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「通販CX」のマネジメントスキルの高め方(2)ソリューションを選定する通販事業者の視点

当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格「通販エキスパート検定」を実施しています。

前回に引き続き通販/D2CにおけるCX(顧客体験)をマネジメントするスキルの高め方について、当協会で実施している検定試験「通販CXマネジメント」とも関連付けながらお話したいと思います。

CX=顧客体験の進化は、各種ITソリューションの活用が不可欠です。ざっとそのジャンルを挙げただけでも、顧客データ統合データベース、BI、CRM、MA、カスタマーサクセスなど、通販業務プロセス全体に渡ります。

新旧のベンダーがしのぎを削るこのCX領域で、ソリューションを選定する事業者=発注者のスキルアップは非常に重要です。

「通販CXマネジメント」検定では、この発注者のスキルアップを意識して、学習内容を構成しています。本検定に合格しているということは「社内のCX進化PJのリーダーとして活動できる人財」であることをアピールできます。

具体的には、以下の3つはいわゆるRFP(要求仕様書)を作成する際の重要なポイントです。

1)自社のCX進化上の問題点を把握している
2)上記問題点を解決するために必要な取組み=課題を設定できている
3)その課題に対応したソリューションはどのような機能を持つべきか、ベンダーにリクエストできる

例えば、顧客データ統合のプロジェクトを上記3つのポイントで考えると、下記のようなイメージです。

1)自社のCX進化上の問題点
◯新たな顧客体験創出のためには、まだ顧客を理解するデータソースが足りない。
◯各事業部で顧客データが分散し、統合レベルが低い。既存のデータでも各部門の担当者が分析用途にまで使いこなせていない。
2)取組まなければならない課題
新たな顧客体験創出のための分析が可能な多彩なデータソースを持ち、各社員の分析用途に応じたデータ保持をする環境を構築する。
3)ベンダーにリクエストする機能の柱
◯顧客データ管理機能:データウェアハウス、CDP等
◯顧客データ分析機能:アクセス解析、データマイニング等
◯顧客セグメント管理機能:CRMシステム、MA、BI等

さらに一歩進んで、カスタマーサクセスのプロジェクトも同様に考えてみましょう。

1)自社のCX進化上の問題点
◯カスタマーサクセスのキーとなる顧客体験が何かまだよく理解していない。
◯既存優良顧客の多いセグメントはカスタマーサクセスを考える上で参考になる情報が蓄積されているが、今後の成長の
ために力を入れたいセグメントは情報がまだまだ足りない。
2)取組まなければならない課題
顧客の本音が伺える情報を収集し、そこから顧客の成功体験創出のヒントを得、設計したコミュニケーション施策を対象となる顧客に働きかけれるようにする。
3)ベンダーにリクエストする機能の柱
◯テキストマイニング
◯ソーシャルリスニング
◯ナレッジ・マネジメントシステム
◯チャットボット
◯自社コミュニティ構築ツール
◯顧客対応アラートシステム
◯AI活用
など

いかがでしょうか。多くの事業社側の担当者は、上記で言えば1)と2)の整理が社内で不十分なまま、3)の機能面の話をベンダーとしてしまうことが多いのではないでしょうか?
手っ取り早く特効薬的なソリューションを導入し、成果を挙げたくなるのは山々ですが、自社の問題の抽出と課題の整理は発注者側の責任です。

当協会の「通販CXマネジメント」では、以上のような観点から、通販CXの全体像、自社なりのCX進化ビジョンを描くための前提知識、課題別のデジタル技術活用といった構成でスキルアップを目指す内容になっています。

ぜひ次回検定でチャレンジしてみてください。
なお、CXの視点で見たキャリアアップにご興味のある方は、
下記記事も併せてお読み下さい。
CXの視点で見たキャリアアップと「通販エキスパート検定」


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