新刊『形と形が出合うとき:現代韓国語の形態音韻論的研究』
拙書『形と形が出合うとき:現代韓国語の形態音韻論的研究』(辻野裕紀著、九州大学出版会、2021年12月)がまもなく発売になります:
【内容紹介】
本書は、韓国語の形態音韻論的現象を研究の俎上に載せ、その態様を描出せんとするものである。音素、音節、形態素、単語――形と形――がおのおの接合すると、いかなる現象が生起し、その背後にはいかなる原理が伏流しているのか。これまで存在自体は知られていても、十分には考検されてこなかった現象群を具に剖析することによって、韓国語の興味深い様々な言語事実を精緻に焙り出すことが本書の目的である。
何故に形態音韻論を韓国語において問うのか――その解は分明である。日本列島周辺の言語を見渡してみても、現代韓国語は形態音韻論的な変容が相対的に極めて激しい言語だからである。韓国語の面白さの真髄は形態音韻論に在るとさえ言える。しかしながら、これまで日本語で読める韓国語形態音韻論の本格的研究書はなかった。新進気鋭の言語学者が、アクセント、〈n挿入〉、濃音化などといった現象を、豊富なデータを基に切開し、韓国語の妙味に鋭く迫る。
【著者紹介】
辻󠄀野裕紀(つじの ゆうき)
愛知県名古屋市生まれ。九州大学大学院言語文化研究院准教授。
専門は言語学、韓国語学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学、東京大学)。
主要論文:
・「韓国語大邱方言における名詞のアクセント体系」『朝鮮学報』209
・「言語形式の自立性と音韻現象:現代朝鮮語の〈n 挿入〉を対象として」『朝鮮学報』229
・「言語教育に伏流する原理論的問題:功利性を超えて」『言語文化論究』37
・「現代朝鮮語の形態音韻論的現象に見られる共時的変異について」『音声研究』21-2 など。
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