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OMOフックに進化するショールーミングストア

小売業界では2020年前後からショールーミングストアと呼ばれるいわゆる「売らない店」の出店が目立つ。EC企業が期間限定型のポップアップショップを設置し自社商品を陳列する形と、百貨店などが設けた場所に複数のブランドが出店する形の2タイプで展開。いずれも実店舗とWEBを一体化させたOMO戦略を実践しているが、多くのD2C事業者が参加する後者のケースでは新たな施策や進化も見られる。

機能充実や新店舗オープンなど積極展開

ここ数年で急速に広がっているショールーミングストアは、基本的に店内で商品を販売せずスマホなどを通じて注文する。ネット通販の拡大に伴い、実店舗とECサイトを融合し相互集客を行う「OMO(Online merges with Offline)」マーケティングが広がっており、ショールーミングストアでは不可欠の施策となった。店頭とECで顧客・商品・在庫情報を統一した取り組みで、試着などを通じ実店舗で商品を確認してもらい、ECサイトでの購入を促す。

D2Cブランドの多くは実店舗を保有していないが、一等地にあるショールーミングスペースに出店することで直にユーザーと接したり、自社ブランドをアピールしたりすることが可能だ。スペース提供側の百貨店なども多彩なD2Cブランドを誘致することで話題づくりや活性化につながり、家賃という新たな収入源も生み出せる。

ただ、こういったショールーミングストアも少しずつ変化しつつある。カフェスペースを設けたり、一部商品をその場で購入できたりするなど、ユーザーの声に対応し機能を充実。自動販売機の設置や、新店舗オープンなどにも積極的に取り組む。

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執筆者/渡辺友絵 <記者プロフィール> 長年にわたり、流通系業界紙で記者や編集長として大手企業や官庁・団体などを取材し、通信販売やECを軸とした記事を手がける。その後フリーとなり、通販・ECをはじめ、物流・決済・金融・法律など業界周りの記事を紙媒体やWEBメディアに執筆している。現在、日本ダイレクトマーケティング学会法務研究部会幹事、日本印刷技術協会客員研究員、ECネットワーク客員研究員。

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