アメリカ大統領選「陣取り合戦」ってどういうこと?
はじめまして。2016アメリカ大統領選でヒラリー・クリントンを観察していたミドリーと申します。ヒラリーのネタが少なくなったので、中立の立場で「2020アメリカ大統領選」を楽しむためにやってまいりました。おつきあいいただければうれしいです。よろしくお願いいたします。
さて、アメリカ大統領選は「陣取り合戦」と言われます。これって結局どういうこと?と思われるのもごもっとも。池上解説がそろそろテレビでも流れると思いますが、ミドリー解説もしておきます。
まずは、2020大統領選のスケジュール(アメリカ時間)をごらんください。
●2020年 8月17日〜20日:民主党全国大会
●2020年 8月24日〜27日:共和党全国大会
●2020年 11月3日:一般有権者による投票および開票
●2020年 12月14日:選挙人による投票
●2021年 1月 6日:大統領および副大統領当選者が正式決定
● 2021年 1月20日:大統領就任式
11月の一般有権者による投票はわかる。でも12月の選挙人による投票ってなに?
8月24日から選挙戦開始!と言われるのは、先日、民主党大会において民主党正副大統領候補が正式に決まり、24日からそれを受けて現職大統領トランプを有する共和党全国大会が始まったからです。
そして、11月3日がいよいよ投票日!なんですが・・・。おやおや、12月14日「選挙人による投票」となっていますね。これはどういうことでしょう。
この「選挙人」とはなんぞや?を知ることが「陣取り合戦」の説明につながりますので注目してください。「選挙人」の成り立ちは各人で調べていただくとして(いきなりすみません)
「選挙人とは、各州の有権者の総意を代弁する人」であり、各州の選挙人数は、国税調査に基づく人口比率等で下記のように決まっています。
wikipediaより
12月14日に行われる「選挙人による投票」は、各州によって開催方法は様々のようですが、例えばフロリダ州では「選挙人集会」が開かれます。フロリダ州の選挙人は29人です。
この29人は、11月3日の一般有権者投票の結果を受け、自州で勝った候補者に一票ずつ(計29票)を投じます。儀式的なことであり、11月3日の結果が覆ることはまずありません。
つまり、フロリダ州で1票でも多く得票した候補者が、29人の選挙人全員を獲得する。どうだフロリダ、まるごと俺のもの。YO!
ここです!ここが「陣取り合戦」と呼ばれる所以です。
オールオアナッシング、Winner-take-all、競り合っても負けちゃったらどうしようもないね。努力賞なんてないね、の世界なんですね。
トランプより280万票多く稼いでも、選挙人獲得数で負けたヒラリーの悲劇
ここで、2016大統領選(ヒラリーvsトランプ)を例に挙げます。
下記の図をごらんください。青色は民主党ヒラリーが、赤色は共和党トランプが勝った州です。
wikipediaより
全米の得票数ではヒラリーが280万票以上も多かったのですよ。(ヒラリー 65,844,954票 / トランプ 62,979,879票)
だがしかし、上の図で明らかなように、選挙人獲得数はトランプが圧勝だったことがわかります。(ヒラリー 227人/トランプ 304人)
2016年のフロリダ州では、10万票差でトランプがフロリダ州を制しました。有権者の多い州なので、パーセントで見るとわずか1.2%の差。それでもこの結果でトランプは選挙人を29人獲得。ヒラリーは0人。
「陣取り合戦=勝者総取り」の怖さと面白さ。
結局、ヒラリーは選挙人数の多い大票田(=有権者の多い州)を押さえていたけれど、トランプは選挙人数の少ない州を手堅く獲っていったこともこの図からよくわかります。
トランプ陣営は、低所得者で今まで一度も選挙に参加したことのない人たちをターゲットにして有権者登録から呼びかけた。いままで「置いてけぼりになっていた人たち」の票を掘り起こしたのです。このマーケティング力には、ヒラリーシンパのミドリーも脱帽です。
アメリカ大統領選は「陣取り合戦」。だから結果が読みにくく面白い。
さて、2020アメリカ大統領選。
詳細に分析するためには、全米支持率はアテにならないと思っています。
各州の選挙人数と各州での支持率を照らし合わせる必要があります。そのうえで「隠れトランプ派」も存在するため、票読みは本当にむずかしい。汗ばむわ~。
汗ばむけど、2か月間、楽しめそうですね✨
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