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雑談は「価値観」を交換するためのもの

いま僕は、訪問看護ステーションに勤務している。
ステーションの立ち上げから参加させて頂き、有難いことに開設から無事1年が経過した。

このタイミングで「ホームページをしっかりと作り直そう〜!」ということになり、僕がその進行を務めることになった。

知り合いのツテでフリーランスの方にホームページの作成を委託することになり、何度か打合せを行なっている。

昨日の夕方にも、そのフリーランスの方との打ち合わせがあった。

ホームページの作成は、レイアウトやロゴ、テーマカラーの決定までは進んでおり、あとは素材写真や掲載する文章を推敲していく段階だった。

素材写真は、利用者さんに依頼してご自宅やお顔が映らない範囲でスタッフが看護やリハビリを行っている姿を撮影させてもらった。

先日、その写真を担当者に送らせてもらい、その素材写真についてや、ホームページ作成の現状についてというのが昨日のお題だった。

着いて早々に、素材写真について指摘された。

①マスク姿では表情が映らなくもったいない
②スマホのポートレートモードだとわざとらしさが出る
③画角がせまいため、ホームページに反映させにくい

確か、そういうことだったと思う。
要はダメ出しだった。

最初は、いやそれ早く言ってよ!と思った。
が、もしかしたら自分が聞き漏らしてしまったのかもしれない、と思考を逸らした。

ただ、コロナ禍のなか利用者さん宅で写真を撮らせてもらうのに、これ以上のことはできない。

①は、このご時世では絶対に無理だし、なんなら再び感染者増加傾向にある今はもうフェイスシールドをしながら訪問している

③は、ご利用者様の自宅内が写ってしまう手前、画角を広げて撮ることができない

②に関しては、それこそ「言っといてくれよ」である

しかしながら、ここの齟齬には医療・福祉屋とホームページ屋の「守るべきもの」もしくは「常識」の違いから来ているものなのだと思う。

僕たち医療・福祉屋が「守るもの」は間違いなく、利用者さんの生活や健康であり、それを犯すような依頼は慎まれる。

一方で、ホームページ屋は見栄えを気にする。
担当者によると、ホームページはもはやハブや広告のようなものであり、どんな人が、どんなことをしてくれるか?➡︎「こんな人がしてくれるなら、ぜひ依頼したい」というホームページが見た人の行動を促すためのハブの作用がある。
そこには「見栄え」が求められ、見た人の行動意欲を沸き立てるようなものが必要なのだ。


日々の会話の中で「言っといてくれよ」が出現するのは、この思考回路の違いで、それは別に職種や業種の違いに限らない。

生き方が違えば、考え方も変わってくるので、当然自分の中にもつ「常識」や「守るもの」も変わってくる。

そこを照会し合わずに、互いのDo(すること)だけを認知していると、「なんでそんなことするん」とか「言っといてくれよ」ってことが起きる。

かと言って、いきなり「おれの生き方はこうで、考え方はこうです」なんて言われてもうざいだけだ。そうなると、やっぱり雑談が効果を発揮するのかな、と思う。

雑談とは、漢字の通り主題と関係ない、物事が進まない会話のことなわけだが、こういった「一見価値のない話」の中に、その人の考え方や価値観なんてものが反映されているような気がする。

僕とホームページ屋のように、異なる業種でお仕事をするならば、互いの仕事がどんなことをするのか、どんなことを守る仕事なのかを雑談レベルで話しておくのが良かったかもしれない。

“仕事”という枠を作ると、互いの信念を闘わせることになる。
けれど、雑談で互いに「守っているもの」や「価値観」を見せあえば、今度は互いにそれに干渉しない程度の交渉になる。

もちろん雑談だけで、何もかもが解決するわけではないが、世の中で「雑談が大事」と言われているのはこういう理由もあるのかな?と勉強になった。

雑談に「価値観の交換」という意味が乗っかれば、何も“雑”な会話ではなくなるだろう。


それはさておき。
写真の撮り直しをしなければならないことを、職場の人たちにどうやって説明しようか。
悩みどころである。

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