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【ネタバレ映画レビューNo.2】真珠の耳飾りの少女
あまりにも有名な画家、フェルメール。
マネやモネ、シスレー辺りが好きな私はそこまで好感を持つ画家ではありませんでした。
どうにも闇っぽさというか変なむず痒さを感じてしまうイメージでした。
だからこそ何故ハマれないのだろう?という追求心から鑑賞してみました。
⚫あらすじ
17世紀オランダの天才画家フェルメールの肖像画をモチーフにしたベストセラー小説を映画化。妻子のいる天才画家と、彼と運命で結ばれた少女のもどかしくもプラトニックでありながらも官能的な愛の物語が展開する。名画「真珠の耳飾りの少女」のモデルとして描かれる主人公グリートを演じるのは『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソン。共演には『ラブ・アクチュアリー』のコリン・ファースらが名を連ねている。17世紀オランダを再現した美術や衣装も必見。
1665年オランダ。失明した父の代わりに家計を支えるため、画家フェルメール(コリン・ファース)の家で使用人として働くことになった17歳の少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)。やがて、その美的センスをフェルメールに認められた彼女は、彼の手伝いをし始める。
まず映画の質感。
これは凄かった。
油絵の世界に自分も混じったようなテクスチャーで描かれているのは心地よい奇妙さがあって楽しい。
次に、絵画好きなら「すげー!笑」と舌を巻くほど、出てくる登場人物が皆瓜二つ。笑
フェルメールの作品を少なからず知っている方はあの絵画の逸話が挟まれているので、ご存知の方は更に面白いはず。笑
本当どこから捕まえてきたんだろう笑
ちょーおもしろーい笑笑
さてさて、主人公のグリートちゃん。
いつもはゴージャスボディで割とアクションものも多く出演しているスカヨハちゃんが演じているとは驚きでした。
さすがは女優さん。いつもの色気とは打って変わって、すっかり貧しく、それでいて他者と一線を画す芯のある少女に。
グリートの表情。それこそこの映画の醍醐味です。
喜怒哀楽を良い意味で私達に分からせない。
伝わってはくるんだけど、複雑に重ねられた感情を持つグリートちゃんこそ逸材。
奥様の嫉妬もすごくよく分かるんですよね。
私事ですが、私の交際している彼がバイオリンをやっておりまして。
私はクラシック大好きといえど、音符も読めない、楽器も弾けない。
そんな中、彼と楽器に秀でた女性が二人にしか分からないものを何か共有しあって、私に存在しない、大衆に交わらない唯一無二の存在感を感じさせる女性と何かを形作っていく……
そりゃ子供のように咽び泣くわな笑
奥さんわかるぅ~わかるけど騒げば騒ぐ程滑稽になるからライフワーク見つけようぜ!(と心理学要素をお伝えしたくなる性が出ちゃう)
フェルメールさんはよくいる「破天荒、風雲児、天才。それらに属する才能を持った者が人道に反することをしたとしてもそれは許してくれぴ☆」みたいな人が大嫌いな私はどうも気に入らなかった笑
師弟関係こそ最高のエロスと書かれたレビューもあり、確かにそれを思わせる暗喩も感じられ、良い視点ですねぇ!と驚かされたものの、画家として独り立ちできるまで技術を伝授する訳でもなく…
しかし、ドレスのドレープや光の陰影、あの絵の具もままならない時代にあれだけの絵を描けるのはやはり類まれなる才能を持つ方だったのでしょうね。
鑑賞直後は、結末があまりにもグリートちゃんだけ傷ついただけに思えて「甘い色男にちょっと弄ばれちゃって、心も人生も追突事故起こされてる女性2人のお話」でしたね、あぁ…としか思えなかったのですが…笑
綺麗だったグリートちゃんのおてても、下女として掃除や選択をしていく過程でどんどん傷んでいくのです。
挙句の果てにはフェルメールさんがパトロンから見放されないためにピアスも開けます。(身も心もどんどん傷だらけになっていくような気がして、観てられなかったよ…;o;これがエロス?えー笑 )
貧困の中生きてきたグリートは芸術という光を見つけたのでしょう。
その光を巧みに操るフェルメールに描いてもらえただけで幸せだったのだろうか。
確かに、「ロマンチックラブストーリー!」みたいな安っぽい愛情のやり取りがなかった所は、シンプルに「光る才能を持つ者同士が共に讃え合う関係」に焦点があわされていて良かったです。
畏敬の念を持ち合う関係…。
ラブラブカップルより崇高な関係なのかも知れませんね。
(でもやっぱりフェルメールさんはちょっとちょっかい出しただけで、都合よく利用した感が否めない…否めないぞっ(`_´)!!笑)
ラストシーンはこの絵がただ引かれていくだけで終わります。
この絵を語る上で私が一番心震えた瞬間に感じたもの。それは「引力」。
以前まではこの絵に対して「引き込まれる感はあるよね~」くらいにしか思えなかったのですが、今作を見てこの絵が大好きになりました。
優しく微笑みかけるわけでも、哀しそうでもない。
ただ強く感じる芯の強い姿勢と存在感。
誰かに盗られるような容易い精神性ではないことを感じさせるこの不思議な眼差し。
こんな絵はそうそうにないんですよね。
貧困を知らずに彼女がもしも画家になっていたら……
そんな思いに胸を馳せられた映画でした。
P.S.
この映画はまぁ五つ星!ではないものの、感じたものは言葉に書き残しておきたくて書いたけど、いやもっと勧めたい映画は他にあって、、時間はそちらに使いたかったんだけど、、うわぁーー!となっている午前7時…( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
あと↑これめちゃくちゃほしくなりました(・×・)笑
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