心が折れた時の自炊は「食べられる脳トレ」
「いい嫁になれるよ」
一緒に住んでいる妹がそう言ってくれる。
「片付けが好きな相手じゃないとだめだけど」
と、続く。
うん。お姉ちゃんもそう思う。
リモートできちんと面白いミュージカルを作る方法に頭を悩ませたのですが、それは「大発明」であるということだけがわかり、パソコンの中にぐしゃぐしゃに丸めた書きかけの紙が散らばったまま挫折した。
ストレートプレイなら書けるさ。日常的で、なんか歌い出したり踊りだしたりしなけりゃ書けるさ。将来的に大人数がやることを度外視すれば書けるさ。
しかし今の私にそんな大発明はできず、しっかりポッキリ心が折れた。
「わたしはなにも生み出せない役立たずだ…」
コロナ禍に関わらず台本が書けない時やアイデアが出ない時はだいたい毎回こうなるのですが、惨たらしい現実も相まって今回は本当に虚無の瞳で目が覚めるたびに「知らない、天井」と白文字が浮かび、脳内のシンジくんが「僕にはできないよ!」と叫ぶ始末でした。
そんな中でも時間はゆるゆると進みますし、生活は続きますし腹は減ります。
腹が減ったらなにかを食べる。せっかくなら食べたいものを食べたい。しかもお腹がほっこりするやつ。
「なにも生み出せない」と苦しむ脳みそにとって、自炊は最高の脳トレでした。
メイン料理を決めて肉を解凍し、米を炊く。
メイン料理を調理して、隙間の時間に副菜を作る。
コンロが開いたら鍋を火にかけ、メインと副菜に合いそうな汁物を作る。
あいだ、あいだに調理器具を洗っていく。
同居している妹を呼びつけ、ご飯を盛ってもらいどかどかと盛り付け。
この流れがスムーズに行って、食べ始める頃には調理器具は洗い終わっていたら最高。献立がちゃんと味のバランスが取れていたらさらに最高。
この歓びが一日一回。
副菜を多めに作って数日ちょこちょこ食べられると尚更「やってやった」感プラス。
別に写真映えするとか、綺麗に見えるとかは気にしてないので副菜はタッパのまま出すし盛り付けもそんなにこだわらないのだけど。
毎日一回「生み出し」そして取り込む。妹の夕飯を作ることで「役にも立っている」!なんというよろこび!
前も似たような記事書いたことあるけど、あの頃はほんと一品メインドン!ひとりでもりもり食う!スッキリ!!みたいなパワー系自炊(?)だったんですよ。
自粛期間で確実にレベルアップしましたし、なんなら日に日に上手くなっているような気がします。レシピ検索して見ながら作るので料理が上手くなっているというよりは、献立考えるのが?
中華系で揃えたわよ!緑がないからサラダもあるわよ!メインが味濃いからこっちは薄めよ!みたいなことが手早くできるようになりました…。うれしい…。
これを毎日やっている人たちを本当に尊敬します。私ブームだからできるけど、多分ブーム去ったらまたやらなくなるもん。私の場合それでもいいけど、家庭があったらそうもいかないですもんね。
うちは母でしたが父の家や姉の家や兄の家、祖母の家などなどあるでしょう。母…ありがとう母…。今ならもっと「なるほど」と思って母のご飯を食べられます…。
脳トレで虚無から脱出できました。シンジくんおめでとう。
しかし演劇で折れた心は演劇でしか復活できないので、また演劇を作ったりちょっと色の違う作品を作ったりしています。
今は書きかけの丸まった紙のシワを伸ばして、もう一度読み直しているところです。ふむふむ、悪くないじゃないか。リモートでできる最大限の楽しいことを今掘り下げている最中です。
自分が元気だと自分が嬉しいなあ。
目指せ!愉快な劇作家 兼 良い嫁!!なった暁にはツイッターのbio欄に書いてやるから覚悟しておけ。
では、朝5時になりましたので、寝ます。おやすみなさい。
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