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機能から考える男性用日傘のカラー選び

つまり男性日傘の基本戦略は、「上半身と日傘のコントラストを弱めること」ですが、例外もあります。真夏におけるダークスーツの場合は、全身の印象が重すぎるため、明るい日傘でバランス調整してみてください。

©東洋経済ONLINE

ビジネスファッションを主眼においた男性用日傘の選び方が記事になっていました。私はメーカー目線で、男性用日傘のカラーについて語りたいと思います。

日傘のトレンド

ちょっとだけ過去を遡りましょう。
昔の日傘といえば、バテンレース、スワトー刺繍、エンブロ刺繍などが主流でした。

しかし1980年代の美白ブームから、紫外線カット商品が注目されるようになり、のちに晴雨兼用が必須になってきた。
その後、紫外線カットだけでは機能性が弱く、遮光性が求められるようになった。

その関係で綿や麻素材では晴雨兼用(防水や撥水の加工)や紫外線カット(紫外線吸収剤の塗布)、遮光(ポリウレタンコーティング)には対応できないため、ほとんどの日傘はポリエステル素材に置き換わっていきました。
*一部ポリエステルと綿の混紡糸は存在する

その後のシンプル思考なトレンドにより無地が増え、ユニセックスな商品も増えてきたというのが流れであります。
このような背景からも、レースや刺繍、フリルといった装飾が多かった日傘から、男性が選択しやすい商品が増えてきたのは間違いない傾向です。

淡色系カラーは遮熱率が高い

さらに最近は猛暑日・真夏日の暑さ対策として、遮熱率が注目されるようになりました。今年リリースしたアンベルの商品でも、遮熱率が高いカラーが売れるという現象が発生しています。

遮熱率を高くするためにはカラー選別が重要で、簡単に言うと薄めの淡色系カラーは遮熱率が高く、黒などの濃色系カラーは遮熱率が低くなる傾向にある。

*遮熱率に関しては、まだ傘業界内でもあまり定着しておらず、検査方法が2種類あり、同じ商品でも数字が大きく違うので、商品表記には十分ご注意ください。
*遮熱性試験(JIS L 1951)とQTEC法があり、QTEC法はなぜかWebで検査方法が公開されておりません

また美容系に詳しい女性は、「温度差ストレスにより、メラノサイトのメラニン産生を促す」という情報を知っており、肌温度を上げないためにも、日傘の遮熱率は高い方が肌によいとされているようです。

【参考】皮膚科の先生のYouTube、4:24 あたりで、皮膚温度について言及されています

その関係もあり最近は淡色系カラーがよく売れているのですが、淡色系でも比較的遮熱率の高い、オフホワイトの人気があります。

アンベル社のオフホワイト

これだけ暑い日、日差しが強い日が続くと、少しでも涼しい日傘がほしいという気持ちは本当にわかります。
一方で濃色系などの黒を否定しているのではなく、

  • 年間通して同じ傘を使いたい(使い分けるのが面倒くさい)

  • 白っぽい色は汚れが気になる

  • 普段のコーディネートには白が合わない

  • 美白やシミに対してあまり興味がない

という方は濃色系でもよいと思います。

まとめ

女性には遮熱率が高い淡色系カラーが人気で、特にオフホワイトが好まれている。熱を遮りたい目的であれば、男性もオフホワイト系を推奨。一方で年間を通じて使いたいという目的であれば、濃色系カラーもよいと思います。遮熱性の重要性が増しており、カラー選びがポイントとなっています。


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