記法がそのまま採用されるのかもしれない。

多分、数式にもグラフにもダイアグラムにも対応できる汎用的な入力方式というと、僕らにはまだこういった「記法」をテキスト入力するというマークアップ方式しかないのだろう。Wikiが1995年に生まれ、進化すると同時に分裂するWiki記法といったマークアップの中でWikiCreoleのような徒花も生みつつ、現在のところ2004年に生まれたMarkdownが広く使われている。そこでも数式や図を描くときにはTeXやMermaidの記法で埋め込まれる。

もう一つの、そしてずっと優れた汎用的な入力方式に、手書き入力がある。数式もグラフもダイアグラムも自由自在だ。手書き入力されたものをOCRなどによって文字や図形として認識し、デジタル文書として整えるといった仕組みも随分発達してる。でも「新規作成の手書き入力」に比べると「編集更新の手書き入力」がずいぶん遅れている感じもする。手書き入力とデジタル文書をシームレスに行き来できる、スムーズな相互変換、それが普通になるまで、僕たちはマークアップとテキスト入力を続けることになるのだろう。

いつそんな時代が来るのかはわからないし、そもそも手書き入力の時代が求められているのかも知らないけど。多分手書き入力か、それを飛び越して脳内のイメージを直接表現する入力方式か、そこにたどり着くまでデジタルデータの入力方式はテキスト入力とマークアップを脱しないんじゃないか。少なくともWebの入力方式はテキスト入力とGUIの間を行きつ戻りつし続けていて、GUI入力だけで完結する日が思ったより長いこと来ていない。

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