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2020年に感じた全部、噛み砕いて、2021年へ。

お正月、皆様いかがお過ごしですか。

わたしはPCの前で、あまりに普段と変わらぬ深夜を過ごしておりまったくもって正月感がありません。

カップそばを食べ、絵を描き、インスタやツイッターにバタバタと振り返りや挨拶などを投稿し、あつまれどうぶつの森を起動してカウントダウン。YouTubeでゲーム実況者さんの年越し配信を見、SNSの反応をちらちらと覗き見、noteを開きました。

毎年、飛行機が安くなる1月1日に地元へのチケットをとり帰省するのですが今年はそうはいかず。ここから眠って、目を覚ましたら、母から送ってもらった数の子をぽりぽり食べようとおもいます。


さて。2020年はたいへんな一年でしたね。

わたしの、本来の2020年の予定

・4月にミュージカルサークルS&Dの新歓公演

・7月にオリジナルミュージカル第二弾「ひみつの箱には、」の公演を一週間日暮里d倉庫にて上演

・8月にオリジナルミュージカル第一弾「ひとりぼっちの夜」を広島・福山にて地域の方々で上演(企画:花笑みMusical Project)

・12月にミュージカルサークルS&D本公演「ひみつの箱には、」上演

2019年に上演した「ひとりぼっちの夜」と同様、7月は80分パージョン、12月は120分の二幕バージョンを作る予定でした。

上の四本は、【すべて中止】になりました。

一年前におさえた劇場たちは、キャンセル…しても場所代はかえってきません。そりゃあ劇場さんたちも生き延びるためです、仕方がありません。しかし私たちは、舞台を失い、大きなお金を払い、懐と心が空っぽになったのでした。


春…「演劇は人を集める」という理由で演劇・コンサートなどに対して「自粛要請」が出ました。私たちはどこよりも早く仕事を奪われました。(この頃に感じた不安と絶望がトラウマになっていることに気がついたのは、また感染者が増加し始めた11月頃でした。)

4月の新歓公演は中止。台本も書きあがり、オーディションも済んでいました。学生たちのかけがえのない1年が、ずぶり、と暗闇に飲み込まれはじめます。

7月の日暮里d倉庫での公演は、一日のみに変更し、「ひとりぼっちの夜が明けて」というライブイベントに変更。上演予定だった「ひみつの箱には、」のメインテーマを発表しましたが、歌いながら劇場を見渡すと「本当はここでミュージカルを公演する予定だったんだ」と実感が湧いて、涙が溢れそうになりました。

8月の「ひとりぼっちの夜」広島・福山公演も無期限の延長(企画の休止)が決定。

同時期に、12月のサークルの本公演も稽古の危険性などを考慮し中止が決定しました。オーディションもしました。台本も書きあがりました。オンライン稽古も試みました。それでも、やっぱり、できなかったのです。

先輩たちの背中を見て「今年は私たちが!」と輝いていた学生たちは舞台に立って照明を浴びることができず。「役に選ばれたのに」「この作品を演じたかったのに」「来年はもう舞台ができないのに」聞こえてくる声の全てがわたしの心を濡らしていきます。


私自身も「ひとりぼっちの夜」を作った勢いのまま、2020年を「ひみつの箱には、」をS&D Projectの仲間たちと突っ走りたかった。

お客さんたちに「こうきたか!」と思ってもらえるかな、ひと夜とは違う層に刺さるかな、去年できなかったことを今年はできるかも!と心を踊らせて、稽古をして、公演をみんなで成功させて、よっしゃ三作目を作るぞ!!と、思い描いていた未来たちが、やはりずぶりと、暗闇に飲まれてしまったのでした。


そんな暗闇のなか。お金もないなかでも、なんだかんだとものづくりを続けました。

・5月 S&D Projectにて「オンラインミュージカルレッスン」をはじめました。自粛関係なく、家から出かけづらい人や、レッスンに通うのが難しい子どもたちに届くといいなー!と思って、今も毎週日曜日にレッスンを継続中です。1月からの生徒さんも募集中!

・6月 一緒にミュージカルを作っている作曲家・樹原孝之介こと ころちゃんから「こもりうたを作ろう」と連絡がきました。

「ひきこもりうた」という曲ができて、わたしは詞を書き、絵を描き、それを動画にしました。眠るときにおすすめ。こもりうたなので。笑

・7月 リモートの作品をやるしかない!と意気込んで、シンガーソングライターの中村郁実と、親友で俳優・石井亜早実に協力してもらい、リモート演劇を制作。

まるでゆめのようだ リモート企画「丑三つ時、君と、電話。」を期間限定で動画公開しました。(リンクの動画は告知動画)

・7月 S&D Project主催ライブイベント「ひとりぼっちの夜が明けて」

・7月 Art&Arts主催のライブ&シンポジウム「Way of Life」にゲスト出演。

しばし空いて…

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・12月 NYのMusa Hitomiさんと、フランス在住の作曲家Yannick Monierさんとの三ヶ国コラボ作品「IMA」を制作。そしてMusaさんの帰国に合わせ、KEYNOTE THEATERにて有観客で上演しました。ゲストダンサーの光陽師 想真くん、穴山香菜さんとの出会いやMusaさんとの再開、そして4人での作品づくりはとても楽しく、短い時間で密度の濃い時間を過ごせました。(こちらもその内ご覧いただける…かも!)

そしてミュージカルサークルS&Dも、ただ公演ができませんでしたオワリにさせてたまるかと、学生たちと考えに考え代替案を出しました。

・ショートショートS&Dという短編作品集。少人数で安全に稽古ができるよう、短編ミュージカルを5本書きました(内一本は完全リモート作品!)バラバラなようで、実は繋がっているような作品集にしました。

・「ひみつの箱には、」のミュージックビデオを作りました。オーディションで選ばれていたキャストたちは撮影日を設けて、音声などは個人で録音し、学生たちが編集もしました。監督はわたし。絵コンテも書いたよ。

GreenとBlueというWキャストなのでふたつあります。

そしてかわいいメイキング映像も!

と、こんな感じでしょうか。

大きな舞台はできませんでしたが、絶えず考え続けた一年でした。


暗い感じでここまで書いてきましたが…

時間に縛られず、自分と向き合い、自分のことを丁寧に考えてあげられた一年でした。思い描いていた未来は一度煙に巻かれてしまいましたが、2020年の尻尾が見えてきた11月頃から徐々に改めて未来を見据えることができはじめました。

「しかたがない、もう一度土台から作り始めてみるか」と、数年前の服を着て立ち上がる。だけどその服には、確実に年数分の毛玉がついているのです。

わたしの2020年の学びは「ひとを頼ること」です。

ありきたり!って思うかもしれないけど、今まで本当にできなくて。友人にも「まるは一番しんどい時は誰にも言わない」とよく言われます。仕事も全部自分で背負いがち。未来も、全部ひとりで描きがち。

ひとりで描いた未来が弾けて、今度は本当の意味で、誰かとの未来・誰かに委ねる未来があってもいいんだ。そのために努力するという手もあるんだ。

そう思っています。

頼る、と信頼する、の字が同じなことにようやく気づきました。


2021年。もう4時間ほど経ちましたが、

まずは「ひみつの箱には、」を絶対に上演したい。

そして誰かを信頼して、今よりもっと大きな成長を遂げたいと思っています。2021年のうちにその姿は現れないかもしれないけど!新たに耕した畑に、種を植えるような一年にします。

「来年は絶対に公演するね!」と確約できない状況が続いているのが悔しく腹立たしいですが…。

やっぱり「やるっきゃないな」と思える気持ちって、芸術から生まれると私は思っているので。音楽や、映画や、演劇…。人によって様々でしょうが、わたしは芸術を信じています。

芸術が元気がなくなっちゃいけないんです。

赤テントぶったててでもやらなきゃ、みんなの気持ちを震わせてやらなくちゃ。

そんな使命感に燃えている、演劇オタクです。

長々と語ってきましたが、2021年も ひらたあや をよろしくお願いします!

得意なものは文章と絵、苦手なものはお金です!

よろしければサポートお願いします!制作や演劇活動のために使わせていただきます。