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政治はすべて学校で学んだ(ジェンダー編)

校長室の肖像写真

高松市のたいていの学校では、校長室には歴代の校長先生の写真が並んでいます。

ある学校で聞いた話では、初めて校長室に入って写真を見た児童たちはこんな事を言うそうです。

「先生、これ、男のひとばっかりやな」

なるほど、白黒写真の時代からほとんど校長は男性で、最近になってようやく女性校長の写真が並んでいます。

もちろん、そんなやり取りをした学校の現在の校長が女性である事も、児童の感覚に与えている影響が大きいのですが

昭和時代の人間にとっては女性校長の写真が新鮮で、令和時代の子ども達は男性校長ばかりの写真に違和感を覚える、というジェネレーションギャップを感じました。

しかし、それでは昭和の学校が男女差別的でぜんぜん良くなかったのか、というとそういうわけでもありません。良いところもあれば、改善されたところもあり、また、これから変わるべきところがそれぞれあると思います。


男女別名簿のメリット・デメリット

昔の学校では学級名簿は男と女とに分かれていて、それぞれ五十音順に並んで出席番号が振られていました。

五十音順、と基準がある方が名前を記憶しやすく、したがって教員が(おそらく児童生徒も)順番に名前を呼びやすいと思われます。

また、名簿が男女別になっていた方が保健体育や身体計測の際に便利であったり、学級活動の際の大きなグループ分けのひとつとして、男と女という分け方が容易である、というメリットがありました。

デメリットとしては、いろいろな局面で、いつも男が先になる、という感覚が自然に刷り込まれてしまう、という問題があります。

男・女の順番の名簿での学校生活に慣れてしまうと、先にやりたい!という積極性を女子に失わせてしまうとともに、男子には「自分が優先」という意識を植え付ける可能性が出てきます。

現在では、ICTの発達で名簿作成やデータ処理が簡単になった事もあり、また多様性という視点からも、男女混合名簿が普通になっていると思います。


ジェンダー・バランスの配慮

その一方で、各学級ごとに男女それぞれの学級委員長を選出する、という非常に男女平等で民主的な選挙システムが、学校では自然に定着してきました。

クラスのリーダーにふさわしい人物2名を選ぶとしたら、もしかすると、男子2名もしくは女子2名が選ばれる可能性もあります。
(それも一つの正しい選択かも知れません。)

しかし、男女のグループ分けが大きな基準になっている学級活動の中では、そのグループからそれぞれ1名を選出する、というのが合理的になります。そして日本の学校ではそちらを選んできました。

SDGs 目標5-5
政治や経済や社会のなかで、何かを決めるときに、女性も男性と同じように参加したり、リーダーになったりできるようにする。

なんと、昭和時代から(男性ファーストな傾向があったにせよ)日本の学校では学級活動でも生徒会活動でも、SDGsのジェンダー平等を達成しているのです。


問題はどこに

学校文化の中では「男女共同参画」などと、わざわざ言わなくても普通に男女の協働が行われています。

それがなぜ、社会においては同じようににならないのでしょうか。

  • やはり社会に構造的な問題がある

  • 学校で学ぶべき事がまだまだある

  • 改善されつつあるが報道されないだけ

  • その他

今後も調査研究を続けていきたいと思います。


まとめ

  1. 学校では女性管理職が増えている

  2. 問題もあった男女別(順)名簿は男女混合名簿に移行

  3. 男女共同参画は当たり前で、女性リーダーを選ぶ文化も定着している

  4. それがなぜ社会に出ると異なるのか、今後も調査研究が必要

政治はすべて学校で学んだ(ジェンダー編)おわり

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