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【ネタばれ映画レビューNo.1】アメリカンビューティー

このコロ粛(コロナ自粛をコロ助風に)を乗り切るためにあるお友達とおすすめ映画を教え合っていたのですが、私の思いつく映画が次から次へ暗い!重い!切ない!のオンパレードで乾いた笑顔を浮かべてしまったつかちです。あはっ☆

この映画も観てからだいぶ経ってしまっているので、鮮度に欠けてしまっているかもしれないのが悔やまれますなぁ。

ま、気を取り直して。

どうしてこの映画が私は好きなのか。
「みんな歪んでるけど、彼ら全て抱き締めたくなるほど愛おしいから。」

この映画の批判レビューでよく言われるのが「ロリコンおっさんキモすぎわろた」なのですが笑、ちょっと落ち着いて…笑

確かにケビン・スペイシー演じるレスターお父やん。
きっと自分の年齢と今の生活と心の中での年齢、それら全てが一致しないというか、疲れ果てていたのだと思う。

そんな枯れた生活に一筋の光が差し込んだ。
それが娘の友達アンジェラちゃんだった訳ですね。

キティちゃんでも、マドンナでも、QUEENでも何でも有り得たのよ。お父やんの心に光を宿すものは。
(まぁ実際私の父がお友達に惚れ込んだと知ったらReally?・ ᴗ ・となりますね。えぇ分かりますとも。でも受け入れるとは思うなぁ。)

The ブロンド女優感があってですねぇ♪
きゃわゆいのなんの

そして私の一番の推し歪みキャスト!
このレスターお父やん家族の隣に住むリッキーくん!

このリッキーくん
精神病棟に入院させられていた過去があったり、父から暴力を受けています。
そしてレスターの娘・ジェーンをひたすらビデオカメラで撮るストーカーなんですけど、ある日ジェーンがリッキーくんのお家で彼の撮った作品を鑑賞する日が来ます。

一番美しいと称えるこの作品。
スーパーの袋?がただ風に吹かれてるだけの映像なのですが、本当に同感してしまいました。

ただ風に吹かれてる。
何かに取り憑かれる訳でも、誰かがいないと風に舞えない訳でもない。あるがままに吹かれてる。
ただそれだけ。

それを「究極の美」だとする彼の瞳が全てを物語ってるようでした。

後半に分かりますが、リッキーくん、父に殴られている時やり返さないんです。
彼ほどの体格、年齢など大人と張り合うのもそう難しくないと思うんです。
(怯えているだけかもだけどね)
けど、私には父の弱さや辛さまで知っているかのように思えました。

そしてラストのリッキーお父やんがゲイだったこと。

レスターお父やんがアンジェラちゃんとSEX出来ちゃうかもやったー!と思った後、「この子は類まれなる美貌を持っているけれど娘と変わらぬただの純朴な少女なのだ」と知った時。

自分が追い求めていた何かは何でも良かったのかもしれないと気づいたのでしょう。
「得体の知れない光」であれば何でも良かった。
自分を奮い立たせてくれるような光り輝き心を掴んで離さない何か。

アンジェラちゃんも学校ではビッチなふりをしていたけれど、本当は男性経験なんてない少女。

彼らが自分の恥だと思っていた姿を曝け出した時、皆美しかった気がします。


ただ愛を伝えて受け取って欲しいと情熱的に訴える者。
「そうだったのかい」と安心したような笑みを浮かべて父性愛を取り戻して女の子の肩を撫でる者。
幼少時に戻ったかのような明るい笑顔を振りまく者。

全員が欠けては歪み、他者に受け入れられたいと願っているようにしか思えなかったです。

てっきり美容がどうとか、プロポーションがどうとかって話かと思ったら良い意味で裏切られ、そして考えさせられるスパイスの効いた作品でした。

みんなみんな何かに羨望し、歪み、交じ合えずに生きているのかもしれない。

風刺の効いたこの映画も、ボタンのかけ違えというか物悲しさが何とも言えず私は大好きです。
肩の力を抜いて見れるアメリカンハッピーな作品も好きだけどね!

電車で隣り合ったあの人も、彼も家族も、そして自分も全員何か抱えてるかもしれない。
それで苦しんでもがいているのは誰よりも当の本人なのだと思う。

無駄な鎧も、武器も、装飾品も、全部要らないのかもね。
それが何よりもの一番美しいもの。

そう考えれば、多分全部許したくなるはず。

P.S.
この映画をいつの日かネットに書き込んだ際「私のおすすめ映画は…?たかたかたかたかたか(ドラムの音)…じゃんっ!アメリカンビューティーです!」なんて紹介の仕方をしたら、「ドラムの音を自分で言う辺り可愛すぎて仕事の疲れ飛んだわ笑 ありがとう」って言われた良い思い出。笑
えへへ笑

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