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写真と素直さ 〜2024年の前半をふりかえる〜

「誰かにインスパイアされてると思われるのがいちばん恥ずかしいことやぞ」

チュートリアルの漫才の中に、徳井さんのこんなセリフがあったと記憶しています。細かいところは忘れてしまいましたが、「これって〇〇のマネしてるよね」とか「あれって〇〇の影響をぜったい受けてるよね」と指摘されるのは芸人として恥ずかしい、という趣旨だったと思います。

当時高校生のぼくはYouTubeを見ながらつよく共感しました。誰かのマネなんてしない! オリジナルがだいじだよな!と。でも今はちがいます。いいなあと思ったことは素直にマネしてもいいじゃないか、そんなマインドに今のぼくはなっています。

このnoteはまさにインスパイアされて書いています。ダイヤモンド社の今野さんが「ここ半年の写真50枚+5枚」というnoteを先日投稿していて、いいなあ、ぼくもやろ!と思ったわけです。素直さ大切です。

ということで、ぼくも2024年1月1日から6月30日までの上半期を写真でふりかえってみようと思います。写真は45枚セレクトしました。過去のnoteにすでに載せた写真は選んでいません。掲載の順番はほぼ撮った日付どおりだと思います。


1月1日の朝。正月だけは姉家族、兄家族ふくめ、みんなで集まります。スープの器も甥が使うと大きく見える。この頃はまだ話せなかったけど、いまはだいぶ話せるみたいです。はやくまた会いたい。

姪にせがまれてポケモンを描いて一緒に遊びました。記憶だけで描くのがルール。姪を喜ばせようと思っていたのに、気づけば自分がいちばんたのしくなっていました。

もう何枚も持ってるのに持っていくのを忘れてしまうから、IKEAに行くたびに増えていくこのバッグ。引っ越すまえの家の、風呂場の光がけっこう好きでした。

こういう赤が好きです。塗装がはげてもそのままにしている感じもよかった。

「この本、気になってたんだよ」と先輩が声をかけてくれました。会社の人が注目してくれるのはけっこううれしい。

ダイヤモンド社の今野さんとイベントの打ち合わせをしましょうと言いつつ、ただの飲み会に。ほぼ、写真をはじめてよかったですよねえ、というような話をしていました。

ワタナベアニさん、幡野広志さん、ダイヤモンド社の今野さんと青山ブックセンター本店でトークイベント。写真家ふたり、写真ビギナーふたり。この4人で一緒に写真について話すなんてことよく考えたらありえなすぎておもしろい。たくさんの方が来てくださってうれしかったです!

靴をプレゼントしていただきました。うれしかったので翌日すぐに履きました。

この日はand recipe 小池花恵さんの誕生日。and recipe 山田英季さんが料理をたくさん作ってくれました。このセリとつくねの鍋がめちゃくちゃおいしかった。というかぜんぶおいしかったです。

平野レミさんと新刊の打ち合わせ。『おいしい子育て』の販促のためにぼくが作った貼り絵をレミさんが気に入ってくださったので、新宿の世界堂で額装してプレゼントしたのは2年前。まだ飾っていてくださいました。

通勤の電車を待っていたら目の前にいいハトがいました。「あ!いいハト!」と思っていそいで撮りましたが、もう飛び去ったあと。いいハトの写真は撮れなかったけど、いいハトが撮れなかった写真が撮れました。

手土産を買いに新宿伊勢丹の虎屋へ。店員さんの包装紙のあつかいがうつくしくて見惚れました。思わず「うまいっすねえ」と声をかけてしまいましたが、ぼくのその発言にはうつくしさのかけらもありませんでした。

先週、吉祥寺のこの細長い家から引っ越しました。ちょっと駅から遠いけど、とってもいい家でした。かならず机の端っこに座るうちの猫の写真を撮るのが好きでした。

終電が行ったあとの誰もいない四ツ谷駅のホーム。いまは社屋が目黒に移転したのでもうこの景色を見ることもないかもしれません。

雨の早朝のゴールデン街は人がいませんでした。

幡野さんがよく言っている「逃げのモノクロ」で、曇りの日や、光が混じっているときにモノクロ現像を多用していましたが、光がいい感じのときにモノクロで現像するのもなかなかかっこいいなと思いました。ヒゲがくっきり。

妻の実家に行くといろんなものを出してくれます。このキムチ、小さいタコとか栗が入っていておいしそうでしたが、ぼくはこの日、体調不良で食べられませんでした。

高校の友達の結婚式の帰り。集まればこういうバカなかんじになれます。

モノクロのときは粒子が多いほうがかっこいいと思っていたので、ワークショップで幡野さんから教えてもらったよりも多めに入れるようにしてました。でも他の方たちのモノクロ写真を見ると、もっとクリアな感じがして、そのほうがよく思えてきた。なのでこのあたりから幡野さんに教えてもらったくらいの粒子の数値に戻しました。やりすぎは良くない。

ここ数年はサウナばっかりでしたが、高円寺の小杉湯のようないわゆる銭湯もやっぱりいいですね。相変わらずの大人気でした。おそらく近所の子どもたちもけっこう来ていて、みんな慣れたようす。こういう場所が近くにあるのっていいなあ。

めちゃくちゃお世話になった先輩の送別会。こんなすごい人なかなか出会えません。みんな笑顔でした。

and recipe 小池さんに教えていただいてからずっと作り置きしているピクルス。白だしと酢と水だけ。毎食、これがあるとないとでは大違い。お弁当にも助かっています。白だしがなくなったときはめんつゆでも、酢がなくなったときはバルサミコ酢でもおいしかった。

市川市文学ミュージアムの和田誠展へ。ロビーにあった形も色もいい椅子に、いい光があたっていました。

会社の同僚の児童書のイベントを見学。取材のテレビカメラも入っていました。撮っている姿がかっこよかった。

見ると撮ってしまうクレーン。横を歩く人たちになんであいつあんなの撮ってんだろ、みたいな顔をされながら。

写真がたのしくなくなったときがありました。幡野さんに相談したら「遠くに行ってみるといいですよ」とのアドバイス。会社の先輩家族と鎌倉の海で写真をたくさん撮ったらまた楽しい気持ちが蘇ってきました。一緒に遊んでくれて、写真も撮らせてくれた先輩の息子さんたちにはとても感謝しています。

でも先輩の次男には終始警戒されていました笑

会社のオフィスが麹町から目黒へ移転。眺めがぜんぜん違います(ぼくはこっちのほうが断然好き)。たまたまぼくがいちばん早く出社した日があったので、ブラインドを全開にして写真を撮りました。まんなかには東京タワーがあります。

大根を肩にかけて歩いている人がいました。こういう人にぼくは憧れているかもしれない。

吉祥寺に住んでいたときのランニングコース。緑がわさわさしているところがけっこうあって、走るのがきもちいい。走っているときはカメラを持っていないから、好きな景色なのに写真が1枚もない。それに気がついて、この日はカメラを持ってコースを散歩しました。

勝浦の水中展望台。建物は古いけど、宇宙船的な雰囲気があってなかなかたのしいです。ガラスにカメラをくっつけて撮れば、魚がいきいきしている姿が撮れるかもしれないけど、どこかで見たような写真になってしまう。ちょっと引いて枠とかも入れて撮ったほうが、後でその写真を見たときこの場所を思い出せる。幡野さんの「検索すればネットにある写真をわざわざ撮らなくてもいい」という言葉を思い出していました。

とうとうMacを買って、気に入っているうちの猫(名前:まあすけ)の写真をデスクトップに設定。それをすっかり忘れていたのでパソコンを開いたときに驚いて、「あ、まあちゃんだ」と小さい声でつぶやいて5秒間ほど見入ってしまいました。我に返って恥ずかしくなりました。幡野さんのワークショップの最中の話です。

山陽堂書店の益田ミリさんの『今日の人生3 いつもの場所で』原画展へ。ミシマ社さんの展示は愛情も熱意も目一杯こもっていてほんとすごい。今回もミリさんお手製のダミー本がありました。これをはじめて見たときすごく感動したんです。そのダミー本をはじめて見たのも山陽堂書店でのミシマ社さんの『今日の人生』(1冊目)の展示でした。

幡野さん写真ワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」がはじまって、もうすぐ1年半が経ちます。このワークショップがはじまってから、SNSですてきな写真を見ることが多くなったのは気のせいではないはずです。ぼくも行ける日はお手伝いとして参加しています。

幡野さんの息子さんがはじめてワークショップに来た日。最後に家族で写真を撮ってと息子さんにお願いされてカメラを構える狩野さん。うれしそうでした。

and recipe 小池さんの手料理もワークショップのたのしみのひとつ。分量をはかったり、時間をはかったり、料理をする姿は丁寧そのもの。盛り付けもうつくしい。そのすべてがおいしさにつながっていると思います。

TBSラジオ「武田砂鉄さんのプレ金ナイト」で、あばれる君の初エッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』を紹介していただきました。砂鉄さんはあばれるさんのネタにめちゃくちゃ詳しい。芸人さん以外とトークするあばれるさんを見るのはほぼはじめてでしたが、新たな魅力を発見した気がしました。おもしろかった〜。

「世界遺産アンバサダー」に就任し、オーストラリア政府の観光イベントに参加するあばれるさんを応援しにCOREDO室町へ。舞台上でぼくに気づいてくれました。

and recipe 小池さんに教わった「蓋なし水なしで弱火で焼く目玉焼き」。めちゃくちゃうまい。我が家のスタンダードはこれになりました。

ワタナベアニさんとダイヤモンド社の今野さんのトークイベントを聴きに行くため大阪へ。はじめてカプセルホテルに泊まって、行きたかったサウナも満喫。著者におすすめしてもらったきつねうどん発祥のお店(だったと思う)できつねうどんを食べました。揚げがデカくてうまい。

お弁当生活をはじめました。ほぼ毎回つくっている玉子焼き。プレーンもいいけど、ベーコンや青じそ、のりとかしらすをいれたりしてマンネリ防止。つくる途中は見栄えがわるくても最後に卵でうまく包めればそれでいい。

会社の先輩とダイヤモンド社に遊びに行って、今野さん、種岡さん、淡路さんに話をいろいろ聞きました。このままじゃダメだよなあ的な文脈で「ぼく、自分のために本を作ってますわ」と言ったら、「それの何がダメなんですか」と真顔で言われてとても勇気をもらいました。がんばろう。

パイナップルが好きです。カットパイナップルをよく食べていたけど最近はそのまま買うことも多くなりました。フィリピン産と台湾産で色も形もややちがうんですね。

武蔵野市の市バス「ムーバス」。武蔵野市に7年住んで3回くらいしか乗ってないけど、バスに乗るのは遠足を思い出すので特別感がいまだにあります。エレベーターとか、トイレとか、不意に鏡に写った自分を見たらなるべく撮るようにしています。

西荻窪のギャラリー&ショップURESICAのダイさん。児童書編集部時代からとてもお世話になっています。展示を見るのはもちろんですが、ダイさんと話すのがたのしみでもあります。保護猫活動している方を紹介していただいて、うちの猫と出会えました。


ふりかえりを書きながらちょっと恥ずかしくなりましたが、幡野さん、小池さん、今野さんの話題が多い(笑)。この状況をあばれる君的に言えば、自分はこの3人から大きくインスパイアされていると認めざるをえません! というかんじです。めちゃくちゃ影響受けてるじゃん。

でも、この人が言うなら、この人がやってるならやってみようと思える人が自分の近くにいるってしあわせなことですね。ぼくがだいぶ素直になれたのも、写真をはじめていろんな人に出会えたからかもしれません。


【お知らせ】
★幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』ぞくぞく重版中!
幡野さんが「できれば触れたくなかった」という、写真についてはじめて書いた本。大好評のワークショップをベースに幡野広志さんが渾身の書き下ろし。初心者の方にぜひ読んでいただきたい1冊です。幡野さんの写真も多数。カバーとそれぞれの章トビラのイラストはヨシタケシンスケさんです。

★幡野広志さんのエッセイ『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』も好評発売中!
家族のこと、病気のこと、写真のこと、旅行のこと……1枚の写真とともに綴る、日常に寄り添った51のエッセイ。古賀史健さんとのロング対談も収録。「写真の読み方」がわかる本。対談では写真と言葉の関係もよくわかります。

★幡野さんのワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」はまだまだ続いています!
and recipe のHP(https://andrecipe.tokyo/store/5256/)や幡野広志さんのTwitterをチェックしてみてください。順次開催される予定です。心からおすすめです!


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