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#20 デジタルリスキリング入門を読んで

札幌でちいさな貿易商社を経営している、ケニー(tsujikenzo)です。noteでは、Tweet以上、技術ブログ未満の、アウトプットを行っています。

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今日のテーマは、デジタルリスキリング入門を読んでです。





わたしが所属する学習コミュニティ「ノンプロ研」の主宰である、タカハシノリアキさん(以降、著者と呼ばせていただきます)による待望の新刊が「デジタルリスキリング入門」です。

手元に届いてから一気に読了しましたので、推し記事としてお届けしたいと思います。

ご紹介の前に

前提として、わたしは著者のパーソナルな部分を良く知っていますし、著者が行っている事業やミッションなどをよく知っています。そしてなにより、書籍内で紹介されている「ライティング講座」や「インストラクション講座」や「プログラミング初級・中級講座」という、ノンプロ研内で開かれた数多くの講座を卒業、そして、運営してきた立場です。
つまり、なんの前情報もない状態から読むわけではなく、むしろ、著者に近い位置におり、目指すゴールに共感し、わかりやすくいうと「好きな友人」として著者を見ている偏った傾向や態度がわたしにはある、ということをお伝えしておきたいです。

どんな本なのか

リ+スキル+ing、なんとなく「再び+技術+習得中」のように聞こえるリスキリングという言葉があります。似たようなことばに、職業訓練という言葉があります。これは厚生労働省の管轄の元で行われる、国及び都道府県の責務で、「事業主、事業主団体等により行われる職業訓練の状況等にかんがみ 必要とされる職業訓練の実施に努めなければならない」という法律です。
また、生涯学習という言葉もあります。生涯学習と聞くと、公民館などで行われるセミナーや講座を思い浮かべますよね。生涯学習局は文部科学省に設置されています。

Q.では、リスキリングと、職業訓練と、生涯学習の違いはなんでしょうか。
A.それは、文脈によって違います。たとえば、国や企業主導だったものが、個人に主体が切り替わったか?いう文脈では、それぞれに違いがあるでしょう。

Q.では、リスキリングと、職業訓練と、生涯学習の共通項はなんでしょうか。
A.それは、時代を超えて学び続けるという人間の活動です。

つまりこの本は、文脈によってさまざまに変化する「リスキリング」という言葉を定義し時代を超えて学び続けるための戦略と実践について書かれた本、です。

リスキリングの定義

リスキリングという言葉を定義するために、著者の20年にわたる社会人人生を例に、「失敗したけど立ち直った」や「辛かったから変わろうと努力した」という内省(過去に起こった出来事や自分の行動に対して客観的に向き合い、そこから窺える自分自身について見つめ直す行為)が行われます。

著者のように、努力や変化できる人に対して、我々が思うことはこうです。

  • もともと頭が良いんだろうな

  • いい環境で育ったんだろうな

  • 愛嬌がいいんだろうな

しかし、この本からもわかるように、著者は音楽活動に身を捧げ、レールをはみ出し、スーパードライな性格の持ち主(※わたし個人の感想です)です。

そんな著者が、自ら身に付けてきたスキルと、以下のキーワードで紐解くことで、「リスキリング」という言葉を定義したのが、0~1章です。

  • 学習

  • モチベーション

  • キャリア

  • 人間の適応能力

  • 自己実現

  • 日本企業

リスキリングの戦略

リスキリングの良い戦略とは、リスキリングの目的(働くことで心理的成功を収めること。また、スキルをアップデートし続けること)に対するうまいリソース(時間・モチベーション・お金)のやりくりの方法です。この戦略は、著者が選んだ「思考と行動のモデル化」から来ています。このモデルを選ぶというのは、著者の発明です。

また、環境や他者は変えられない(多少把握することも大事)が、リソースは戦略化することが可能、というロジックが繰り広げられます。そして、このモデルはOODAループ(意思決定サイクルの概念)へと拡張されます。

リスキリングの原則

さて、多様な変化に対応するというのが、OODAループですが、多数の選択肢があるというのは、非常に非効率です。
効率よく指針に沿ってOODAループをまわすことが、リソースの節約になります。その指針として、著者は、以下のリスキリングの原則を示します。

  • 意識(システム化)

  • 無意識

  • 学習

  • 実践

  • 職場(環境)

そして、これらの原則を伝えるだけでなく、読者にも踏み出せる小さな一歩を提案し、読者に勇気を与えてくれています。(そういう意味では著者はスーパードライではないです。)

この第3章は、ものすごいボリュームです。この章だけを理解するための、3ヶ月講座があってもおかしくありません。この本のコアとなる章なので、焦らずに読みましょう。

デジタルリスキリングの第一歩

デジタルリスキリングとはなんたるやを理解した後なら、本書のメインとなるのが第4章です。

なぜメインになるかと言うと、OODAループにあるように、大切なことは「社会の変化に柔軟に対応していかなければならない」ですが、ほとんどのビジネスマンの共通課題は「時間がない」からです。

これは、IT職であれ、非IT職であれ、共通の悩みでしょう。

そして、こんなスキルは持っていて当然、と思ってる方は、ぜひ伝える側に回っていただきたいです。あなたのことを待っている人が、世の中に必ずいます。

デジタルスキルの習得

デジタルスキルの習得を伝えるさい、ついついポジショントーク(自分の立場、立ち位置に由来して発言を行うこと)になってしまうことが多いです。デジタルツールの選択が、企業の損益に関わるなら、なおさらです。

しかし、著者は、常に最新情報を更新し、ユーザー目線で、かつ体系的にとらえることを心掛けています。それは、過去の著書からも伝わるでしょう。この第5章は、著者にしか書けないであろう、最新のデジタルスキル習得指南です。

段落見出しにもある通り、銀の弾丸(ある問題を解決するための簡単で確実な方法や効果的な手段)はありません。だからいろんなスキルを組み合わせる必要があります。ほんとうに小さなことからコツコツやるしかないのです。

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